世に盗人の種は尽きまじ。
とは言うものの、余りにも虫の良い話に引っかかる人が多過ぎる。
KINGと称する男の巨額詐欺。
如何にも胡散臭い話になぜ人は騙される。
「うまい話はない」と、事件のたびにメディアは伝えるが事件は終わらない。
メディアの末席を汚す身としては無力さに途方にくれる。
そう言う自分もやがては真っ当な判断能力を失うほどに老化するかもしれないが、幸いなことに騙されるほどに金がない。
もっけの幸いである。
先日、雀の涙ほどの金を預けている銀行の人がやってきた。
運用の提案である。
銀行の利息など雀はおろか蚊の涙ほどのものでしかないが、箪笥がわりに預けている。
バブル期の利息は夢物語で、通帳を記載するときに目にする利息は笑うしかない数字である。
かと言って運用したところで蚊が雀になるでもなく知れたもので、何の手立ても講じていない。
株などにも全く興味はない。
雀の涙は雀の涙であり続けるのだろう。
こう言う時代だから、うまい話に目が眩む。
分かっちゃいるが騙される。
雀を青い絵の具で塗っただけでも、幸せの青い鳥に見えてしまうんだろうね。