3月に開幕した「Jリーグ・ディビジョン1」もいよいよ大詰め。22日は第32節が行われました。第31節終了時点で、2006年以来8年ぶりのリーグ制覇に王手をかけている浦和レッズが勝ち点61で首位、ナビスコ杯を制したガンバ大阪が勝ち点56の2位で追いかけます。この上位2チームがこの日直接対決。もし浦和が勝てば優勝決定、逆転優勝を目指すガンバは勝ち点3が求められ、勝てば勝ち点差が「5」から「2」に縮まります。優勝争いを占う大一番を制したのは、浦和か?それともガンバか?
両チームのスタメン
[浦和レッズ]
GK 21 西川周作
DF 46 森脇良太
DF 4 那須大亮
DF 5 槙野智章
MF 14 平川忠亮
MF 22 阿部勇樹
MF 16 青木拓矢
MF 3 宇賀神友弥
MF 8 柏木陽介
MF 7 梅崎司
FW 20 李忠成
[ガンバ大阪]
先発
GK 1 東口順昭
DF 14 米倉恒貴
DF 5 丹羽大輝
DF 8 岩下敬輔
DF 22 オ・ジェソク
MF 15 今野泰幸
MF 7 遠藤保仁
MF 13 阿部浩之
MF 19 大森晃太郎
FW 39 宇佐美貴史
FW 29 パトリック
前半4分、浦和はゴールほぼ左でのFKをDFの槙野がグラウンダーで蹴りこむも、ガンバGK・東口にキャッチされる。9分には李忠成パス→梅崎のシュートは決まらず。対するガンバも11分にFW・パトリックがドリブルからシュートを放つも大きく外れる。17分には左サイドを抜け出した今野泰幸がクロス→ゴール前に遠藤らが詰めていたが合わせることができない。
前半32分、李が相手DFに競り勝つと、ペナルティエリア内で柏木にラストパスを送るが、柏木がシュート打てず。前半43分、浦和左サイドで槙野がクロス→遠藤がヘディングでクリア→ボールはガンバのゴール枠内に飛び、あわやオウンゴールになりかけたが、GK東口がパンチングでクリア。ガンバは前半終了間際の44分、宇佐美の浮き球のパス→パトリックが頭で合わせたが、シュートは浦和GK西川の好セーブに阻まれる。前半は両チームスコアレスで折り返し。
後半は浦和が攻め込む時間帯が続きます、5分には柏木のロングパス→李にボールが渡るが、ガンバDFの前にブロックされた。8分には柏木クロス→梅崎が飛び込むもダメ。後半11分、梅崎を下げてマルシオ・リシャルデスを投入、さらに平川→関根貴大と2人メンバーを入れ替える。後半22分、左サイドでボールを受けた関根がドリブルで仕掛けると、青木がPA手前からミドルを放つもDFに当たり、こぼれ球をもう一度青木が狙うもバーを越えて先制ならず。
勝利が絶対条件のガンバは、後半26分に宇佐美を下げてリンス、29分には大森→倉田秋を投入。浦和は後半35分、中央の位置でのFKをマルシオが直接狙うもGKに押さえられる。後半37分、中盤でのロングボールから李が頭で落とし、柏木が左サイドへパスを送り、フリーになっていた宇賀神がダイレクトでシュートを放ったが、ガンバGK東口が防いだ!浦和、先制点の絶好のチャンスで得点を挙げられず…。
ガンバは後半37分にパトリックに代えて佐藤晃大を投入。39分、遠藤の縦パス→阿部浩が左足を振り抜いて見不ドルシュート。しかし、浦和GK西川にセーブされた。
このまま0-0の引き分けかと思われた後半42分、浦和の右サイドのFKをDF陣が守りきると、ガンバがカウンターを仕掛ける。リンスが左サイドを突破し、そのままPA内に進入してからパスを出す。これを佐藤が右足でゴール右隅に流し込む!ガンバ大阪、佐藤のゴールで1点を奪った!リードされた浦和は、その直後にFW・興梠慎三を投入。パワープレーでガンバゴールに迫るもフィニッシュまで持ち込めない。そして後半アディショナルタイム、今野が敵陣で相手ボールを奪い、左サイドの倉田にパス。倉田はPA内で相手DFをかわし、左足シュートを決め、ダメ押しの2点目!終盤に2点を奪ったガンバ大阪が2-0で勝利し、首位・浦和レッズとの直接対決を制しました。
56,758人の大観衆が集まった浦和VSガンバの「J1天王山」は、後半40分過ぎにドラマが起こりました。レッズの分厚い攻撃に耐えたガンバが、アディショナルタイム目前の後半43分に佐藤選手のゴールで試合の均衡を破り、終了間際の後半47分に倉田選手が追加点を奪い勝負あり。その瞬間、浦和サポーターが一気に静まり返りました…。引き分け以下なら優勝の可能性が消えた一戦に勝ったガンバ大阪、交代組の活躍により、アウェーで大きな勝ち点3を獲得。浦和レッズの本拠地優勝を阻止すると同時に、逆転Vに望みを繋ぎました。
一方の浦和レッズは、前半から試合の主導権を握りながらも1点も奪えず。特に前半14分に柏木選手が打ってから、後半22分に青木選手がミドルを打つまでの間、シュートがありませんでした。後半37分にこの日一番のビッグチャンスを迎えたけど、宇賀神選手がシュートを決められず。先制された後に興梠選手が右腓骨骨折の痛みを押して強行出場したものの、精彩を欠いてました。優勝目前で足踏みの浦和、それでも首位だけど、「優勝王手→V逸」という7年前の悪夢の再来もあり得るかもしれない…。
天王山を終え、首位・浦和は勝ち点61と変わらず、2位・ガンバは勝ち点59、その差が「2」に縮まりました。3位の鹿島アントラーズは、川崎フロンターレ戦に勝利し、勝ち点57に伸ばしています。11月29日に行われる次節・第33節で、浦和はサガン鳥栖(@ベストアメニティスタジアム)と対戦し、ガンバはヴィッセル神戸(@万博記念競技場)との関西ダービーに臨み、鹿島はセレッソ大阪(@ヤンマースタジアム長居)と戦います。
鳥栖VS浦和戦もまた注目のカードといえるでしょう。サガン鳥栖は勝ち点56で4位につけており、ACL出場権獲得の可能性が残されています。浦和レッズはベアスタで公式戦3連敗中と相性が非常に悪いです。もし浦和が鳥栖戦で引き分け以下に終わったら、ガンバの結果次第では首位転落もあり得るでしょう…。浦和の足踏み、ガンバの猛追で大混戦と化したJ1優勝争い。決着がつくのはいつになるのか?