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もうすぐ閉幕を迎える「2020 東京オリンピック」。開催17日目の7日は、横浜スタジアムで男子野球の決勝戦が行われました。自国開催で金メダルを目指す日本代表(侍JAPAN)は、ここまで4戦負けなし。準決勝では強敵の韓国を下し、アトランタ大会以来の決勝進出を果たしました。この日の決勝戦は、敗者復活戦から勝ち上がったアメリカと対戦。準々決勝では延長10回に日本がサヨナラ勝ちを収めましたが、再びアメリカを破ることができたのか!?
両チームのスタメン
【日本】
1(指)山田哲人
2(遊)坂本勇人
3(左)吉田正尚
4(右)鈴木誠也
5(一)浅村栄斗
6(中)柳田悠岐
7(二)菊池涼介
8(三)村上宗隆
9(捕)甲斐拓也
(投)森下暢仁
【米国】
1(二)アルバレス
2(指)オースティン
3(一)カサス
4(三)フレイジャー
5(右)フィリア
6(左)ウェストブルック
7(捕)コロスバリー
8(遊)アレン
9(中)ロペス
(投)マルティネス
決勝戦の先発投手は、日本は今大会2試合目の登板の森下を起用。対するアメリカは福岡ソフトバンクホークス所属のマルティネスが登板。
1回、日本先発の森下が米国の上位打線を3者凡退に抑える上々の立ち上がり。日本はその裏に先頭の山田がヒットで出塁するが、1死後に吉田が1塁ライナー→走者戻れずダブルプレー。
3回、森下が2死からヒットの走者を出すも、オースティンを三振に退け無失点で切り抜ける。その裏、日本は1死走者無しで村上が米国先発・マルティネスの5球目を捉え、左中間に上がった打球はぐんぐん伸びてスタンドに突き刺さった!村上のソロ本塁打で日本が1点を先取します。
4回、日本は吉田と鈴木の連続ヒット、浅村の四球で1死満塁と追加点のチャンス。しかし、柳田が3塁ゴロ→本塁封殺、菊池も空振り三振に倒れて追加点を奪えず。
4回まで無失点に抑えていた森下は、5回に2死を取った後にヒットと死球で1,2塁のピンチを作るが、アルバレスを内野ゴロに打ち取り0点に抑える。森下は5回まで無失点の好投を見せ、先発の役目を果たします。
日本は6回、森下に代えて千賀滉大が2番手で登板。先頭打者に四球を与えた後、センターフライと三振で2アウトを取り、フィリアに死球を許し、ランナー2人背負うも、ウエストブルックを捕手ファウルフライに退けてピンチ脱出。
7回には3番手の伊藤大海がアレンに2塁打を許したが、後続を抑えて同点を許さず。8回は伊藤が先頭のオースティンにヒットを打たれ、次の打者のところで伊藤から岩崎優にスイッチ。4番手の岩崎は米国のクリーンナップ3人を封じて反撃を阻止。
1点リードのまま迎えた8回裏、先頭の山田が米国3番手・マクガフからライト前ヒット。続く坂本が送りバントを決め、山田2塁進塁。1死2塁の場面で、吉田が3球目のストレートを打ち返し、センター前に落ちるヒット。2塁走者の山田は3塁ストップ→米国の中堅手の送球が逸れる→山田が本塁を狙い、本塁でのクロスプレーはセーフ!米国側がビデオ判定を要求したが、判定は覆らず。吉田のタイムリーヒットで日本に大きな2点目が入りました!
そして9回、ここまで4試合全て登板した守護神・栗林良吏が登板。最初の打者を3球三振に仕留めると、続く打者をレフトフライに打ち取り2アウト。アレンにはライト前ヒットを許したが、最後の打者・ロペスを2塁ゴロ。二塁手・菊池から遊撃手・坂本にボールが渡り、坂本がベースを踏んで3アウト!侍JAPANが2-0でアメリカを破りました!
東京五輪・野球 2021年8月7日(土)
日本 - アメリカ
米|000 000 000|0
日|001 000 01X|2
勝: 【日】森下 (2勝)
敗:【米】マルティネス (1勝1敗)
S:【日】栗林 (2勝3S)
本:【日】村上 1号
5日前の準々決勝での点の取り合いから一転、決勝戦はロースコアの展開となった決勝戦は、村上選手のホームランと吉田選手のタイムリーで2点を奪い、投手陣も森下→千賀→伊藤→岩崎→栗林の5人の投手リレーでアメリカ打線を完封。日本代表が念願の五輪金メダルを獲得しました。初戦のドミニカ共和国戦から無傷の5連勝で、世界の頂点にたどり着きました。
日本がこの種目で優勝したのは、公開競技だった1984年のロサンゼルス大会を含めると2度目ですが、正式競技になってからは初優勝。男子の球技種目としては1972年のミュンヘン大会のバレーボールに次ぐ快挙となるのかな?
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この日の投手陣は、先発の森下投手が5回まで投げて被安打3・5奪三振・1死球・無失点。3回に3つのアウトを三振で奪い、5回はランナー2人背負いながらも得点を許しませんでした。金メダルを懸けた大事な一戦で先発を任され見事に勝利投手となりました。守護神の栗林投手は5試合全て登板し、2勝3セーブを記録。初戦のドミニカ戦で失点を喫したけど、その後は4試合連続無失点でした。
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打線の方は、山田選手、吉田選手、鈴木選手の3人が2安打をマーク。鈴木選手は韓国戦まで1安打でしたが、この日はマルチヒットでしたね。3回に先制弾を放った村上選手、マルティネス投手が投じた外角の球をしっかり合わせました。
1番に座った山田選手は、この種目のMVPに選出。5試合で20打数7安打7打点、打率.350の数字を残しました。メキシコ戦で侍JAPANの今大会第1号ホームランを放てば、準決勝の韓国戦では8回に走者一掃の勝ち越しタイムリー2塁打。この日も8回に山田選手の好走塁で2点目が生まれました。これだけの活躍ぶりからすれば、MVPに相応しいと思います。
北京五輪を最後に除外されていた野球とソフトボールが東京2020で復活し、ソフトボールで日本が13年越しの連覇を果たせば、野球では侍JAPANが悲願の金メダル。両方とも決勝でアメリカを破ったんだよなぁ。侍JAPANの方は楽な試合が一つもなかったけど、とても勝負強さが目立ったチームでした。稲葉篤紀監督、侍JAPANの選手の皆さん、金メダル獲得おめでとうございます!