2024年牡馬クラシック最終戦・第85回菊花賞(GⅠ・芝3000m 18頭立て)が20日、京都競馬場で行われました。今年の日本ダービーを制した④ダノンデサイルが、ダービーから直行で菊に参戦。ダービーに続く2冠達成なるか注目されました。他にもセントライト記念を勝った⑬アーバンシック、神戸新聞杯で逃げた⑩メイショウタバル、皐月賞2着⑨コスモキュランダ、2連勝中⑯ヘデントール、⑪ショウナンラプンタ、⑭メリオーレム、⑰アドマイヤテラ、①ピースワンデュックなども最後の1冠獲りに挑んできました。
スタートで①ピースワンデュックとヘデントール、⑦ビザンチンドリームとアドマイヤテラが少し遅れる。1周目外回り3コーナーに向かってのポジション争いで、⑮エコロヴァルツが先手を奪い、2番手②ノーブルスカイ、3番手⑥ミスタージーティー、ダノンデサイルは内側4番手追走。5番手グループに⑧ウェストナウ・メイショウタバル・⑤ハヤテノフクノスケ、8番手⑫シュバルツクーゲル、9番手コスモキュランダ。中団10番手グループに③アスクカムオンモア・ショウナンラプンタ・メリオーレムがいて、13,14番手のところにピースワンデュックとアーバンシック、15番手ビザンチンドリーム、16番手⑱アレグロブリランテ、後方にヘデントールとアドマイヤテラという展開。
1周目のスタンド前に差し掛かり、先頭がエコロヴァルツからノーブルスカイ→メイショウタバルとコロコロ入れ替わる。ダノンデサイルは8番手まで落とし、ショウナンラプンタとアーバンシックとコスモキュランダは中団待機。ヘデントールは最後方でゴール板を通過した。
前の争いは1,2コーナーで入れ替わりが激しい展開に。1コーナーでデュックが先頭に立つと、向正面でノブスカがぴったり2番手、3番手にシュバルツが3番手に上がり、タバル4番手、5番手ジーティーとここまでが先団。6番手ウェストナウ、アーバンが7番手、エコロ8番手。アドテラ9番手、10番手ラプンタ、11番手オーレム、ヘデンがしんがりから12番手に浮上し、デサイルは13番手まで後退。14番手ビザンチン、15番手アレグロ、16番手フクノスケ、17番手キュランダ、最後方にカムオン。
勝負は2度目の外回り3コーナーに突入。坂の頂上でシュヴァルツが抜け出すと、アドテラ2番手、タバル3番手、アーバン5番手。ヘデンが中団まで進出し、キュランダも捲って来た。そしてデサイルは後方3番手まで下がっている。これはまずい。
4コーナーから最後の直線で、アドマイヤテラが僅かにリード、内でシュヴァルツクーゲルが頑張っている。アドテラの内からショウナンラプンタ、外からアーバンシックも追い込んできている。残り200mでアーバンがアドテラをかわして先頭に躍り出る。後続ではダノンデサイルが6番手まで上がるも逆転は絶望的。残り100mでアーバンが完全に抜け出し、アドテラとラプンタの2番手争いにヘデントールとビザンチンドリームも加わるが、アーバンシックが先頭ゴール!2着争いはヘデントールがゴール手前でアドマイヤテラをかわしたか?
【菊花賞 全着順】
1着⑬アーバンシック
2着⑯ヘデントール
3着⑰アドマイヤテラ
4着⑪ショウナンラプンタ
5着⑦ビザンチンドリーム
6着④ダノンデサイル
7着⑪シュバルツクーゲル
8着⑤ハヤテノフクノスケ
9着⑮エコロヴァルツ
10着⑱アレグロブリランテ
11着⑧ウエストナウ
12着⑥ミスタージーティー
13着⑭メリオーレム
14着⑨コスモキュランダ
15着①ピースワンデュック
16着⑩メイショウタバル
17着③アスクカムオンモア
18着②ノーブルスカイ
【払戻金】
単勝 ⑬ 370円
複勝 ⑬ 160円 ⑯ 240円 ⑰ 470円
枠連 7⃣-8⃣ 760円
馬単 ⑬-⑯ 2,000円
馬連 ⑬-⑯ 1,180円
ワイド ⑬-⑯ 490円 ⑬-⑰ 1,070円 ⑯-⑰ 1,640円
3連複 ⑬-⑯-⑰ 5,200円
3連単 ⑬-⑯-⑰ 19,390円
牡馬クラシック最終戦は、出入りの激しい展開となり、ラストの直線で2番人気のアーバンシックが先行するアドマイヤテラを残り200mで差し切り優勝しました。4番人気のヘデントールが2着、3着には6番人気のアドマイヤテラが入りました。ダービーとの2冠を狙ったダノンデサイルは6着に敗れて2冠ならず。序盤は3,4番手に位置付けていましたが、2周目の向正面で中団、3コーナーで後方3番手まで後退。最後に追い上げたけど時すでに遅しといった感じ。この日の馬体重は前走のダービーから18キロ増で、走りも重かったように見えました。ジャパンカップか有馬記念で仕切り直しですかねえ。
GⅠ初制覇のアーバンシックは、前走のセントライト記念に続いての重賞連勝。スワーヴリチャード産駒はレガレイラに次いで2頭目のGⅠ馬誕生で、牡馬クラシック初勝利。鞍上のクリストフ・ルメール騎手は2週連続のGⅠ勝利を挙げ、菊花賞では昨年のドゥレッツァに続く2連覇で通算4勝目。菊花賞を連覇した騎手は史上4頭目だそうです。アーバンシックを管理する武井亮調教師はJRA・GⅠ初制覇、馬主のシルクレーシングはこのレース初勝利です。
アーバンシックはデビュー2連勝のあと、京成杯でダノンデサイルに敗れて2着。春のクラシックでは皐月賞で4着、ダービーでは11着でした。秋を迎え、デビューから主戦を務めた横山武史騎手からルメール騎手に乗り換え、セントライト記念ではコスモキュランダを差し切って重賞初制覇を果たすと、菊花賞も快勝。ルメール騎手とのコンビで2戦2勝ですか。
数多くの名馬を生み出したシルクレーシングから、また新たなスターが生まれました。GⅠ通算9勝のアーモンドアイ、世界ランキング1位に輝いたイクイノックスのように、アーバンシックも一時代を築き上げることができるのか、今後の活躍に期待したいです。