東京競馬場に6万人の観衆が集まり、ドウデュースの勝利と「ユタカコール」が起きた日本ダービーから1週間がたった6月5日、春の最強マイラー決定戦・第72回安田記念(GⅠ・芝1600m 18頭立て)が行われました。「マイル女王」グランアレグリアと前回覇者・ダノンキングリーが現役を引退し、マイル戦線は新たな時代に突入。昨年の3歳マイル王⑨シュネルマイスター、4連勝で東京新聞杯を制した⑧イルーシヴパンサー、マイラーズカップ覇者⑭ソウルラッシュ、マイルCS3着④ダノンザキッドといった4歳牡馬勢、⑦ファインルージュと⑬ソングラインの4歳牝馬コンビ、さらにはダートマイル王①カフェファラオ、元2歳女王⑯レシステンシア、2019年朝日杯FS優勝⑰サリオス、⑱ナランフレグ&③ロータスランドの「高松宮記念組」、3歳世代からの刺客⑮セリフォス、ドバイターフ3着②ヴァンドギャルドなど好メンバーが揃いました。
単勝の人気は、1番人気はイルーシヴパンサー(4.5倍)、2番人気シュネルマイスター(4.9倍)、3番人気ファインルージュ(7.8倍)、4番人気ソングライン(8.2倍)、5番人気セリフォス(8.7倍)までが一桁台。その後にソウルラッシュ、ダノンザキッド、サリオス、レシステンシア、カフェファラオと続きました。
スタートでレシステンシアがポンと飛び出すが、すぐさま⑫ダイアトニックと⑤ホウオウアマゾンがかわし、ホウオウアマゾンが先頭に立ち、ダイアトニックは2番手。3番手グループにレシステンシアとカフェファラオ、ダノンザキッドも加わる。6番手サリオス、7番手ファインルージュ、内側8番手に②ヴァンドギャルド、外側9番手ソングライン、真ん中10番手ロータスランド、11番手グループにセリフォス・⑥カラテ・シュネルマイスターがいて、ソウルラッシュ14番手。後方は15番手ナランフレグ、16番手⑪カテドラル、17番手イルーシヴパンサー、最後方⑩エアロロノア。
3,4コーナー中間を過ぎて、ホウアマが先頭、キッドが2番手に上がり、トニック3番手、カフェファラ4番手、ルージュ5番手、レシス6番手。中団の外側からソングラが追い出し開始。シュネルとソウルとセリフォスはまだ中団の位置。イルパンは4コーナーのところでしんがり辺りか?
4コーナーを回りラストの直線へ。残り400mでホウオウアマゾンが内ラチ沿いをひた走り、2番手争いではカフェファラオ・ダノンザキッド・ファインルージュ・ダイアトニックと横一線だが、残り300mでキッドが先頭。内側でルージュも対抗する。外からはサリオスとソングライン、大外からセリフォスも追い込む。残り200mでダノンザキッドが抜け出すかと思ったら、残り100mでソングラインとサリオスが襲い掛かり、シュネルマイスターも馬群を割って突っ込んできたが、ソングラインがゴール前で脚を伸ばして先頭でFINISH!シュネルマイスターはあと一歩届かず2着・・・。
【安田記念 全着順】
1着⑬ソングライン 1分32秒3
2着⑨シュネルマイスター クビ差
3着⑰サリオス アタマ差
4着⑮セリフォス 1/2馬身
5着⑦ファインルージュ クビ差
6着③ダノンザキッド
7着⑩エアロロノア
8着⑧イルーシヴパンサー
9着⑱ナランフレグ
10着③ロータスランド
11着⑯レシステンシア
12着⑤ホウオウアマゾン
13着⑭ソウルラッシュ
14着⑫ダイアトニック
15着②ヴァンドギャルド
16着⑥カラテ
17着①カフェファラオ
18着⑪カテドラル
【払戻金】
単勝 ⑬ 820円
複勝 ⑬ 260円 ⑨ 210円 ⑰ 520円
枠連 5⃣-7⃣ 720円
馬連 ⑨-⑬ 1,740円
馬単 ⑬-⑨ 3,740円
3連複 ⑨-⑬-⑰ 11,810円
3連単 ⑬-⑨-⑰ 64,140円
ワイド ⑨-⑬ 830円 ⑬-⑰ 2,770円 ⑨-⑰ 1,470円
東京競馬場の5週連続GⅠのラストを飾る安田記念は、ゴール前は大混戦となりましたが、勝ったのは4番人気の4歳牝馬・ソングラインでした。2番人気のシュネルマイスターはクビ差の2着。昨年の安田は3着、マイルCSでも2着に敗れ、今回もまたマイル界の頂点に立つことができませんでした。3着のサリオスは前走から-22キロと大幅に馬体重を減らしたのが良かったと思います。メンバー唯一の3歳馬・セリフォスは4着、3番人気のファインルージュは5着。
1番人気のイルーシヴパンサーは8着に終わり、平地GⅠの1番人気は泥沼の12連敗。イルパンとソウルラッシュはGⅠの舞台に立ったのも初めてで、格上の馬達とは初対戦、それに58キロの斤量も影響したと思います。スプリントとマイルの2階級制覇に挑んだナランフレグは9着、ドバイ帰りのヴァンドギャルドは15着、ダートGⅠ馬カフェファラオはブービーの17着でした。
ソングラインは4度目のGⅠ挑戦で悲願の初制覇。重賞でも国内外合わせて3勝目です。鞍上の池添謙一騎手は2020年のグランアレグリアに次いで同レース2勝目をマーク。ソングラを管理する林徹調教師(美浦所属)は、厩舎開業5年目でGⅠ初勝利。キズナ産駒はアカイイトに次いで2頭目のGⅠ馬が誕生しました。
前走のヴィクトリアマイルでは5着と敗れましたが、それから中2週でGⅠタイトルを獲得。同世代のライバルのシュネルマイスターには昨年のNHKマイルカップでハナ差で敗れたけど、1年ぶりの再戦でリベンジを達成しました。
4歳世代はエフフォーリア、タイトルホルダー、シャフリヤール、シュネルマイスターといった牡馬勢が強く、牝馬はケガで引退する馬が相次いでいるイメージがあったけど、ソングラインに限らず、ソダシもGⅠ3勝しているし、メイケイエールも重賞5勝を挙げています。サンデーレーシングの代表が「秋には海外遠征も考えている」と話しており、BCマイル挑戦の可能性も。もし海外白紙なら、マイルCSでソダシとの直接対決が見られるかもしれませんね。