父は入院して、もう1年を過ぎた。リハビリしているが、足が曲がってほとんど歩けない、というか体重をかけられない。毎週1度は必ずお見舞いに行って様子を見ているが、近頃はボケも混じっており、近親者以外は認識できないときもある。行くと柔和な顔に笑顔を見せ喜びをあらわにする。
その病院から電話がかかってきた。何でも病院内でノロウイルスが検出され、父も戻したので衣服などを至急にも持帰って熱湯処理せよ、というものだった。そういえば先週、見舞いに行ったときに同室の二人が点滴をしていたのでなんだろうかと思っていたのだが、どうもノロウイルスに感染していたのかもしれない。あわててマスクや手袋を準備して病院に駆けつけたが、山場はもう過ぎており、大事はないということで点滴はすでに外されていた。顔立ちも健康そうで、特に異常は見出せなかったので安心はした。
汚れたというか、着替えた衣服や靴がビニル袋に2重に包まれて保管してあった。看護婦さんに聞くと85度以上の湯をかけてくれという。ノロウイルスは高温で死滅するらしい。持帰って、外の水場にコンロを置いて湯を沸かして消毒した。幸いにも天気がよかったので寒くはなかったが、和音君も来ており、ウイルスの感染が心配だった。1時間半ほどで熱湯消毒は終了。その後洗濯機を回し、私はシャワーを浴びて衣服を着替えた。
数日前の新聞で北九州市はノロウイルスで75名が発症したと載っていたが、まさか私達には関係なく牡蠣も安くなっていいな、と安易に考えていたのだが、間違っていた。考え違いでした。反省します