
競馬界にショッキングなニュースが飛び込んできました。JRAは15日朝、競走馬に与える飼料添加物「グリーンカル」というサプリメントから、禁止薬物の「テオブロミン」が含まれていたことが発覚しました。多くの厩舎がグリーンカルを購入していたと見られ、15日と16日の東京,阪神,函館の3つの競馬場で、禁止薬物を摂取した可能性のある156頭の競走馬が出走を取りやめる事態となりました。
JRAはこの日、禁止薬物問題についての会見を開き、「前日の夕方ごろ、複数の調教師から問い合わせがあった」、「競走馬理化学研究所の検査の結果、禁止薬物のテオブロミンが含まれていることが判明した」、「開催前日の夕方に判明したため、禁止薬物の影響下にある156頭に対して薬物検査を行う時間の猶予が無かったため、公正競馬を確保するために全馬を除外した」と説明しました。さらには「検査で陰性が出てから販売されるもので、検査が出る前に販売したのではないか」と述べていたことから、検査前に禁止薬物が混入されたのではないかと訴えました。
「グリーンカル」は、日本農産工業が製造する競走馬用のサプリメントで、カルシウムとリン酸をバランスよく配合されているのが特徴。原材料にはビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、乳糖などが含まれています。
今回検出された「テオブロミン」は、興奮作用、気管支拡張作用、強心作用、利尿作用を持ち、チョコレートやココアなどのカカオ加工製品の他に、コカ・コーラやお茶にも含まれているそうです。日本農産工業は「原材料としてテオブロミンを使用していない」という声明を出しております。
この日は東京、阪神、函館の3場合計36レースで72頭が競走除外。15日は84頭が競走除外となり、函館のメイン競走・函館スプリントステークスは、13頭立てのところ、③シュウジ、④ライトオンキュー、⑤リナーテ、⑥ダノンスマッシュ、⑧トウショウピスト、⑫タマモブリリアンの6頭が除外され7頭立てに変更。東京メインのユニコーンステークスも、⑤サトノギャロスと⑨ロードグラディオの2頭が競走から除外。
また、地方競馬でも、ばんえい競馬の帯広競馬場で5頭が競走除外、金沢競馬場では日曜日に出走予定だった20頭が除外されました。
競馬は長年見ていますが、100頭以上も出走取消になるのは前代未聞だと思います。12年前の馬インフルエンザ流行による開催中止もショックでしたが、今回の禁止薬物問題はNHKや民放の一般ニュースにも取り上げられているから、JRA史上最大の不祥事ではないでしょうか。
競馬の薬物問題と言えば、岩手競馬(盛岡・水沢競馬場)で昨年、競走馬から禁止薬物のボルデノン(筋肉増強剤)が次々と検出され、その影響で今年の3月まで開催休止に追い込まれました。浦和競馬場でも厩舎の管理馬2頭からプロカインが検出されています。それに、2006年の凱旋門賞に参戦したディープインパクトが、レース後の検体で体内からイプラトロピウムが検出され、失格処分を受けた事件も記憶に新しいです。
来週は宝塚記念に帝王賞とビッグレースが立て続けに行われますが、登録メンバーから薬物の疑いのある馬が出ないか気になります。あと、今後の夏競馬にも影響を及ぼすかもしれない…。禁止薬物問題の早期解決、並びに再発防止を願うばかりです。