どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

高畑さんと富野さんの関係は...。

2018年05月17日 20時52分00秒 | 話題
先日挙行された「高畑勲さんお別れの会」には富野由悠季さんも出席されていました。


フジテレビ「ノンストップ!」にて富野さんのインタビューが...大変貴重なものなので、書き起こしておきたいと思います。

「機動戦士ガンダム」は「赤毛のアン」が始まった頃に始めてたんですけど、なんで巨大ロボット物でありながら、ああいう話しとか、ああいうキャラクターを作れるようになったのかなと、今回高畑さんの訃報を聞くまで自分の才能で作れていたと思ったのね。「アルプスの少女ハイジ」と「母をたずねて三千里」の影響って、凄く大きかった。

ファースト・ガンダムと呼ばれる「機動戦士ガンダム」、その作風は「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」に流れる空気感を共通するところが多く、富野さんの口からダイレクトに聞けて本当に嬉しく、溜飲が下がる思いがしました。

「アルプスの少女ハイジ」の時に高畑監督から教えられたのは、演出的に飾る必要はないんだ。当時のリアルと言う事で言ったら、テーブルの上に直にパンを置いちゃうし、チーズも置いちゃうし、そういう食事のスタイルなんだよ。いやそれだとちょっと抵抗感があるんだけど、今でもやってますよスイスの人はって言われちゃうとグウの音も出なくなる。高畑監督というのはリアリズムで描くっていう事が物語を伝える上で確実に伝えられる方法だって事をご存知だった。

当時はかなり演出方針に齟齬があったようで、富野さんが作成・納品した絵コンテが結果的にかなり変更されていた...と憤懣こめて語っていたのを聞いたことがあります(^_^; 反面教師ってほどでもないけど、その不満の反動が知らず知らずの内にガンダムの人間模様やストーリーの構築に反映され、富野さんなりに学び取っていたということになったんでしょうかね...。

リアリズムを引き継いだって言うと、物凄く判りやすい気がするけど、簡単にできる事じゃない。俺は3分の1くらいはやってみせたよと言う自負はあります。だから高畑監督にも、高畑監督の周囲にいる人にも嫌われるかもしれないけど、本当この一カ月あまり、高畑監督って、僕の師匠だったって思うようになりましたね。

相変わらず尖った話しっぷりですが(^_^;、これまでの長い年月を思えば...ということかと...。

NHKのニュースでは、富野さんを穏やかな表情で歓待する宮崎駿さんが写されていました。

この二人は奇しくも同い年...どこか近親憎悪とか異母兄弟のような...水と油みたいな関係かなと勝手な外野視線で見てましたけど...アニメ業界で切磋琢磨し、結果的に牽引してきた者同士...相通ずるものがあるのだと思います。

こんな時でもないと、こんな姿は見ることはできない...皮肉なことですが、彼らの作品を見て育った世代としては、どこかコソバユイものを感じた次第です(^_^;




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。