2024年の秋の女王決定戦・第49回エリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m 17頭立て)が10日、京都競馬場で行われました。今年のエリ女は「秋華賞組が不在」というとても珍事が起こり、3歳馬は昨年のホープフルステークス優勝馬の⑦レガレイラのみ。3歳世代の意地を見せたいところですが・・・。他にも新潟牝馬ステークスを勝った①ホールネス、昨年3着の雪辱なるか⑭ハーパー、2022年秋華賞馬⑪スタニングローズ、⑬サリエラ、新潟記念で復活勝利⑧シンリョクカ、府中牝馬ステークス2着⑫シンティレーション、⑤モリアーナなどが参戦しました。
正面スタンド前のスタートは17頭横一線。レガレイラも出遅れなし。先行争いで④コンクシェル、シンリョクカ、ハーパー、スタニングローズの4頭が先手を主張するが、コンクシェルが先頭を奪い、ハーパー2番手、シンリョクカは3番手。スタニングローズは4番手、ホールネス6番手、レガレイラは7番手あたり、シンティレーションは中団馬群につけた。
縦長の状態で1,2コーナーを過ぎ、向正面に入るところで、コンクシェルが先頭でレースを引っ張り、2番手にハーパー、3番手シンリョクカ、4番手スタニングローズ、内側5番手ホールネス、6番手⑰コスタボニータ、7番手⑨キミノナハマリア。8番手⑯ラヴェル、9番手シンティレーション、そしてレガレイラは10番手を追走。中団より後ろのグループには11番手②ライラック、12番手⑮ゴールドエクリプス、13番手⑩エリカヴィータ。後方勢は14番手サリエラ、15番手モリアーナ、16番手⑥ピースオブザライフ、最後方に③ルージュリナージュ。
外回り3コーナーで、コンクシェルがまだ先頭、ハーパー2番手、シンリョクカ3番手、スタニング4番手は変わらず。ホールネスとコスタが5,6番手で並び、シンティとレガは中団待機。末脚は何処で爆発するか!?ラヴェルとサリエラは外に持ち出した。
17頭4コーナーを回って最後の直線へ。するとスタニングローズがコンクシェルをかわして先頭に浮上。ホールネスとレガレイラは馬場の真ん中を選んだが、レガレイラはハーパー&シンティレーションと接触。レガが馬群でもがく間にスタニングが突き放していく。2番手争いは内からシンリョクカ、ホールネス、ライラック、外からラヴェルと激戦。ゴール前でラヴェルが2番手に上がったが、スタニングローズがそのまま先頭でゴール!2002年の秋華賞馬が秋の京都で見事に復活しました!
【エリザベス女王杯 全着順】
1着⑪スタニングローズ
2着⑯ラヴェル
3着①ホールネス
4着⑧シンリョクカ
5着⑦レガレイラ
6着②ライラック
7着⑬サリエラ
8着⑮ゴールドエクリプス
9着⑰コスタボニータ
10着⑫シンティレーション
11着⑨キミノナハマリア
12着⑩エリカヴィータ
13着③ルージュリナージュ
14着⑤モリアーナ
15着⑥ピースオブザライフ
16着④コンクシェル
17着⑭ハーパー
【払戻金】
単勝 ⑪ 950円
複勝 ⑪ 340円 ⑯ 810円 ① 300円
枠連 6⃣-8⃣ 4,370円
馬連 ⑪-⑯ 16,020円
馬単 ⑪-⑯ 26,990円
ワイド ⑪-⑯ 3,620円 ①-⑪ 1,560円 ①-⑯ 4,630円
3連複 ①-⑪-⑥ 44,140円
3連単 ⑪-⑯-① 278,100円
牝馬界の頂点を決める一戦は、単勝3番人気のスタニングローズが、最後の直線に入ってすぐに抜け出すと、そのまま先頭の座を譲らず優勝。2002年秋華賞以来、2年ぶり2度目のGⅠ勝利を挙げました。混戦の2着争いは、大外から追い上げたラヴェルが2着入線。ラヴェルは最終オッズで12番人気でした。川田将雅騎手が2ケタ人気の馬を2着に持ち込んだのはさすがだ。3着には2番人気のホールネスが入りました。ラヴェルが2着に入ったことで、馬連と馬単は万馬券、3連単も27万円超の高配当がつきました。
1番人気のレガレイラは直線で他馬にぶつけられたこともあり5着。スタートのタイミングもよかったし、道中は中団で控えていましたが、直線でなぜか馬群の中に入りました。なんで外に出さなかったんだろうか。同じ木村哲也厩舎でオークスと秋華賞の2冠を制したチェルヴィニアとは差がついてしまいましたなぁ・・・。
スタニングローズはこれで4度目の重賞勝利。鞍上のクリスチャン・デムーロ騎手は、2022年のエリザベス女王杯のジェラルディーナ以来、2年ぶりのJRA・GⅠ勝利(通算5勝目)。この日のクリスチャンは1日4勝、2着も4回と無双状態でした。スタニングを管理する高野友和調教師はこのレース初勝利です。
スタニングローズは2年前の秋華賞を勝った後、エリ女で14着、中山記念で5着、ヴィクトリアマイルも12着と大敗。さらには左前脚の腱周囲炎で長期休養。復帰後も結果が残せずにいましたが、この日のレースはクリスチャンの魔法もあるけど、これまでの低迷が嘘のような激走で、GⅠ馬の意地を見せつけました。
サンデーレーシングは「牝馬は6歳の3月末までに引退しなければならない」というルールがあるので、年内もう一走するとなれば香港か有馬記念、3月下旬のドバイでラストランになると思います。「今後は未定」ということは、エリ女で勝ってそのまま引退の可能性もあるかもしれません。でも、最後にもう一花咲かせてほしいところです。