TOYOTAクラブワールドカップ2日目は、準々決勝第1試合・北中米カリブ海代表のパチューカ(メキシコ)とアフリカ代表のアルアハリ(エジプト)が対戦しました。アルアハリは大会最多の3度目の出場、前回出場時は3位に入りました。対するパチューカは2年連続出場、昨年はエトワール・サヘルに惜敗して初戦敗退。2回目の今年は初勝利を目指します。この試合の勝者が準決勝で南米王者・リガ・デ・キトと対戦。試合は延長までもつれ込みました。
アルアハリボールでキックオフしたこの試合、まず開始4分、アルアハリが右サイドでFKを狙いますが、味方選手に合わせることができません。直後にパチューカはマリオニがシュートを放ちますが、アルアハリDFに直撃しました。12分、アルアハリはロングパスからバラカトが飛び出しますが、パチューカGK・カレロが抑えます。17分、パチューカはゴールほぼ正面の位置でFKを獲得、このFKをヒメネスが右足で強烈に狙いますが、アルアハリGK・アミルがパンチング。続くCKでは決定的なシーンは生まれませんでした。
パチューカがペースを握る中で迎えた24分、アルバレス→マリオニと繋いで、マリオニが左足で狙うも、GKにキャッチされます。25分、アルアハリ・アブトレイカがドリブルからシュートを放つも相手にブロックされます。28分、またもアブトレイカが左サイドをドリブル突破してシュート性のクロス、このボールが相手DFに当たりそのままゴールイン。パチューカDFのオウンゴールでアルアハリが先制します。1点を追いかけるパチューカは、中盤からのパス攻撃でチャンスを作ろうとするも相手の堅い守りでシュートが撃てません。前半終了間際、アルアハリはカウンター攻撃を見せ、アブトレイカが抜け出すと、バラカトがクロス→フラビオが左足で決めて追加点!前半は2-0とアルアハリが2点リードで折り返します。
後半、パチューカは開始同時にロハス、モンテスと2人選手を入れ替えます。すると開始早々にチャンス到来。右サイドでのFKをモンテスが直接決める!交代選手が結果を出して1点を返します!勢いに乗るパチューカは、12分にヒメネスがミドルシュートを放ちますが、ボールは左に外れます。16分、アギラルがゴール前でパスを出し、マリオニが合わせるもシュート打てず相手にクリアされます。なぜ撃てない!
1点を返されて押され気味のアルアハリは、6分と7分に立て続けにセットプレーでのチャンスがありましたが、勝ち越しゴールはならず。19分にはカウンター攻撃を見せますが、相手DFにカットされました。25分、パチューカは3人目の交代枠としてカルデナスを投入。交代ゼロのアルアハリに対してパチューカは早くも交代枠を使い切りました。26分、ヒメネスがペナルティエリア手前で倒されてFKを獲得。絶好の位置でのFKを自ら直接決めて同点に追いつきました!
同点に追いつかれたアルアハリは、後半32分にようやく最初の交代としてセディクが入ります。直後に反撃開始。33分にカウンターからアブトレイカ→フラビオへ浮き玉のパスを見せますが、相手にクリアされます。35分にもアブトレイカのパスからチャンスを作るも、パチューカDFが阻止。37分、アブトレイカが左サイドを突破した後にペナルティ付近で倒されますが、シュミレーションで警告が出されました。逆転を狙うパチューカは42分、右サイドのロハスのクロスをアルバレスがボレーで狙うもダメ。ロスタイム直前にはヒメネスがミドルを狙うもGKに弾かれる、こぼれ球をマリオニが狙うもポストに弾かれる!その前にオフサイド…。何でやぁ~!結局2-2で90分では決着つかず。大会史上初の延長戦となりました。
延長戦、前半4分にパチューカはカルデナスが左足ミドルを狙いますが、左に外れてしまいます。パチューカの攻撃は続き、6分にFKをヒメネスがクロスを入れますが、相手にクリアされます。そして7分、アルバレスのパスを受けたアギラルがゴール前で倒されるも、アルバレスが押し込んで遂に逆転!この後アルアハリは気持ちが焦っているのか警告が相次ぎと出ます。
延長後半、アルアハリは3分、途中出場のヤセルのスルーパスから、こちらも途中出場のモアワドが合わせますが、DFにカットされます。直後にアブトレイカがスルーパスを出すも、GKカレロが抑えます。そして延長後半5分、パチューカはマニオニがペナルティエリア内で粘って左へパス、これをヒメネスが決めて4点目!2点差とされたアルアハリですが、12分にアブトレイカが相手DFを交わしてループ気味のシュートを打っていきますが、相手に当たってしまいます。直後のCKでサイードが頭で合わせるもゴールならず。最後まで反撃を試みたアルアハリでしたが、結局1点を返すことができず試合終了。4-2でパチューカが逆転勝利で準決勝進出を決めました。
激戦となった準々決勝最初の試合は、パチューカが前半の2失点をひっくり返して大会初勝利を飾り、準決勝で南米王者のリガ・デ・キトと対戦することになりました。前半は支配率で上回りながらも、相手のカウンター攻撃を喰らって2失点。先制点がオウンゴールというのも痛かったです。この2失点が後に響くのかなと思われたんですが、後半開始から投入されたモンテスのFK弾で1点を返したところで、試合の流れが完全に傾きました。
2得点を挙げたヒメネスは、後半28分にFKを決めると、延長後半5分にはダメ押し点を決めました。実は2点目を決める前に足がつってしまうというアクシデントに見舞われたそうですが、その事態を払拭させる快心のゴールでした。それにこの試合、ヒメネス選手の子供が観戦していたので、息子の前でいい所を見せることができましたね。準決勝も家族の前でゴールを決め、チームを決勝に導くことができるのでしょうか?
敗れたアルアハリは、前半にアブトレイカが2得点に絡む活躍を見せましたが、後半はパチューカの猛攻の前に2失点、アブトレイカも前半とはうって変わって相手守備陣に封じられました。最終的には4失点、練習では守備に重点を置いていたのですが、練習の成果はありませんでした。次は木曜日の5,6位決定戦。勝利でエジプトに戻れるのかどうか。
今回の試合は、監督の動きが勝負を分けた形となりました。パチューカのエンリケ・メサ監督は、後半開始時に2人の選手を入れ替え、直後に途中出場の選手がゴールを決める。25分にカルデナスが投入され、数分後に同点となります。カルデナスも華麗な個人技を見せてチャンスを演出し続けました。対するアルアハリのマヌエル・ジョゼ監督は、同点にされたところでようやく1人目の選手交代。延長では前半に2人選手を入れ替えましたが、後に逆転されてしまいました。メサ監督の積極的な動きがパチューカに勝利を導いたのかもしれません。
準決勝最初のカードはリガ・デ・キトVSパチューカに決定。日曜日はアジア王者・ガンバ大阪が登場。開幕戦で勝利したアデレードFCと3度目の対戦を迎えます。ACL決勝では2試合で5得点と快勝しましたが、一発勝負のクラブW杯では何が起こるかわかりません。ここで勝てば準決勝でマンチェスター・ユナイテッドとの対戦が実現します。ACLと同様「超攻撃」サッカーで初戦突破してくれることを信じています!