記事を読んで、なるほどと納得。
映画監督・山田洋次さんの幼少期...満州にいた頃にいた女中・ふみさんとの想い出が綴られていました。
読んで一目瞭然、「小さいおうち」の映画化を熱望、原作者・中島京子さんにお手紙までしたためた気持ちはふみさんへの想いの深さだったんですねぇ。
同作は寅さんシリーズを代表する下町人情喜劇の世界観とは随分と違うテイストですし、異色作とも言えます。当時のインタビューでも自らの経験と重ねるようなお話しもしていなかったと思うのですが、山田さんの少年心が今まで封じていたのかもしれません。でもひょっとしたら中島さんへの手紙では触れていたのかも。
そう、それは作品に登場する平井家の女中・タキへの思慕...甘えて纏わりつく坊ちゃんは山田さんそのものだったのかと...!
ふみさんは内地へ嫁ぎ、何年かして満州・大連に一度会いに来てくれたのだそう...でも思春期だった山田さんは照れくさくて逃げ出すようにその場を離れてしまった...それっきり二度と再会することはなかったと。
そんな後悔の気持ちが「小さいおうち」映画化への原動力だったのかと...原作も映画も好きな作品ですが、山田さんのエピソードに触れジワリと胸に温かいものが沁みる感じがしました。