今朝の朝日新聞に、高畑勲さんの死を悼む寄稿が。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/a1/2a09ad44da5fa3ed8afdfbbfedb28059.jpg)
東映動画の同期・小田部羊一さんと、弟子といっていい片渕須直さんによるものです。
小田部さんは私にとって古き良き東映動画の作品イメージそのもので、現在に繋がるアニメ表現(主に水の表情...波・飛沫・幕の様に広がる波紋とか...)を発明した人でもあります。高畑さんとは「太陽の王子ホルスの大冒険」を一緒に大変な思いをしながら作ったと思うし、「長靴下のピッピ」も共に構築、作品そのものはお蔵になったものの、後の名作シリーズに繋がる流れとなりました。
今となってはスタジオ・ジブリで、宮崎駿さんとのコンビという印象が強いですが、私にとってはそれ以前の時代に小田部さんとアニメキャラに血肉や体温を与えた人というイメージが強いんです。
片渕さん(私もそうですが)にとっては高畑さんは親と同じ世代になりますし、実際一緒に仕事するのは相当大変だったろうなぁと行間からも読み取れます。学者然としていて、どこか近寄りがたく「若い人を教育するような片手間は持たない。制作に精いっぱいでそんな余裕はない」と言われたというエピソードも頷けるなぁと。でも高畑さんの元で修業・研鑽を積んだことは本当に得がたい財産になったんだろうなというのは、その後の片渕さんの仕事でよく理解できます。マスコミなどが片渕さんを評して「宮崎駿の後継者」みたいな事をいうけど、全然違う!「高畑勲の後継者」というべき人です。
以前同紙に掲載された「高畑勲の問いかけ」取材記事を見直すと、観る者にとって口当たりの良い心地よいものばかりで良いのかという言葉が重くのしかかってきます。
記事の冒頭、ハイジに対しても「『こう反応して欲しい』という大人の願望通りに振る舞う、とてもいい子です。山のおじいさんと再会した時、すごい勢いで相手の胸に飛び込み、全身で喜びを表現する。嫌いじゃないけど、ああいう子を描くのは1回でいい。その後は描いていません」と語っています。作品が成功すると周囲は同様のものを求めがちなんですが、その後に続く「母をたずねて三千里」は真逆と言えるほど影の強い作品でしたし、スタジオ・ジブリ時代に至るまで、似通ったものは一切作らず、良い意味で周囲を裏切り続けた...本当に戦いの歴史だったんだなと思います。
結果として、私の印象も重くて辛い作品群という感じで、苦手意識もありましたが、これから先ジワリジワリと響いてくる気もしていて...。
こうやって書いてもうまくまとまらなくて...高畑さんの遺したもの...むしろ死後となったこれから問いかけてくるような気がしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/a1/2a09ad44da5fa3ed8afdfbbfedb28059.jpg)
東映動画の同期・小田部羊一さんと、弟子といっていい片渕須直さんによるものです。
小田部さんは私にとって古き良き東映動画の作品イメージそのもので、現在に繋がるアニメ表現(主に水の表情...波・飛沫・幕の様に広がる波紋とか...)を発明した人でもあります。高畑さんとは「太陽の王子ホルスの大冒険」を一緒に大変な思いをしながら作ったと思うし、「長靴下のピッピ」も共に構築、作品そのものはお蔵になったものの、後の名作シリーズに繋がる流れとなりました。
今となってはスタジオ・ジブリで、宮崎駿さんとのコンビという印象が強いですが、私にとってはそれ以前の時代に小田部さんとアニメキャラに血肉や体温を与えた人というイメージが強いんです。
片渕さん(私もそうですが)にとっては高畑さんは親と同じ世代になりますし、実際一緒に仕事するのは相当大変だったろうなぁと行間からも読み取れます。学者然としていて、どこか近寄りがたく「若い人を教育するような片手間は持たない。制作に精いっぱいでそんな余裕はない」と言われたというエピソードも頷けるなぁと。でも高畑さんの元で修業・研鑽を積んだことは本当に得がたい財産になったんだろうなというのは、その後の片渕さんの仕事でよく理解できます。マスコミなどが片渕さんを評して「宮崎駿の後継者」みたいな事をいうけど、全然違う!「高畑勲の後継者」というべき人です。
以前同紙に掲載された「高畑勲の問いかけ」取材記事を見直すと、観る者にとって口当たりの良い心地よいものばかりで良いのかという言葉が重くのしかかってきます。
記事の冒頭、ハイジに対しても「『こう反応して欲しい』という大人の願望通りに振る舞う、とてもいい子です。山のおじいさんと再会した時、すごい勢いで相手の胸に飛び込み、全身で喜びを表現する。嫌いじゃないけど、ああいう子を描くのは1回でいい。その後は描いていません」と語っています。作品が成功すると周囲は同様のものを求めがちなんですが、その後に続く「母をたずねて三千里」は真逆と言えるほど影の強い作品でしたし、スタジオ・ジブリ時代に至るまで、似通ったものは一切作らず、良い意味で周囲を裏切り続けた...本当に戦いの歴史だったんだなと思います。
結果として、私の印象も重くて辛い作品群という感じで、苦手意識もありましたが、これから先ジワリジワリと響いてくる気もしていて...。
こうやって書いてもうまくまとまらなくて...高畑さんの遺したもの...むしろ死後となったこれから問いかけてくるような気がしています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/e5/058e8131189497c86cbe861aff3d6ce0.png)