今まさに真夏、暑くて叶わない。
そこで思うのは髪を切りたいということ。
髪についての事情は諸説あり、
多く見える人も少なく見える人も実際の本数は同じであるとか、
髪が伸びるのが早い人は云々、
生活習慣が悪いと禿げるだとか禿げないとか。
何が正しくて何が間違っているのか分からないので、私の独断で話を進めようと思う。
私は美容院という場所が苦手である。
理由はいくつかある。
まず髪質の問題。
私は髪の毛が人よりかなり多い方だ。
さらに1本1本が太く剛毛、
前髪は癖っ毛で短く薄くすると前髪らしきそれは顔に対して約45度を保つ。
そのため前髪をつくりたい時は決してすいてはならない。
小学校4年生のころ母に髪を切ってもらったとき、
髪があまりにも分厚いものだからヘルメットとからかわれた。
生まれたとき既に髪の毛がフサフサだったといえば説得力もあるでしょう。
そういうわけで昔から美容師さんを困らせている。
切った後の感想は大抵「まぁいいか」という感じ。
もし気に入ったとしても美容師さんが少し不安そうな顔をしている。
失礼な話だ。
たまに「腕が鳴るぜ」みたな美容師さんもいるけどね。
そういうこともあって髪を切るのに結構抵抗があるわけだ。
結果、髪型どうこう問題はほっぽってとにかくストーンと下に伸ばすようになった。
もう一つの難問は美容院の空間作りが肌に合わないということ。
今まで行った美容院は大抵チェーン店だから、そこでの話しかできないけども。
美容院選びは以下の通りかなり受動的である。
高校生の頃は若者が行けそうな美容院が一つしかなかったし、
大学生の頃は大学に一番近い美容院で、
神奈川に来てからは多すぎてどこに行っていいいかさっぱり分からなかったので、
知り合いに勧められるがまま全国的にもかなりの大型のチェーン店に通っている(2年に1回くらい)。
チェーン店はだいたい雰囲気が似ている。
とにかく奇麗でなんだか斜に構えている。
以後その雰囲気を「大人すまし空間」と呼ぼうと思う。
大人すまし空間の一番の特徴であり一番おかしいのが、
みんな「当たり前」にその空間を受け入れるということ。
考えてみれば変なことばかりである。
店に入ると身だしなみに気を使ったお洒落な人がつかつかと現れ、
きれいな声でいらっしゃいませと言う。
一瞬ここは高級ホテルなのかと動揺するが、私は平常心を保たなければならない。
とっさにこちらもすまし顔をつくり口角を上げる。
動揺を悟られてはならない。
椅子に座るとすかさずファッション雑誌が鏡の前に何冊か置かれる。
アンアンだとかキャンキャンだとか。
ここも慣れた顔で置かれた雑誌を手に取る。
ページをめくる。
さらにめくる。
めくる。
…。
これなら子供用の絵本を読んだ方がましだが、顔には出さない。
髪を切ってくれる美容師さんは多少顔見知りなのでなんとなくほっといてくれる。
しかしシャンプーに入る時は見習い風の若い男性に変わってしまう。
継続してドライヤーをし始めると彼は話し始める。
「今日は天気がいいですね。」
ドライヤーの音が凄くて会話どころではないが、こちらも一生懸命彼のどうでもいい言葉を拾う。
その後マッサージまでしてくれるのだが、これがなかなか慣れない。
そこまで良くしてくれなくてもいいのにという感じである。
正直なところ、ちゃぶ台でもひっくり返したい気分だ。
何がおかしいのかというと、大人すまし空間は私を私でなくするということだ。
大げさだが、いつの間にかスタイリッシュな大人のお姉さんにされてしまうような感覚。
実際にそういう人なら何も問題ないのだけど、
そうでない人にとって過剰なサービスはきついものがある。
高校生になり初めて美容院に行ったとき心の底から思ったことがある。
それは「みんなにとって本当にこれが普通なのかな」ということ。
今でも鮮明に思い出せるあのとき感じた強烈な違和感は薄れはしたけどやっぱり消えなかった。
気づけば誘導されるがまま読みたくもない雑誌を膝に置いて今時の会話をしかっこいい髪型になっている。
はっきり言ってかなり間抜けな状況である。
美容師さんに問題がある訳ではない。
会社のコンセプトとあまりに芋臭い私に原因があるのだろう。
見方を変えれば、大人すまし空間は普段味わえない非日常でありそれを求めている人もいるのかもしれない。
解決策は他に合う店を探すことしかない。
しかし面倒くさがりなので自分の行動を改めることにした。
美容院に行く時は必ず本を持っていき、仏頂面で本に熱中する。
これにより問題は解決したかに思えた。
しかし、またやってくれたのが見習いの若い男の子(推定19歳)、
「その本好きなんですか?」
「はい(まだ途中だけど)」
「俺も好きなんですよ。めっちゃ面白いですよね。」
「はい(まだ途中だけど)」
「俺は映画が好きなんですけど、あの場面がよかったな。」
「!!!(まだそこまで読んでない)」
彼もきっと会話をしなければいけなくて、共通の話題を発見し盛り上がってしまったのだろう。
まぁいいか。
懲りずに同じ店に行く私も私だ。
いつもの美容師さんと話が盛り上がったりした時はなんだかんだで楽しいわけで、矛盾だらけの美容院論。
以前パチンコ屋さんで働いていたことがあるが、パチンコ屋ですら非日常を演出したがる時代だ。
パチンコ屋の場合はもともとのイメージが悪いから新規開拓のためには必要なのかもしれないけれど。
ということでいつになったら私は髪を切りにいくのだろうか。
美容院への道はまだまだ遠そうだ。
そこで思うのは髪を切りたいということ。
髪についての事情は諸説あり、
多く見える人も少なく見える人も実際の本数は同じであるとか、
髪が伸びるのが早い人は云々、
生活習慣が悪いと禿げるだとか禿げないとか。
何が正しくて何が間違っているのか分からないので、私の独断で話を進めようと思う。
私は美容院という場所が苦手である。
理由はいくつかある。
まず髪質の問題。
私は髪の毛が人よりかなり多い方だ。
さらに1本1本が太く剛毛、
前髪は癖っ毛で短く薄くすると前髪らしきそれは顔に対して約45度を保つ。
そのため前髪をつくりたい時は決してすいてはならない。
小学校4年生のころ母に髪を切ってもらったとき、
髪があまりにも分厚いものだからヘルメットとからかわれた。
生まれたとき既に髪の毛がフサフサだったといえば説得力もあるでしょう。
そういうわけで昔から美容師さんを困らせている。
切った後の感想は大抵「まぁいいか」という感じ。
もし気に入ったとしても美容師さんが少し不安そうな顔をしている。
失礼な話だ。
たまに「腕が鳴るぜ」みたな美容師さんもいるけどね。
そういうこともあって髪を切るのに結構抵抗があるわけだ。
結果、髪型どうこう問題はほっぽってとにかくストーンと下に伸ばすようになった。
もう一つの難問は美容院の空間作りが肌に合わないということ。
今まで行った美容院は大抵チェーン店だから、そこでの話しかできないけども。
美容院選びは以下の通りかなり受動的である。
高校生の頃は若者が行けそうな美容院が一つしかなかったし、
大学生の頃は大学に一番近い美容院で、
神奈川に来てからは多すぎてどこに行っていいいかさっぱり分からなかったので、
知り合いに勧められるがまま全国的にもかなりの大型のチェーン店に通っている(2年に1回くらい)。
チェーン店はだいたい雰囲気が似ている。
とにかく奇麗でなんだか斜に構えている。
以後その雰囲気を「大人すまし空間」と呼ぼうと思う。
大人すまし空間の一番の特徴であり一番おかしいのが、
みんな「当たり前」にその空間を受け入れるということ。
考えてみれば変なことばかりである。
店に入ると身だしなみに気を使ったお洒落な人がつかつかと現れ、
きれいな声でいらっしゃいませと言う。
一瞬ここは高級ホテルなのかと動揺するが、私は平常心を保たなければならない。
とっさにこちらもすまし顔をつくり口角を上げる。
動揺を悟られてはならない。
椅子に座るとすかさずファッション雑誌が鏡の前に何冊か置かれる。
アンアンだとかキャンキャンだとか。
ここも慣れた顔で置かれた雑誌を手に取る。
ページをめくる。
さらにめくる。
めくる。
…。
これなら子供用の絵本を読んだ方がましだが、顔には出さない。
髪を切ってくれる美容師さんは多少顔見知りなのでなんとなくほっといてくれる。
しかしシャンプーに入る時は見習い風の若い男性に変わってしまう。
継続してドライヤーをし始めると彼は話し始める。
「今日は天気がいいですね。」
ドライヤーの音が凄くて会話どころではないが、こちらも一生懸命彼のどうでもいい言葉を拾う。
その後マッサージまでしてくれるのだが、これがなかなか慣れない。
そこまで良くしてくれなくてもいいのにという感じである。
正直なところ、ちゃぶ台でもひっくり返したい気分だ。
何がおかしいのかというと、大人すまし空間は私を私でなくするということだ。
大げさだが、いつの間にかスタイリッシュな大人のお姉さんにされてしまうような感覚。
実際にそういう人なら何も問題ないのだけど、
そうでない人にとって過剰なサービスはきついものがある。
高校生になり初めて美容院に行ったとき心の底から思ったことがある。
それは「みんなにとって本当にこれが普通なのかな」ということ。
今でも鮮明に思い出せるあのとき感じた強烈な違和感は薄れはしたけどやっぱり消えなかった。
気づけば誘導されるがまま読みたくもない雑誌を膝に置いて今時の会話をしかっこいい髪型になっている。
はっきり言ってかなり間抜けな状況である。
美容師さんに問題がある訳ではない。
会社のコンセプトとあまりに芋臭い私に原因があるのだろう。
見方を変えれば、大人すまし空間は普段味わえない非日常でありそれを求めている人もいるのかもしれない。
解決策は他に合う店を探すことしかない。
しかし面倒くさがりなので自分の行動を改めることにした。
美容院に行く時は必ず本を持っていき、仏頂面で本に熱中する。
これにより問題は解決したかに思えた。
しかし、またやってくれたのが見習いの若い男の子(推定19歳)、
「その本好きなんですか?」
「はい(まだ途中だけど)」
「俺も好きなんですよ。めっちゃ面白いですよね。」
「はい(まだ途中だけど)」
「俺は映画が好きなんですけど、あの場面がよかったな。」
「!!!(まだそこまで読んでない)」
彼もきっと会話をしなければいけなくて、共通の話題を発見し盛り上がってしまったのだろう。
まぁいいか。
懲りずに同じ店に行く私も私だ。
いつもの美容師さんと話が盛り上がったりした時はなんだかんだで楽しいわけで、矛盾だらけの美容院論。
以前パチンコ屋さんで働いていたことがあるが、パチンコ屋ですら非日常を演出したがる時代だ。
パチンコ屋の場合はもともとのイメージが悪いから新規開拓のためには必要なのかもしれないけれど。
ということでいつになったら私は髪を切りにいくのだろうか。
美容院への道はまだまだ遠そうだ。
笑わせてもらっただ。
あたいも美容院が苦手で最近は隣人に切ってもらってる。なんか所々短くなったりしてすごいことなるけどまぁなんとかよしとしてるとこ。
気づいたら彼らの誘導されるがまま動いているんだよ。
すごいシステムだよね。
隣人に切ってもらうっていうのはいいね。
理想はそこだな。
そのためにはまず隣人と出会う必要があるね。
うん、まだ遠そう。