どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

「東京物語」公開記念日とのことで

2018年11月03日 19時50分00秒 | 映画
角川シネマ有楽町にて「小津4K」アンコール上映が開催、家族の末っ子役を演じた香川京子さんが登壇されてますね(^_^)

ちょうど65年...そんな日に私はBD版「東京暮色」を楽しみました。

あまり「楽しむ」作風じゃないんですけどね(^_^;

小津さんのダークサイドが徹底され、どんな人間でも持つ闇、嫌らしさ、汚さ、情けなさを様々な観点で炙りだしています。

戦後作品でタイトルに「東京」が付くのは2作品で、「東京物語」は世界的な傑作となり、「東京暮色」は失敗作と対称的。

「東京暮色」の前作「早春」も倦怠期の中年夫婦と不倫をテーマにしていましたし、当時の観客は嘸かしウンザリしたことでしょうねぇ(^_^;

そんな「東京暮色」、どうしようもない連中の中ただ一人清らかでまっすぐに生きているのが笠智衆さん演じる杉山周吉。

彼一人、とても優しく綺麗な目をしているんです。

それだけに...とても切ない...裏切られたり詰られたり、そして大切なものを失っていくばかりで...(´д`)

でもジッと耐えていく...何か戦後...敗戦国の日本を象徴しているかのような。

そんな真面目一本槍な父親に反抗し無軌道に生きる娘...有馬稲子さん演じる明子ですが、彼女のインタビュー本「有馬稲子 わが愛と残酷の映画史」を読んで、あるシーンが気になりました。

劇中に登場する「ガーベラ」というバーでのシーン。

バーテン(こいつもワルなんですが(^_^;)が女給を冷やかすセリフに「コンさん」が...。

そして別のシーンではそれらしき人物が登場。バーテンに女給の所在をしきりに問い詰めるニヤケ顔のいかにも嫌らしい男。

この風体...どうみても...有名な映画監督の某氏にしか見えません(^_^;

いずれも有馬さんがいるか、すれ違っているシーンですし...とても匂います(^_^;

小津さんが、有馬さんと某氏の関係を知っていたのかどうかまでは判りませんが、まるでそれを茶化しているように感じ取れましたね...。

さて、ちょっと趣が変わりますが、同作品BSプレミアムでもデジタルリマスター版を放送していたので、BD版との画質を比較してみました。

左がBD版、右がBSプレミアム放送のものです。

やはり圧縮率の違いが大きく、放送されたものはノッペリ、対してBDはその鮮明さがよく出ています。

ちょっと粒状感が強くザラッとした感じもありますけどね(^_^;

ともあれ、今回の鑑賞もなかなか興味深いものがあった次第です。




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