全国高校サッカー選手権大会も遂に決勝戦。今大会の決勝は、準決勝で津工業に6点を奪う圧勝劇を演じた流通経済大学附属柏と34年ぶりの決勝進出を果たした藤枝東の対戦となりました。
試合は前半6分、流経大柏・大前元紀がゴール前で粘ると、最後はフリーになっていた村瀬勇太が右足で決めて先制します。その後も藤枝陣内を攻め込みますが、なかなか追加点が奪えません。
序盤で失点した藤枝東は、ショートパスでチャンスを作りたいところですが、パスがつながりません。それにここまで4試合連続ゴールの河井陽介が流経大の海老原慎吾の前に封じられてしまいます。
前半終了間際、大前のパスから村瀬がループシュート、これを藤枝東GK・木村誠志がファインセーブ!こぼれ球に上條宏晃がクロスを上げ、最後は大前が押し込むもあと一歩及ばず。前半は流経大柏が1点リード。ただ、シュート10本以上放ってわずか1点止まり。藤枝東にもまだチャンスはありましたが…。
後半開始早々、藤枝にチャンス到来。右サイドから藤田息吹が駆け上がってクロス、これを岡崎太一が右足を伸ばして合わせようとするが届かず。決定的なチャンスを迎えた藤枝東、ゴールネットが遠い。
逆に流経大柏は後半3分、左サイドで村瀬がドリブルで仕掛けてクロス、上條が粘って大前にヒールパス、これを受けた大前がシュートを放ったがGKに弾かれる。その後こぼれ球を拾った名雪遼平がクロスを入れて、もう一度大前!今度は左足のボレーシュートが決まって流経大柏2点目!これで大前は6得点目!
2点差とされた藤枝東は、河合が右足での強烈なミドルシュートを放つも、枠を捉えることができません。
17分、村瀬→上條スルー→飛び出してきた比嘉祐介がペナルティエリア内までドリブルで仕掛けて上條にパス、上條がシュートを狙うも相手に阻まれますが、フリーになっていた大前が決めて3-0。大前今日2得点目!今大会通算7得点で得点王に大きく前進。
完全に勢いに乗ってしまった大前は、後半25分にハットトリックを狙っていきますがGKに弾かれました。このあとCKのチャンスを迎えた流経大柏は、大前が上げると村瀬がヘッドで流し、最後は途中出場の田口泰士のボレーが決まり4点目。
終了直前、藤枝東はなんとか1点取り返そうとしますが、最後までゴールネットを揺らすことができず試合終了。流通経済大学附属柏高校が4-0で藤枝東に完勝、大会初優勝を飾りました。
文句無しの完勝劇でした。決勝戦は大前の2ゴール、守備陣が藤枝東・河合陽介と松田純也を完封、反撃をゼロに抑えました。これで流経大柏は全日本ユース選手権との2冠を達成。千葉県勢では第81回大会の市立船橋以来5年ぶり7度目の優勝です。また、2007年の高校総体で市立船橋が制しており、千葉県勢3冠達成となりました。得点王には7得点を挙げた大前元紀が輝きました。
大前はインターハイ、全日本ユース、高校サッカーの「得点王3冠」の偉業達成です。大前はベスト8までわずか1得点、準決勝以降は6得点と大爆発。今日の決勝では、鮮やかなボレーシュートもありましたね。166㎝と小柄ですが、破壊力は抜群なモノを持っている大前選手。卒業後は清水エスパルスの入団が決まっています。Jリーグ、日本代表でも彼の活躍ぶりが見たいですね。
一方、敗れた藤枝東は総体でのリベンジを誓いましたが、まさかの4失点で返り討ち。藤枝東名物・パスサッカーは、流経大柏のプレスの前に繋がらず。守備陣は完全に崩壊。藤枝東の10番・河合は海老原に封じられ、10番対決で明暗が分かれる形に。名門の完全復活は来季以降に持ち越しとなりました。
今大会の流経大柏の優勝で感じたのは、「日本のサッカー王国」は千葉に変わったということです。今までは埼玉、静岡、長崎・鹿児島・福岡の「九州」と変わっていきましたが、2年前の野洲の優勝、昨年の決勝・盛岡商業VS作陽というカードで、混迷化していきました。しかし、今季は千葉県勢が高校主要タイトルを総なめ、前回は八千代がベスト4入りということで、千葉県は「サッカー王国」の名に相応しいと思いました。あとは柏レイソルとジェフ千葉がJリーグで優勝争いをしてくれれば最高なんですが…。
かつて「サッカー王国」と言われていた埼玉は、1982年の武南高校以来優勝がなく、93年以降国立進出がありません。浦和レッズがクラブワールドカップで3位に輝いているのに、埼玉の高校サッカーは苦戦が続いています。次回こそは国立に進出してください!
ロッテに続きサッカーも千葉になって来ましたね。
千葉のJリーグ2チーム(レイソル、ジェフ)も頑張って欲しいです。