今季のプロ野球のタイトル獲得者を表彰する「NPB AWARDS 2017」が20日、東京都内のホテルで行われ、プロ野球記録のシーズン54セーブを挙げた福岡ソフトバンクホークスのデニス・サファテ投手がパリーグの最優秀選手(MVP)に選ばれました。
サファテ投手は今季、66試合に登板し、2勝2敗54セーブ、3ホールド、防御率1.09を挙げ、ホークスの2年ぶりのパリーグ優勝&日本一に大きく貢献。記者投票では983点(1位180票、2位24票、3位11票)を獲得し、421点で2位だった柳田悠岐選手に2倍以上の大差をつけました。サファテ投手は「7年前に来日した時はいつまでいられるかわからなかったけど、このような賞をいただき、とても光栄で身が引き締まります」と話しました。
セリーグのMVPには、広島東洋カープの丸佳浩選手が受賞。143試合で打率.308,23本塁打,92打点を記録。ヒットも171本を放ち、「セリーグ最多安打」のタイトルも獲得。不動の3番打者として「赤ヘル打線」を牽引、チームのリーグ連覇の原動力となりました。記者投票では1134点(1位196票、2位46票、3位16票)を集め、2位以下を圧倒しました。
最優秀新人選手も発表され、セリーグは中日の京田陽太内野手、パリーグは源田壮亮内野手が新人王を受賞。両リーグで野手が新人王となったのは、1996年以来21年ぶりだそうです。京田選手は球団新人最多安打記録を塗り替える149安打、源田選手は新人安打数で歴代3位の153安打を放ちました。両者とも1年目からショートの定位置を獲得。「アジアプロ野球チャンピオンシップ」でも侍ジャパンのチームメイトでした。
今回の表彰式では、ホークスからサファテ選手の他に、工藤公康監督、最高出塁率の柳田選手、最多勝を獲得した東浜巨投手などが参加。
・パリーグ勝率第1位投手賞(最高勝率) 千賀滉大投手(勝率.765)
「1年間日本一を目指してチームみんなでやってきたので獲れてよかった。1年長かったけど、最後までやれたのは幸せです」
・パリーグ最多勝利賞 東浜巨投手(16勝5敗)
「投げる機会を頂いたというところで、しっかり結果を出せたところは良かったと思う。」
・パリーグ最多セーブ投手賞 デニス・サファテ投手(54セーブ)
「個人的にはいろんな記録が達成できた。家族と離れ離れになるということもあったので、苦しいシーズンだったけど、ファンやチームメイト、家族の支えがあったおかげで色々達成できたので、いい1年だったと思う」
・パリーグ最優秀中継ぎ投手賞 岩嵜翔投手 46ホールドポイント(3勝2敗40ホールド)
「まさかこんなに投げるとは思わなかったので、周りの協力のおかげだと思います。来季は見本となるサファテがいるので、一歩でも近づきたい」
・パリーグ最高出塁率者賞&ベストナイン(外野手) 柳田悠岐選手(出塁率.426)
「日本一になれて幸せな年でした。来季は今から始まっていると思うので、一生懸命やってまた日本一目指して頑張りたい」
・パリーグベストナイン捕手部門 甲斐拓也選手
「チームの先輩方や監督・コーチ、たくさんの方に力を借りた1年だった。もっとチームからも、投手からも信頼を得られるように、自分自身もっと努力していきたい」
・パリーグベストナイン遊撃手部門 今宮健太選手
3年ぶりの受賞について:「初めて取ったときよりは満足している。」
1年を通して印象的なシーンは?:「日本一になった瞬間が、昨年の悔しさを晴らした瞬間だったので、一番の思い出です」
・パリーグ最優秀監督賞 工藤公康監督
「この賞はチームを代表して、監督としていただいている風に思います。私一人の力とは到底取ることはできないし、チーム・スタッフ一同代表して御礼申し上げます。日本一になることは大変ですが、みんなで力を合わせて勝ち取る勝利も美味しいものというか、素晴らしいものだというのをまた実感することができました。」
なお、パリーグ最多本塁打者、最多打点者賞、ベストDH賞を受賞したアルフレッド・デスパイネ選手(35本塁打&103打点)は欠席しました。
サファテ投手が「日本シリーズMVP」、「正力松太郎賞」に続き、パリーグの最優秀選手に輝きました。抑えの投手がMVPを獲得したのは、江夏豊さん(1981年)、佐々木主浩さん(1998年)に次いで史上3人目だそうです。そんなサファテ投手はこの表彰式に出席するためにわざわざ来日し、式が終わったらもう帰国しました。弾丸ですなあ。もう少し日本にいてもよかったのにね。
レギュラーシーズンでは54セーブを挙げ、クライマックスシリーズでは3試合で2セーブ。日本シリーズでは3試合で1勝2セーブ、第6戦では来日初の3イニング登板を経験しました。開幕からフル回転が続いたので、オフはしっかり静養してほしいです。
今季の中継ぎ陣は、サファテ投手と岩嵜投手の他にも、シーズンを通じて頑張った投手がいました。森唯斗投手がリーグ3位の35ホールドポイントを挙げ、五十嵐亮太投手は前半だけで6勝をマーク。キューバ人左腕のモイネロ投手は、育成から支配下登録され、34試合に登板。嘉弥真新也投手は58試合に投げて「左の中継ぎエース」に成長しました。ホークスの中継ぎ陣は12球団で最強じゃないかなって思う。
サファテ投手は残り21セーブで日本通算250セーブに到達。来年のホークスは、内川聖一選手とサファテ投手の名球会入りが実現しそうですね。今シーズンは本当にお疲れ様でした。