私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

新作でも油断禁物、逃した燕絵の茶碗

2015年04月21日 | 茶の湯便り

今盛んに燕が飛び交っている。
ちゅちゅくちゅるるーと賑やかだ。

昔、師匠のお稽古場で出会った燕の絵柄のお茶碗が気に入って
それからは、どこに行っても似たようなお茶碗がないか探していた。

それが、5、6年前に宮崎のデパートでずいぶん似た感じのものに出会った。
一瞬「これだ!」と思ったけれど、こんなにすぐに巡り合うなら、
わざわざここで荷物になるものを買わなくても、またその内に
出会うだろう、、そう考えて買わずに宮崎を離れた。

* * *

ところがその後、何年経っても同じようなお茶碗には出会わず、
同じようなものどころか、燕の絵柄さえお目にかかれなかった。

骨董では「一期一会」、その時々「真剣勝負」と思い定めているのに、
その時は、新作だからいつでも同じようなものが手に入ると油断したのである。
いつまで経っても宮崎で見たお茶碗が頭から離れず、未練たらたらだった。

* * *

最近、お茶屋さんから茶道具のカタログが送られてきた。
すると「あった!あった!燕のお茶碗だ!」
気になっていたお茶碗とはずいぶん違うが、この際それは無視して
取りあえず二度目の後悔をせぬように、直ぐに電話で注文して、手に入れた。

それにしても、やはり物との出会いは一期一会である。
そんな当たり前のことを、これだけ悔しい思いをして、心から知った次第。
新作でも油断は禁物なのである。
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たゆまず修行を

2015年04月13日 | 茶の湯便り
白珪尚可磨 (はくけいなおみがくべし)



「白圭のかけたるは尚磨くべし。斯(こ)の言(げん)のかけたるは為む(おさむ)べからず」 詩経より

白珪は瑕(きず)がついても磨けばよいが、言葉はいい損なうと取返しがきかない。
それが転じて「完全無欠の清らかな玉も、さらに磨くべきである」とされた。

茶席の禅語としてよく知られる言葉で、禅の道にも茶の湯の道にも完成はない、
常に向上を目指して悟後の修行に打ち込むべきであるという戒めの言葉である。

※珪は「圭」とも書き、白く清らかな玉のこと。




先日のお稽古でこの短冊を掛けた。

もともと修行の足りない身であるが、仮にも人に教える者として
独りよがりになっていないか、心構えがおろそかになってはいないか、、
反省し、安易に流れず、不断の努力を、と心に誓う。

お弟子さんに言うばかりでなく、先ずは自分の身から。
頑張らなくては。




茶花は藤と藪椿

我が家の藤、蕾が日に日に大きくなってきている。
毎年このくらいの蕾の時期に茶室に生けるのを楽しみにしている。




桜の落雁 (らくがん)

京都のお菓子屋さんが作った干菓子。
落雁にしては花径5センチもあろうかと言う立派な桜。
このお茶目なお菓子に茶室が一気になごむ。

修行は鞭のみでなく飴もあったほうが、、


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姫路城グランドオープン観桜会

2015年03月23日 | 茶の湯便り

3月27日、平成の大修理が終わり、待ちに待ったグランドオープンを迎えます。

第二次世界大戦の空襲では被弾しながらも奇跡的に焼失を免れ
焼野原になった姫路市街の真ん中にそびえ立っていたという姫路城。
空襲の一夜が明けて目の前に現れたその雄姿に、人々は涙したと聞きました。
姫路城はどれほど当時の人々を勇気づけたことでしょう。

そのお城は再び「白鷺」の姿を取り戻して春の陽に輝いています。
4月4日には、お城の三の丸広場にてお花見のお茶会が開かれます。
広場の周囲には見事な桜が咲き揃います。
この喜びを、皆さんと一服のお茶で語り合いたいと思います。
皆さんのお出でをお待ちしております。








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地道な稽古が実を結ぶ時

2015年03月13日 | 茶の湯便り

昨年の4月に入門してから、今月で11か月になるAさんは、
自宅で友人を呼んでのお茶会を開くのが目下の夢です。
そこで、今まで家庭でも易しく出来る「盆略点前」のお稽古を黙々と続けてきました。

60代のAさんは、なかなか覚えられなくて、、と
いつものお稽古の時に、途中で必ずつまずくところが何箇所かあったのですが、
今日は不思議なほどすらすらと手が動き、一気に腕前が上がったようでした。

そこで、思ったままに「今日はずいぶん上手に出来ましたねえ」と声をかけると、
Aさんも「そうなんです!自分でもびっくりしてるんです!」と自分の成長ぶりに
自分で驚き、喜んでおられました。

稽古とはこういうものでしょうね。
目に見えない少しずつの努力を積み重ねて、そして目に見える形にしていく、ということですね。
それは至極当然のことで、誰もが知っていることですが、それは頭で理解しているだけで
本当に分かっていることではないのです。

続けてこそ「継続は力なり」の言葉の意味が分かります。
そして、お茶の稽古では、同じ「型」の繰り返しによって「続ける心」が養われる
といった、体と心の相乗効果を感じることが出来ます。

「千里の道も一歩から」と言います。
一歩一歩歩めば、遠く千里の向こうまで行ける、と言うことですね。
地道にお稽古を続けたら、この度のAさんのように、ある時、はっと
「千里の道を歩いてきた」ことに気づくことになるでしょう。



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お雛さまの日の丸棗で修行します

2015年03月03日 | 茶の湯便り

今日は3月3日、お雛祭りですね。
三月のメイン行事ですから、お道具も雛尽くしで楽しくお稽古します。

* ~ ~ *

今回のお稽古の主役は、このお雛さまが描かれた丸いお棗です。
お棗(なつめ)は抹茶を入れる容器のことで、丸いので「日の丸棗」と呼ばれています。

日の丸棗には、本当に真ん丸に見えるものもありますが、
このお棗は縦にやや長く、蓋の天辺はカーブが緩やかになっていて
真ん丸のものよりは、お茶杓が乗せやすいようになっています。

と言っても、平らではないので、お茶杓のそりと、お棗のカーブを
よく見定めて、精神を集中させ、指の先まで神経を配り、なおかつ
力を抜いて「ふんわり」と着地させるといった技が必要です。

このような精神統一ができるかどうか、といったことも
このお雛さまの日の丸棗は、かわいいだけでなく、しっかりと修行させてくれます。
いつもは、ついつい扱いの簡単なお棗(薄器)を選んでしまいがちですが
それでは勉強になりませんから、敢えて挑戦しないといけませんね。

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ふしのたかねに雪はふりつつ

2015年01月27日 | 茶の湯便り

先日、ある方のブログに、冠雪した富士山の、飛行機からの画像が掲載されていた。
何も遮るものがなくて、裾を引く富士山の全体の姿が見えて、それはそれは美しかった。

そう感動していた時に、お茶屋さんに用事があって行ったところ、このお茶碗が
待ってました!とばかりに飾られているのが目に入った。
ふわあー!富士山だ!しかも、その茶碗は一目で、私が好きな「よし三」の作品と分かってさらに感激!
そして、富士山、冠雪、よし三、の三要素にプラスして書付けの和歌が良かった。
「田子の浦ゆ うち出て 、、、ふしのたかねに 雪はふりつつ」
百人一首にもある山部赤人の、今の私の気持ちにぴったりの歌だった。

~ * ~ * ~

こうも、あうんの呼吸で出会うとは、、、

喜び勇んで買って帰り、早速にお稽古に登場させた。
そしてお弟子さんに「このお茶碗いいでしょう!、、、」とひとしきり話を聞いてもらい
一服頂いて楽しんできた。

もし、このお茶碗に「田子の浦ゆ、、」の歌が無ければ買わなかったことだろう。
なぜなら、富士山だけのお茶碗だったらすでに持っているし、たとえよし三の作品であっても
今の場合、富士山だけだったら私の気持ちに沿うものではないからである。
だからこのお茶碗は、作家と使い手の気持ちがぴったりと合った
相思相愛のお茶碗だったのだと感じている。
これも自己満足でハッピー♪ハッピー♪である。
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台湾の高校生ワイワイお茶体験♪

2015年01月26日 | 茶の湯便り
~先日、台湾の高校生30名が日本文化を体験したいと茶道部を訪問した~

大勢なので男子組と女子組に分かれて、それぞれ二名ずつの生徒が、皆を代表してお抹茶を飲むことに。
さて、どうなることか、、反応はいかに?

* ~ * ~ *

彼らにしてみれば貴重な経験だから、茶道部員のお点前が全員によく見えるように、
また、お茶を飲む者の様子がよくわかるように、全員を近くに座らせてみた。
すると、さらに近寄って来る者あり、覗き込む者あり、話しかける者ありで、みな興味津津の様子♪
女子組の代表は「美味しい」と言って難なく飲み干したが、
男子組の二人は少々苦戦!だけど何とか飲み切ってふーっと深く息ををついた。
その様子を見ていた他の生徒たちからワーア!と歓声が上がった。
始めてのお茶体験はこうしてワイワイと楽しく終了した。
この後、ほとんどの生徒たちは足がしびれて立てなくなった。
そして、よろよろと歩いたり、ひーひー言ったりしていたが、それも良い思い出になったことだろう。

* ~ * ~ *

こうして国際交流のお役に立てることは嬉しいことである。
茶道部員たちも、異国の生徒たちとの交流で得たものは大きかったに違いない。
お互いの成長過程で役に立つのだから、このような訪問はいつでも大歓迎だ!
次回はどんな訪問者があるのか楽しみにしておこう。
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エレガントな千歳盆のお点前

2014年12月02日 | 茶の湯便り

本日の茶花
海桐花(とべら)と薬師草
唐銅水瓶形花入れ




千歳盆点前
このお点前は、先々代のお家元・裏千家十四世淡々斎宗匠の還暦のお祝いに
嘉代子夫人が考案され、お好みになったお点前です。

蓋付きのお盆の中に、お棗やお茶碗などお点前に必要なものを入れて持ち出し、
お客様の前で、蓋の上に順々にお道具を出してお点前をします。
美しい敷古帛紗を用いるなど、お道具のあしらいなどが優しくエレガントな雰囲気も
感じられるお点前です。

一番簡単な「盆略点前」を応用したお点前で、気軽に事務所や会議室の机上で
楽しむことができます。家庭でも、親しいお友達や家族と会話を楽しみながらの
お点前も温かい雰囲気でいいですね。

*気軽にできるお点前ですが、本格的なお茶席でも通用するお点前です。


千歳盆の命名
淡々斎宗匠の還暦のお祝いに詠まれた嘉代子夫人の「千歳万て 可わらぬ以ろの 耳は乃松
幾美可与者ひ裳 かくこ所 阿羅奈舞」ー千歳までもお元気でという御歌からの命名とのことです。
素敵な御歌ですね。清香院様(嘉代子夫人)のお優しさが伝わってくるようです。

目標あるお稽古
この4月よりお稽古を始められたアイさんが、今このお点前のお稽古中です。
家にある物を使って、気軽にお友達をおもてなししたい、というのが目標です。
炉の時期ですが、その目標に向かって盆略点前と千歳盆をまずマスターしようと頑張っています。

盆略点前はもう90%、千歳盆のお点前も80%の出来具合になりました。
千歳盆は無くても、家にある茶櫃(ちゃびつ)を使って、他のお道具もあり合わせの物でいいですし、
取りあえず、極々親しい方をお客様に頼んで、お稽古のつもりでお茶会やってみたら?などと促せるほどに。
目標がはっきりしているので、心のふらつきが無くいつも変わらぬ態度で黙々とお稽古されます。
その心映えなら、お友達と楽しくおしゃべりしながらのお茶会は、そう遠くない内に実現することでしょう。
楽しい様子が目に浮かぶようです。楽しみ♪楽しみ♪

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志光る 木村茶道美術館

2014年11月27日 | 茶の湯便り

木村茶道美術館への入口
満天星つつじの垣根の紅葉が見事です

こちらは新潟県柏崎市にある国内でも珍しい茶道専門の美術館です。
大正15年に造られた池泉回遊式の日本庭園「松雲山荘」の中に建てられています。

この美術館の素晴らしさは美しい立地にあるだけでなく、逸品揃いの所蔵品とその
所蔵品を使用してのお茶一服にあります。
今日はその一服を楽しみにやって来ました。




この松雲山荘は、昭和46年に所有者より柏崎市に移譲され今日では市民に開放されています。
適度なアップダウンがあり、紅葉を眺めながらの散策はとてもいい気分です。



松葉と落ちたばかりの紅葉の葉が美しく散らばっていました。
人間の演出ではこんな風にはならないでしょうね。
葉の表と裏の割合、葉の寄り具合など、本当に絶妙です。



美術館前の景色です。
赤一色でなく、緑の中に赤と黄色が混在しているところがきれいです。
紅葉の頃にはライトアップされて、また違った風情が楽しめるとのことです。



木村茶道美術館の年間のご案内です。
雪国ですから、12月から3月末まで休館です。

4月から11月までは季節に合わせたお茶席が設けられます。
このお茶席では、国宝級のお茶碗を実際に手に取ってお茶を頂くことが出来ます。
今年は開館30周年として、10月には特別に楽家初代から三代のお茶碗が使われました。
こんなことは、全国唯一この美術館だけです。

また、二期に分けて所蔵品の展示があります。
今秋の茶碗展は圧巻です。
楽家初代長次郎から十五代当代までの作品が全部揃っています。
これも国内で唯一この美術館だけのことだそうです。





本日使用されたお道具です。
正客は、八代得入の黒楽茶碗
次客は、無地刷毛目塩笥(はけめしおげ)李朝初中期
三客は、人間国宝、加藤卓男作の志野茶碗

※塩笥は塩壺として使われていたもの。



待合の床
澤庵和尚のご詠歌で小堀遠州の孫、小堀宗中の書です。



本席の床
宗旦宛で大徳寺世譜185世玉舟の書です。
茶事に招かれたお礼の書状とのご説明を頂きました。
ほとんどの人は古文書は読めませんので、このような説明は有り難いですね。

席中では席主と気軽に会話をすることが出来ます。
分からないことをお尋ねしても大丈夫です。
立派なお茶碗でお茶を頂けるだけでなく、勉強にもなってとても得した気分です。



茶花は、鎌柄(かまつか)と椿(初嵐)
花入れは、竹一重切



お点前は江戸千家の皆さんのご奉仕です。
着物姿でのお点前は優雅で素敵ですね。



私は三客でしたので、人間国宝、加藤卓男作の志野茶碗で頂きました。
惜しげもなく出されるお茶碗の数々、お道具の数々、これこそが木村茶道美術館の真骨頂!
いよっ、太っ腹!
いよっ、大統領!と叫びたくなる気分です。



使われたお道具のご説明を頂きました。
向こうから順番に、(小山健藏作、黒中棗)(茶杓、即中斎)(得入作、黒楽茶碗)
(李朝、無地刷毛目塩笥茶碗)(菓子器、呉須赤絵魁鉢、17世紀)(菓子器、呉須赤絵印判手皿)

本来ならば、ガラス越しにしか見られない国宝級のお茶碗やお道具を、こんなに近くで見ることが出来て
しかも、手に取ってお茶を頂くことが出来るのは、日本中でこの木村茶道美術館しかないとのことでした。

それが出来るのは、設立者である故木村重義翁(寒香庵)の「私のコレクションを皆様にお使い頂き、
美の世界を楽しんで頂きたい」との思いを設立当初から実践しているためである、とパンフレットにありました。
そして、「使ってこそ道具であり、使わなければ道具が死んでしまう」とも。

収蔵品の大半は木村翁が一生をかけて収集したもので、他にも先祖伝来の山林、家屋敷と一億円相当の株券を
含め一切を柏崎市に対して寄付し、それらを元にこの美術館が生まれたとのことでした。
昭和59年11月3日にオープン。木村翁88歳の米寿のお祝いの開館だったそうです。(木村茶道美術館ホームページ参考)

木村翁の志は、美術館の志としてずっと光り輝いていくことでしょう。
今でも、その志に賛同した方々からの寄贈が絶えず成長し続けているとのことです。
天晴れ!木村茶道美術館
頑張れ!木村茶道美術館
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錦秋京都のお茶三昧

2014年11月21日 | 茶の湯便り

桐蔭席
11月20日(木)今日は紅葉の美しい京都でお茶三昧の一日を過ごします。
昨年の学校茶道の研修会で出会った仲間5人、久し振りの再会です。
本日のメインは、こちらの桐蔭席のお茶席に伺うことです。
お招き頂いた5人揃ってのこの日を、首を長くして待っていました。

桐蔭席は裏千家お家元のお茶室で、清水寺近くの東山に位置しています。
静かな佇まいに紅葉が美しく映えていました。
どんなお席でしょうか、、襟を正して入らせて頂きます。





門をくぐり玄関、受付、待合へと進みます。



ご案内があると露地(茶室の庭)を進んで茶室に向かいます。



桐蔭席

四畳半の小さなお茶室です。
躙り口(にじりぐち)という小さな入口から、身をかがめて入ります。
昔、武士たちはここで刀を取り丸腰で入りました。

ほのかな明かりの小さな空間で「壺中日月長し」の心境を楽しみながら薄茶を一服頂きました。
この雰囲気、例えてみるならば、「大人の秘密基地」って感じでしょうか、、

そして別室で点心(茶の湯での簡素な昼食)を頂きます。
お料理は、明治35年創業の老舗「辻留」です。
どのお料理も美味しく頂きましたが、特に身に染みて美味しかったのは「熱々の椀物」と「烝したてのおこわ」でした。
寒い時期に「熱いものは熱く」「温かいものは温かく」というのが一番のご馳走です。
言ってしまえば簡単なことですが、お客様それぞれのペースに合わせてお出しするのは、中々大変なことですからね。
お陰様で身も心も充分温まりました。



楽美術館

秋特別展として「楽家五代宗入と尾形乾山」を開催中の楽美術館へ移動。
宗入生誕350年の記念の展示会です。
宗入と乾山は従兄弟の関係ですが、作風は対照的で「華麗な乾山」に対して宗入は「侘びた風情」です。
そんな二人の作品が集められて展示されています。
写真では分からない迫力や美しさを堪能しました。



楽美術館外観



楽美術館のしつらい
見事な竹の花入れ



茶道資料館

開館35周年記念秋季特別展 「茶の湯の名碗」開催中の茶道資料館へ移動。
長次郎作の「赤楽」銘「太郎坊」、織部黒の銘「悪太郎」、「仁清色絵鱗波文茶碗」、志野の銘「広沢」等々
「名碗」と銘打つだけあって、重要文化財のお茶碗が並んでいて見応えがありました。



着物パスポート

さすが古都京都、着物を着ているだけで色々な特典があります。
和装小物のお店は5%~10%の割引、美術館は入場料割引、お食事処では5%~10%の割引やウエルカムドリンク(ワインやビールなど)、
寺院、神社も拝観料割引やオリジナルグッズの進呈など、嬉しいことが一杯です。

さらに、ホテルでも二名以上でランチかディナーを予約すると、その中の一人でも着物を着ていると一人分が無料になるサービスも
あります。私たち5名で行くとすれば、4人分の料金で済むわけです。これは使わないと損ですね。

この着物パスポートは、インターネットで調べて頂くと、入手先等がわかります。
タクシーも割引がありとても便利ですので使ってみて下さいね。

錦秋の京都、お茶三昧の一日、良い思い出ができました。
京都駅で解散 「また逢う日までお元気で!」

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高校茶道部の文化祭

2014年11月15日 | 茶の湯便り

今日の茶花
野菊と実葛(さねかずら)
花入れは竹一重切

※実葛は別名(美男葛)




11月14日(金)は茶道部最大のイベント、文化祭でのお茶会の日です。
時間が十分に取れない中で一生懸命にお稽古を重ねて来ました。
この日を「今か、今か!」と待ち望んだ者、「来てしまった!」と
気後れする者、それぞれの胸に去来するものは違っても、とにかく
今日一日一丸となって頑張るしかありません。

床にかかった「直心是道場」の教えを胸に納めて「さあ!始めるよ!」
「はいっ!」一席目のお客様をお迎えする直前の緊張の一瞬です。
ここまで来れば、お点前やご挨拶に自信がなくても、もうやるしかありません。
「先生っ!あーどうしよう、、」
「はいっ!行ってらっしゃい!」

教室での姿しか知らない先生方は、おしとやかに変貌した教え子達の姿を見て
感心して下さったようです。
そうです!やれば出来るんです!
ここがお茶を教えていて楽しいところです。

お点前やご挨拶のない、お運びだけの下級生達が「緊張するぅ!」と言うのを
聞いて、あんなにのんびり屋さんでも緊張するのかと意外な側面に触れるのも
こんな時ならではです。
「人間は緊張感を持たないと成長出来ないんよ。いつでもダラダラしてたらアカンのよ!」
などと自分にも言い聞かせながら激励。

大勢のお客様の対応で「忙しいわぁ!」と言いながらもよく頑張りました。
無事にやり遂げた皆の表情は晴々としていました。
「ご苦労様でした。無事に終わって良かったね」
記念写真を撮って終了しました。

お茶室の入り口に掲げるのは「風葉霜を経て紅なり」の短冊。
「先生、これってなんて書いてあるんですか?」
「楓の葉っぱはね、秋が深まって霜が降りるくらい寒くならないと赤くならないんよ、
だから、私たちもね、いろいろ苦労してそれに耐えることで磨きがかかっていくってことだよ」
「へえーそうなんですか、、、」
「だから頑張って生きて行ってね!」
「はいっ!」

文化祭のお茶席を経験して、いろいろと感じることも多かったことでしょう。
お稽古を続けたこと、大勢のお客様のおもてなしをしたこと、これらの経験が彼女達の
良い思い出となり、これからの人生で役立つよう願ってやみません。
そして、師弟共々良い文化祭の一日を過ごせたことに感謝!感謝!です。
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姫路城西御屋敷跡庭園 好古園お茶室の一日

2014年09月17日 | 茶の湯便り

                                好古園 庭園への道

             こちらは、姫路城の西隣りにある武家屋敷跡に造られた池泉回遊式日本庭園です。
             広大な敷地に、滝や池のある「御屋敷の庭」や本格的数寄屋建築の茶室双樹庵の「茶の庭」など
             9つの庭園があり、四季折々に美しい姿を見ることが出来ます。

      
                   今日はお茶室の当番です。
                   大人4名、学生4名で、張り切って一日ご奉仕させて頂きます。
                   さあ、どんな出会いがあるのでしょう、楽しみです。
             

                



       お茶室に行くまでに、その道すがらほんの少しご案内しましょう。
       まず、この「御屋敷の庭」の門をくぐり中に入ります。
       すると、次々に違った趣きの庭が現れてきます。
       花の時期、青葉の頃も素敵ですが、11月中旬の紅葉の頃は、必見の
       燃えるような紅葉がお出迎えします。
 
       




       築地塀や屋敷門など、江戸時代を彷彿とさせる景観により、時代劇や
       大河ドラマの撮影に使われることも多く 「るろうに剣心」「水戸黄門」
       「暴れん坊将軍」などのロケ地にもなりました。

       一般の方も着物姿で記念撮影はいかがでしょうか。
       お正月の晴れ着姿、夏の浴衣姿、、
       卒業式の後にはかま姿で、、成人式のあとに振袖で、、素敵でしょうね。

       以前、撮影会で京都の舞妓さんが来たことがありました。
       あちことでポーズをとっていましたが、どこも絵になっていました。
            



       くるりと回るとこの広場に出てきます。
       茶室「双樹庵」の横になりますが、姫路城が見えます。
       お城を借景とする庭は、歩いているとお殿様になった気分です。



       お茶室「双樹庵」への入口です。ここから「茶の庭」を見学できます。
       お庭見学の後に一服どうぞ!着物姿の大和なでしこがお待ちしております。
       外国人もたくさん訪れ、茶室では楽しい会話が弾みます。



       双樹庵の床の間です。
       掛物は奈良市柳生 芳徳禅寺の橋本紹尚和尚 秋月揚明輝
       香合 堆朱
       花入れ  籠唐物写
       花    すすき、野かんぞう、ホトトギス、水引、フジバカマ

       今日のお客様は122名。内19名は台湾からのツアーのお客様。
       通訳の方がお辞儀の仕方やお茶碗の扱い方、お茶の飲み方などを
       一通り教えておられましたが、皆さん興味津々といった様子でした。

       畳に座ってお辞儀するのが珍しいらしく、代わる代わる私達とお辞儀
       している姿をカメラに収めていました。

       この後どこに行くのかと質問したら、岡山城とその公園(後楽園}に
       行くとのことでした。お城巡りのツアーなのでしょうか、、
       そうだとすれば、中々渋くて落ち着いたツアー内容ですね。



       茶室から見た「茶の庭」です。
       やはりお茶を頂きながら眺めるのがいいですね。
       歩き疲れた体を休めて、ひと時をゆっくりお過ごし下さい。

       今日も国内外の大勢のお客様をお迎えしました。
       イギリス人の若者がニッコリして、お菓子もお茶も両方「グー」と
       言われていた姿が印象的でした。
       
      



       お茶室の中に茶釜が展示されています。
       秀吉の時代に、姫路城築城の折、現場用に使用されたと言われています。
       
       この播磨釜は鉄製で直径24.5cm、高さ14.8cm。取っ手付き。
       胴に「築城用」「播磨」「天正」の文字と桐の紋が入っています。
       400年以上も前の釜は残っているのがまれとのこと。
       1993年に高砂市の所有者から姫路市に寄贈されたもので、久々の公開
       ですので、この機会に是非ご覧下さい。




       茶釜の説明書きです。
       一緒に展示されていますので、細かいところは実物をご覧下さい。

       お茶室、一日のご奉仕は無事に終了しました。
       学生たちも、たくさんのお客様と接して良い経験をさせて頂きました。
       お褒めの言葉を頂くこともあり、自信にも繋がったことでしょう。
     
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インド首相モディ氏と一碗のお茶

2014年09月04日 | 茶の湯便り

                  9月2日の神戸新聞に「モディ首相が正座で茶堪能」の見出しで
               1日の午後、安倍晋三首相と共に表千家の東京稽古場を訪れ、
               薄茶を堪能した、とあった。

               きちんと正座され、作法にならってお茶を飲み、微笑みながら
               「よろしいと思います」とお礼を述べられたとのこと。

               私は裏千家でお世話になっているが、この表千家での出来事は
               流派を超えて、お茶に関わる者として嬉しいことであった。

               外国の首相が、日本文化の一つである茶道に触れて下さったと
               いうことだけでも嬉しかったのだが、モディ首相の「微笑みながら」
               「よろしいと思います」との優しく美しい所作に感動し、また
               一碗を心から楽しんで下さったことが、さらに嬉しく思えたのである。

        
               心と心をつなぐ一碗のお茶、心を込めた一碗のお茶。
               国も言葉も超えたところにある共に楽しむ和みの心。
               そんなことが感じられるインド首相モディ氏の一碗のお茶でありました。

                               *では、次回は9月8日にお会いしましょう。               
              
              
               
               
               


               
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