これは、父が元気な頃に、どこかで買ってきた花入れで、
「お前にあげる」と言って渡してくれたものである。
* * *
父は骨董品や美術品が好きで、いろいろと買っては来るが、
実際に自分で使うことは無く、ほとんどの物をしまい込み、
時々出しては眺めて楽しんでいた。
そして、しばらくすると飽きるのか、あるいは満足するのか、
「欲しければ持って行きなさい」と言って、
最終的に
私に手渡すのを楽しみにしているようだった。
* * *
この花入れは、黄銅に銀のメッキをしたもののように思われ、
年を経るごとに鈍い光が感じられるようになった。
姿は父の性格に似て、どこか"頑固"な意思を感じ、
何かを主張しているように思えるのである。
従って
飾って、この花入れだけを鑑賞するのには何の問題もないが、
いざ花を入れようとすると、ほとんどの花が似合わないのである。
それで今までこの花入れは、
花入れであって花が入れられたことが無かった。
それでも、せっかく父の形見なのだから
何とかお稽古の時に茶花を入れて、活用したいと思って、
庭で見頃になっていた寒咲アヤメを入れてみた。
お稽古の人たちと、「どうもこの花入れは難しくて、
どんな風に花を入れたらいいのか分からないのよ~」
「何か良い考えはない?」
結局、この花入れを使いこなすのは"今後の課題"となり、
父が最後に、私に遺した宿題になったのである。
最近、親の残した物の処分に困り、かたずけ屋に一切を任せる人が増えたとか、
物への愛着がないようで、なんだか寂しい気もしています。
私は"物は人なり"と思っているので、残す方も残される方も、
物に対して責任を持ってもらいたい、と思います。
物には意思はありませんが、人との思い出の中で、その意思が生まれてきているようです。
この度は、「コウタロウ」が役に立って良かったです。
有難うございました(^_-)-☆
花入れを介しての御父様への想いが、画面から溢れて漂って来るようです。
流石は我が国の文化的伝統の正統的継承者、越後美人様といった文章に打たれ過ぎて、
何とかコメントしたくても、その花入れに合う花が無く、躊躇ううちに日は過ぎて行きました。
そこへ「コウタロウ」が登場して逆方向へと打ち返してくれたのです。
使い込みの白状迄あり、
昨日の私への懇ろなコメントへの謝意と相俟って、ここにコメントする勇気を与えてくれました。
越後美人様は何という大きな箪笥をお持ちに成っているのでしょう、
抽斗が幾つあるか知れませんね。では又(^^)/。
割り込み大歓迎です(^^♪
それなら、たか様には頑張ってもらわないといけませんね(笑)
作品に私の個性が表れていて、一目で分かって頂けると言うのは嬉しいことですね♪
自分の頭の中にあるイメージを、納得すると形で表すことはまだまだ出来ませんが、
今のところは、自分らしさがちょっとでも出せたら良いことにしようと思っています。
フェルメールの青は私も大好きな色です。
確かに、グラジオラスは頭が重いですし、背が高いので花器選びが難しいですね。
私の友人は、ガラス製の背の高い花器に、スポッと入れていて素敵でした。
花器の底辺が大きくてどっしりとした花器でしたから、倒れる心配はないようでした。
この花器は、底辺が膨らんでいて、倒れる心配はほとんどありませんが、
口が小さいので細いものしか入れられません。
それで、花器には重量感があるのに、花材は太いものが入れられない、
というところに、この花入れの使いにくさ(むずかしさ)があるように思います。
花器と花の関係は、中々難しいですね。
父がそこまで考えていたかは分かりませんが、私は何とか
使いこなせるようになりたいと思っています。
また、ご感想お聞かせ頂けましたら嬉しいです(^_-)-☆
花入れを全て「花瓶」と書きましたが、越後美人様の花入れは「花器」と解釈してくださるようお願い致します。
憧れのたか様に釣られて、私も同じ思いで割り込みました。
越後美人様の作品には「美遊空間」と貴女が居るので、一発で作者が分かります。
小春日和の時も、猫にゃん越後美人様でしたね!
しかも、今回はフェルメール級の青が《越後美人》様です!
この花瓶の形は、私が持っている鯉釣り用のウキにそっくりなんです。
グラジオラスを活ける時、いつも不満に思うのは…一般的な花瓶は直ぐ倒れて困ります。
妻の花瓶は縦長の陶器ばかりなので、水が少なくなったら倒れないかと心配でした。
“何で、底の方が水タンク型のものが無いのだろうか?
重心も低く安定し、花も長生きできるのに!”
お父様は多分、私と同じ感覚で求めたのではないかと思います。
誤って倒しても壊れない金属製でもあり、最も理想的な花瓶に思えます!
“花にも優しいお父様”でしたね!そんな感じがしますよ。
いつも素晴らしい作品を有り難うございます!
まあ!tyakoさんにそう言って頂くと、これでいいのかな!と思えて嬉しいです。
そうですか、真の花入れとして使えますか。
それなら真の花が似合うわけですね。
真の花は、私にはまだ難しくて自信はありませんが、枝ものと椿で入れてみます。
アドバイスを頂き、有難うございました(^_-)-☆
はい、こうして父が残したものを使うのは、父と対面しているようで、
何か嬉しいような、不思議な思いがします。
そう言って頂くと嬉しいですが、もっと他に活けようがあるのでは?と自信がありません。
ハマナシが似合いそうですので、手に入ったら入れてみたいと思います(^_-)-☆
花入れに丁度良いように思いますけれど・・・
枝物に椿を生けたら見栄えがして素敵だと思います。
落ち着いていてとても素晴らしい花入れですね。
真の花入だと思います。
こんにちは。
お父様の残された花器に花をいける。
素敵なことですね。
この寒咲アヤメがいけられた雰囲気好きですが、越後美人さんにはまだ不満なのでしょうね!?
やはり頑強さをかんじられますか。
「しっかりしろ!」と言われているように感じます(^^;
そうですね、ハマナシが似合いそうですね♪
絶対似合いそう!
ありがとうございました。
今度どこかで見かけたら苗を手に入れて来ます。
父は自分では花は活けたことはないですが、入れるとしたら
どんな花を選ぶのか知りたかったです。
こうして、物を遺すのはいいことですね。
ああでもない。こうでもない、と言いながら思い出しますからね。
本当に、思い出に感謝です(^_-)-☆
コメントを頂き、有難うございました♪
"空を飛ぶカバ"のハンドルネーム、最高に素敵!
この花入れですが、やはり"シャープ"だったんですね。
道理で、普通の茶花が似合わなかった訳です。
有難うございました。
さて、これからどんな花を入れたら良いのでしょうねえ(^_-)-☆
こんばんは
お父様の宿題なのですか
やさしいようでいえ難問なのかしら
でも確かに花入れ頑強さを感じますね
「しっかり頼んだからね」と言われるようですね
私なら何が活けたいかしら
ハマナシもいい感じかしら
金糸梅も素敵かしら
もう直ぐ咲く利休梅も
お父様なら受け止めて下さるかしら
お父様はありがたいですね
思い出に感謝ですね
そんなことはないですか。
そう思って頂けて嬉しいですが、この花入れに寒アヤメが合っているのか、
未だに自信がないのです(^^;
この花入れは、金属のテカテカした感じがして、自分では買わない部類の物ですが、
今頃はテカテカ感が落ち着いてきて、それなりに良さが感じられるようになりました。
父はいつかこんな風になることが、分かっていたのかも知れませんね。
器の美って、奥が深くて面白いものですね。
私はアヤメ♪
ブログはいいですねえ(^^♪
どうぞ、そのように思っていて下さいませ(^_-)-☆
はじめてコメントさせていただきます。
前からセンスのよい方だと拝見していましたが、
今日の花瓶とアヤメ、とってもすてき。
シャープ。
とても良く似合っていると思いますが。
越後美人さんが「歳をとると共に鈍い光が感じられる様になった」と仰る様に
お父様の器に対する愛がそうした形で滲み出て来ているのでしょう。
器の美とはそんなものではないでしょうか。
アヤメが越後美人さんに見えてきました。
支えるのは勿論お父様。
それほど大きな花入れではないのですが、とにかく"頑固"な感じです(^^;
それを"風格"と感じて頂けたのでしたら嬉しいですが、この寒アヤメに関しては、
まだまだ入れ方があっただろうに!と力不足を感じています。
この花入れを手に入れた父は、とにかく頑固者です!
花を活けた娘も結構頑固者です(^_-)-☆
「凛とした和の風格」を感じます。
菊作り 菊観る時は 影の人
と云う句が有りますが・・・その「陰の人」
花入れを手に入れた方、花を活けた方は、どの様
なお方と勝手に瞑想させられています。