1月5日に始まった「2012年新春競馬シリーズ」も22日に最終日を迎えました。22日は中山競馬場でアメリカジョッキークラブカップ(AJCC)が行われ、有馬記念4着のルーラーシップが参戦。京都ではフェブラリーステークスの前哨戦・平安ステークスがあり、そこでは波乱の結果がまっていました。
中山メイン・第53回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ・芝2200m)は11頭立てで争われ、5歳となり今年こそGIを取りたい③ルーラーシップ、昨年の秋にフランス遠征を行った④ナカヤマナイト、重賞初Vを目指すディープインパクト産駒&ジョワドヴィーヴルの兄・⑥トーセンレーヴ、他にも2010年のオークス馬⑪サンテミリオン、3度目のAJCC制覇を狙う②ネヴァブション、⑨ゲシュタルトが出走しました。
不良馬場の下で行われたこのレース、スタンド前での先行争いで、トーセンレーヴと⑩ツクバホクトオーが競り合い、トーセンレーヴがわずかに先頭でゴール板を通過。ツクバホクトオー2番手、サンテミリオン3番手、4番手⑧リッツィースター、ナカヤマナイトは中団、ルーラーシップは中団より後ろの位置で1コーナーを回ります。
外回りの向正面に差し掛かり、先頭のトーセンレーヴはスローペースで逃げ、ツクバホクトオーが2番手、3番手にリッツィースター。サンテと⑦ミステリアスライトが4番手を争い、ナカヤマナイト6番手、その後ろの7番手にゲシュタルトが追走。8番手にネヴァブション、1番人気のルーラーは9番手でじっと我慢。後方グループは⑤ヒカルカザブエ、①アブソリュートが最後方。
3コーナーを迎え、先頭争いはツクバがレーヴに並びかけるが、レーヴ譲らず。3番手のサンテミリオンが先頭に接近する。残り600mを切り、ナカヤマナイトが4番手に浮上し、ルーラーシップが大外から進出開始。先頭集団が道悪のインコースを避けて中央~外側に進路を取りながら4コーナーのカーブを回り、ゲシュタルトがインを突き、ナイトが前に出るが、残り200mでルーラーシップが先頭を捕らえ、ラスト100mで完全に抜け出してゴールイン!最後は2着に3馬身差の快勝!
単勝1.4倍という1番人気に押されていたルーラーシップ、実力差をみせつけAJCCカップを制覇。同馬はこれで重賞4勝目をマークしました。鞍上の福永祐一騎手は先週の日経新春杯に続き、2週連続での重賞勝ちです。ルーラーとのコンビでは2戦2勝と相性良し。年明け緒戦を勝ったルーラーシップの今年の目標は「GI制覇」。既にドバイワールドカップとシーマクラシックの2レースに予備登録を済ませております。昨年はシーマクラシックで6着。今年はAJCCを勝ち、リベンジに向けて好発進といったところでしょうか。母・エアグルーヴのためにもGIを獲りたいですね。
京都のメイン競走・第19回平安ステークス(GⅢ・ダート1800m 16頭立て)は、ダートGI5勝を誇る⑮エスポワールシチーが登場。2月19日に行われるフェブラリーステークスが控えており、前哨戦となる平安Sでしっかりと勝っておきたいところでしたが…。エスポワール以外にも⑥アドマイヤロイヤル、⑧トウショウフリーク、⑩タガノロックオン、2連勝中の⑨シルクシュナイダーなどが参戦。
レースはトウショウフリークが先手を取ってから始まり、エスポワールシチーは2,3番手からの競馬。タガノロックオンとアドマイヤロイヤルは4,5番手集団の中。1,2コーナーから向正面に差し掛かり、フリークが先頭で逃げ、⑫ヒラボクキングが2番手、3番手に⑦タカオノボルとエスポワールが並走状態。⑭キクノアポロが5番手に上がり、6番手の位置でロックオンとロイヤルが並ぶ。中団の8番手に②スタッドジェルランと⑯ピイラニハイウェイ、シルクシュナイダーがその後ろの10番手。11番手に①インバルコ。後方グループは、⑤クリーン、⑪グランドシチー、⑬レーザーバレットの3頭が並び、④プリンセスペスカがしんがり追走。
3コーナーから4コーナーに差し掛かるところで、エスポワールが3番手に上がり、ヒラボクキングがトウショウフリークに接近。中団ではインバルコが外から追い上げに入る。そして直線コースに入り、ヒラボクキングが先頭に躍り出る。エスポワールシチー外に持ち出して前を追うも、ヒラボクとの差がなかなか縮まらない。ヒラボクキングは最後まで粘りを見せ、エスポワールシチーの猛追を振り切りゴール!大金星で重賞初勝利!
元ダート王・エスポワールシチーが敗れる!GI馬の貫録でぶっちぎりの圧勝も期待されたんですが、単勝10番人気だったヒラボクキングが優勝するという波乱の結果となりました。金星を奪ったヒラボクは、キャリア14戦目、2度目の重賞挑戦で初制覇を果たしました。GI5勝の馬に勝ったのはとても大きいと思います。平安Sを優勝した勢いをそのままに、大一番のフェブラリーSに載り込んできそう。トランセンドを相手にどこまで勝負できるかな?
1番人気だったエスポワールシチーは2着でした。JCダートで3着、今回の平安Sで格下に敗戦。道中で鼻を奪えず、直線ではあまりスピードに乗れず。今年で7歳を迎え、衰えが見えて来たのでしょうか。今回の結果を踏まえ、次は進退をかける事になりそうだ。当日のオッズも2ケタ台もあり得るでしょうなあ…。
来週からは東京競馬場の開催が始まり、29日はダート重賞の根岸ステークスは行われます。ダノンカモン、セイクリムズン、テスタマッタ、サクラシャイニー、ゼンノベラーノ、トウショウカズンなどが登録しています。京都では「京都牝馬ステークス」があり、レディアルバローザ、ショウリュウムーン、昨年のオークス馬・エリンコートが出走予定です。