歩くたんぽぽ

たんぽぽは根っこの太いたくましい花なんです。

秋の夜長

2018年11月15日 | 日記
くっきりとした輪郭の陽光がカーテンの隙間から床に落ちている。

窓を全開にすると少し冷えた柔らかい風が首を撫で、通り過ぎていく。

寒い寒いと言いながら窓は閉めずにフリースを羽織る。

そういうささやかな暖かさが好きだ。



大分に住んでいる幼馴染が自分で作っている野菜を送ってくれた。

クセのある形をしているがスーパーで買うものとはやはり違う。

なんだかとても美味しいのであった。

なかでもさつまいもを焼き芋にするとその甘さとみずみずしさに驚いた。





2ヶ月くらい前から玄関先に立派な女郎蜘蛛が巣をはっていた。

うちと隣の家と背の高い金木犀の3点を結ぶ大きな巣だ。

ちっぽけな虫がどうやってそんなに大きな巣をつくるのか不思議である。

女郎蜘蛛はいつも巣の真ん中に鎮座し、じっとしていた。

リアルドリームキャッチャーかな。

どういうわけか昔から蜘蛛が好きだ。

気持ち悪いものと思われがちだが、どちらかというと神聖な感じがする。

さっき確認したら巣もろとも消えていたので、大家さんが処分してしまったのだろう。

全く、残念だ。





秋は貴重な季節だ。

一年でもっとも気持ちのいい季節なのに、意識しなければ一瞬で過ぎてしまう。

地元に住んでいた頃は山や田んぼが赤や黄色に染まり、秋を教えてくれた。

街では駅の広間や店々のショーウィンドウがハロウィンからクリスマス装飾に入れ替わったところ、

こうやってぼんやり景色を眺めていると1年がイベントで回っているような錯覚に陥る。

私もずいぶん前からその景色に同化しているような気がする。



いつもと違うスーパーの帰り道、

とぼとぼ歩いていると大きな空き地一面に広がるススキ野が目に飛び込んできた。

行きでは全く気づかなかったのになんでかな。

日がだいぶ西の方に傾いている、思えばずいぶん日が短くなったような。

ああ、秋なんだな。

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