2024年の中央競馬を締めくくるドリームレース・第69回有馬記念(GⅠ・芝2500m)が22日、中山競馬場で行われました。ファン投票歴代最多得票を獲得し、今回がラストランのはずだった②ドウデュースが、20日に右前肢破行を発症して出走取消。主役不在で混戦ムードに変わった今年の有馬記念は、2024年ダービー馬①ダノンデサイル、菊花賞馬③アーバンシック、大阪杯を勝った⑤ベラジオオペラ、昨年末のホープフルステークスを勝った⑧レガレイラ、昨年2着⑦スターズオンアース、エリザベス女王杯を勝った⑬スタニングローズ、宝塚記念に続くグランプリ春秋連覇へ④ブローザホーン、2021年ダービー馬⑯シャフリヤール、2023年春の天皇賞馬⑪ジャスティンパレスのGⅠ馬9頭に加え、ブリーダーズカップターフ2着⑥ローシャムパーク、海外GⅠ2着2回⑩プログノーシス、白毛馬初の有馬参戦⑮ハヤヤッコ、4年連続の有馬⑨ディープボンドなど15頭が出走しました。
単勝オッズは、1番人気アーバンシック(2.8倍)、2番人気ダノンデサイル(4.0倍)、3番人気ベラジオオペラ(7.1倍)と10倍以下は3頭。その後、レガレイラとジャスティンパレス(ともに10.9倍)、プログノーシス、ローシャムパーク、スターズオンアースと続きました。
スタートでアーバンシックとプログノーシスが出遅れる。1周目3コーナーでの先行争いで、ベラジオオペラが前に出るが、ダノンデサイルが思い切って先頭を奪う。父・横山典弘の奇襲攻撃に、長男・和生も驚いた!?スターズオンアース3番手につけ、レガレイラ5番手、アーバンシック7番手、ジャスティンパレス外側8番手、シャフリヤールも中団待機。後方はハヤヤッコは一番外を回り、⑭ダノンベルーガ最後方。
1周目スタンド前に差し掛かり、ダノンデサイル先頭、2番手ベラジオオペラ、3番手集団にスターズオンアース・ディープボンド・レガレイラの3頭。6番手スタニングローズ、7番手アーバンシック。8番手グループにブローザホーン・ジャスティンパレス・シャフリヤール。11番手ハヤヤッコ、12番手ローシャムパーク、13番手⑫シュトルーヴェ、14番手プログノーシス、ダノンベルーガがポツンと最後方でゴール板を通過。
1コーナーを回り、先頭のデサイルは最初の1000mを62秒9のスローペースで通過。向正面で、ベラオペ2番手、ボンドが3番手、ハヤヤッコが4番手に浮上。5番手スターズ、6番手レガ、7番手スタニングと牝馬勢が続き、中団グループにはシャフリ8番手、9番手グループにアーバン・ジャスパレ・ローシャムの3頭。12番手シュト、13番手ブローザ、14番手プログ、最後方にダノベル。
2周目3コーナーを過ぎて、まだデサイルが先頭キープ。ベラオペ・ボンド・ハヤヤッコと4頭変わらず。レガが内側5番手、シャフリが外から捲るように上昇。さらにスタニング、ローシャムとこの辺りはサンデーレーシングだらけ。アーバンとジャスパレは10,11番手。スターズはズルズルと後退していく。
15頭一団で4コーナーから最後の直線へ。先頭のダノンデサイルは少し差を拡げる。2番手ベラジオオペラも粘るが、外からシャフリヤールが追い上げ、レガレイラも連れて上がって来た。アーバンシックは5番手争い。残り200mを切ってもデサイルが頑張るが、ラスト100mを切ったところでシャフリとレガがデサイルを捕らえ、最後はレガレイラとシャフリヤールが並んでゴール!ダノンデサイルは3番手、ベラジオペラ4番手、アーバンシックは6番手あたりでゴールしました。
【有馬記念 全着順】
1着⑧レガレイラ
2着⑯シャフリヤール
3着①ダノンデサイル
4着⑤ベラジオオペラ
5着⑪ジャスティンパレス
6着③アーバンシック
7着⑥ローシャムパーク
8着⑬スタニングローズ
9着⑭ダノンベルーガ
10着⑫シュトルーヴェ
11着⑩プログノーシス
12着④ブローザホーン
13着⑨ディープボンド
14着⑦スターズオンアース
15着⑮ハヤヤッコ
取消②ドウデュース
【払戻金】
単勝 ⑧ 1,090円
複勝 ⑧ 320円 ⑯ 540円 ① 210円
枠連 4⃣-8⃣ 6,980円
馬連 ⑧-⑯ 20,470円
馬単 ⑧-⑯ 33,100円
3連複 ①-⑧-⑯ 20,850円
3連単 ⑧-⑯-① 196,520円
ワイド ⑧-⑯ 4,450円 ①-⑧ 720円 ①-⑯ 1,900円
今年の有馬記念は、3歳牝馬・レガレイラと、2021年ダービー馬・シャフリヤールのマッチレースは写真判定に縺れ込みましたが、レガレイラがハナ差で勝利しました。3歳牝馬の有馬記念制覇は、1960年の第5回のスターロッチ以来64年ぶりの快挙です。テイエムオーシャン、ファインモーション、ウオッカやダイワスカーレット、ブエナビスタといった名牝でさえ成し得なかった事をレガレイラが果たしました。同世代の牡馬、さらには古馬勢を退ける「歴史的下剋上」と言えるでしょう。
2着のシャフリヤールは、勝っていれば約3年半ぶりの国内勝利でした。大外枠が嫌われて単勝オッズでは10番人気と低かったんですが、外側から脚を伸ばしてきました。ダノンデサイルをかわした時は勝ったかと思ったけど・・・。それでもベテランの意地は見せたし、負けてなお強い競馬をしました。
3着のダノンデサイルは、まさか逃げに打って出るとは思いもしませんでした。横山典弘騎手も思い切ったことをしたし、うまくスローペースに持ち込んだのも良かったですね。1番人気のアーバンシックは、スタートで出遅れたのが大きく響いて6着に終わりました。最優秀3歳牡馬争いは、デサイル優勢かもしれません。
優勝したレガレイラは、昨年のホープフルステークス以来となるGⅠ2勝目。鞍上の戸崎圭太騎手は、2014年のジェンティルドンナ以来10年ぶり2度目の有馬記念勝利。写真判定の結果で1着と分かった瞬間、検量室前で大きなガッツポーズが出ました。木村哲也調教師は2022年のイクイノックスに次いで2勝目。今年の木村厩舎はチェルヴィニアがオークスと秋華賞の牝馬2冠を果たし、レガレイラが有馬記念で優勝。木村厩舎の時代は来年も続きそうです。
スワーヴリチャード産駒も有馬初勝利。現役時代は2度挑戦しながらも勝利できませんでしたが、初年度産駒でグランプリホースを輩出。今のところハーツクライの後継種牡馬の中で一番の実績を残しているけど、これから種牡馬デビューするドウデュースとの「ハーツクライ後継種牡馬争い」が楽しみですね。
今年のレガレイラは、春は牡馬クラシックに挑み、皐月賞では落馬負傷中のルメール騎手から北村宏司騎手に乗り替わり、1番人気になるも6着。日本ダービーも5着に終わりました。秋になってからもローズステークスで5着、エリザベス女王杯でも5着と1番人気を裏切り続けました。今回は戸崎騎手と初コンビを組み、勝負根性で5戦ぶりの勝利を挙げました。苦しい一年でしたが、暮れの中山の舞台で再び輝きを放ちました。この1勝は来年の飛躍に繋がるはずです。
有馬記念は終わりましたが、28日は2歳中距離王決定戦のホープフルステークス、29日は大井競馬場でダート競馬頂上決戦・東京大賞典が行われます。2024年の競馬はまだまだ続きます。