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2024年2月25日 伊勢志摩旅行 一日目 その1(近鉄特急)

2024年03月01日 15時39分42秒 | 旅行

今年は人生の大きな節目の年で、しかも二つ重なっているので、記念の旅行に行くことを計画していました。

どこに行くか、久々に飛行機で九州、東大寺お水取り、価格帯の高いツアー等、色々考えましたが、体力面とアクセスの容易さ等を考慮し、伊勢志摩方面に行くことにしました。

伊勢志摩方面は、奈良、南紀白浜の帰りに一泊したことはありますが、ここを目的に旅行をしたことはありません。それに、節目の年にお伊勢参りも悪くないと思います。

あと、この日程になったのは、もともと東大寺お水取りが候補だったことと、中国の春節の時期は混雑するのではないかと予想されるため、その時期を避けるためです。

 

 

 

2024年2月25日、三連休最終日の日曜日、朝7時ののぞみ203号で名古屋に向かいます。

 

 

一本前の博多行は結構混雑しているようですが、この列車はそれほどでもなく、新横浜発車時点で6~7割程度の乗車率といった感じでしょうか。

 

 

定刻8時37分に名古屋に到着。

ここから近鉄で、まずは鳥羽に向かいます。

 

 

今回、近鉄のお得なきっぷ、「まわりゃんせ」を利用します。

「まわりゃんせ」は4日間有効で、近鉄松阪~賢島間のフリー乗車券、近鉄の発駅からフリー区間までの往復乗車券のほか、フリー区間内のバス、船乗り放題、現地の22の観光施設の入場料無料、さらにレンタカー25%割引、一部飲食店舗での特典、帰りの荷物配送1個無料等、大変お得なきっぷになります。

 

「まわりゃんせ」は三種類あり、紙タイプが特急券付11000円、特急券なしが8600円、特急券付きは往復の特急券と現地で4回分の特急券が含まれます。フリー区間内は普通列車が少なく、特急はかなりの数が運行されているので、結構有効と思われ、往復の特急券を考えてもこれが一番お得です。

難点としては近鉄の駅以外では近畿日本ツーリスト、日本旅行でしか入手できないこと、今回の場合発売開始が2月10日と旅行の2週間前で、特急券が確保できなくなる恐れがあることです。

近鉄の特急券は1ヶ月まえからネットで購入可能で、座席も選ぶことができます。

特急券なしはじゃらんで購入可能で、ポイント、クーポン等も利用可能で、利用すればその分お得になります。しかし、近鉄の窓口で交換する必要があるのがネックで、窓口が混雑していると予定していた列車に間に合わないリスクがあります。

 

もう一つは「デジタルまわりゃんせ」、特急券なしですが紙ではなく、スマホで利用するタイプで、近鉄のサイトから購入することができます。今回は三連休の最終日に出発なので、チケット交換のリスクを避けるために「デジタルまわりゃんせ」を利用することにし、往復の特急券もネット購入にすることにしました。

「デジタルまわりゃんせ」、使用するたびにQRコードを表示、読み取り、あるいは画面の表示をする必要がありますが、かなり便利だと思いました。

 

 

近鉄、近畿日本鉄道は私鉄では最長の路線網を持っていて、沿線には伊勢志摩をはじめ京都、奈良、吉野等の有名観光地を持ち、また大阪、京都、奈良、名古屋の都市間輸送の役割も担っています。その結果、私鉄では異例と言って良いほど特急列車が多数運行されています。

近鉄の車両はすべて系列の近畿車両で製造され、その独特のデザインセンスで魅力的な車両が多いのも特徴です。また、時として大胆な車両改造も行われます。

ということで、鉄道ファン的には非常に面白い会社ではあります。野球ファン的にはあまり良い印象はないかもしれませんが。

近鉄のターミナル駅では、鉄道ファンのみならず、一般の人も特急の写真を撮影していることが多いと感じます。

 

21000系 アーバンライナーplus。

元は名阪甲特急用でしたが、80000系登場により、名阪乙特急、名伊特急での運用が多くなっています。

 

80000系 ひのとり。近鉄最新の特急用車両で、名阪甲特急専用で運用されています。

 

 

近鉄で伊勢志摩、と来れば、50000系 しまかぜが有名ですが、一日一往復のためチケット入手は困難で、今回は入手できませんでした。

また、しまかぜの名古屋発は10時25分と遅めで、今回の旅行ではなるべく時間を有効に活用したいので、もっと早い時間の特急を利用することにしました。

 

実は、しまかぜよりも乗ってみたかった車両があります。

 

30000系 ビスタEX。1979年ブルーリボン賞受賞。

かつて近鉄特急の顔といえば、二階建てのビスタカーで、30000系はその三代目になります。1978年登場ですでに46年経過していますが、その後の近鉄特急はすべて平屋またはハイデッカーなので、多分最後の二階建て特急になると思われます。

一時新幹線でも二階建て車両は存在していましたが、乗降に階段を利用するため時間がかかること、天井が低くなるため居住性が確保できない、重心が高く車両質量が重くなる、等のデメリットが嫌われ、今後量産されるのはJR東日本の普通列車用グリーン車だけになるのではないでしょうか。

 

21000系登場後、近鉄特急の主役の座は譲りましたが、今でも15編成が活躍しています。一度乗車してみたいと思っていましたが、登場46年目にしてやっと乗車する機会を得ました。

 

近鉄名古屋9時10分発の賢島行きに乗車します。

 

4両編成のうち、中間二両が二階建て車両です。

 

この日は8両編成、前4両は22000系 ACEでした。

 

 

30000系の二階建て車両は中央に扉があり、前後に客室があります。

一階は半個室風の客室が前後に一室のみ、それ以外は機器室になっています。

 

二階席部分は、1996年~の更新工事の際に、新製して乗せ換える、という豪快な改造を受けています。

まず、通路部分の屋根がかさ上げされ、これにより二階席床の段差がなくなり、一部回転できない座席があったのが、全ての座席が進行方向に向くようになりました。

外観上、屋根の中央が寿老人のように凸形状になっています。

また、シートピッチが50㎜拡大し、座席数が8列から7列に減少しています。JRの場合シートピッチと窓割が合わなくてもそのままですが、30000系では窓割も座席に合わせて変更されています。

 

実際に乗車してみると、やはり古さは感じます。しかし、二階席は人気のようで、名古屋出発時点ではすべての座席が埋まっているようでした。

 

木曽川鉄橋を越えたあたりでJR東海のHC85系とすれ違いました。

この先、鳥羽までの間ではJRと競合し、場所によっては並走します。以前はJR東海は近鉄に全く歯が立たない状況でしたが、亀山電化、快速みえの投入で少しは状況は改善しているのでしょうか?「まわりゃんせ」を使えば、JRという選択肢はありえませんが。

 

 

二階席の高さはこんな感じ、一般車の窓の上という感じです。

 

 

津に到着。三重の県庁所在地です。

近鉄の駅名標は漢字ですが、JRはひらがな、一瞬なんだかわからない感じが面白いです。

 

 

伊勢中川で近鉄大阪線と合流します。名古屋線も伊勢中川まで、この先は山田線になり、名古屋からと大阪からの特急が走行する、近鉄特急銀座となります。

伊勢中川駅手前には短絡線があり、名阪特急はこの短絡線を通過するため伊勢中川駅は通りません。

 

 

 

松阪に到着。ここから「まわりゃんせ」のフリー区間に入ります。

 

松阪を過ぎると、斎宮跡のある斎宮駅、検車区のある明星駅等をを通過し、伊勢市駅に到着。

伊勢市駅は外宮の最寄り駅で、ここでかなりの乗客が下車します。

 

続いて宇治山田駅に停車。

ここで後続の大阪からの特急の接続待ちのため数分停車します。

 

宇治山田駅は近鉄の前身、参宮急行電鉄が伊勢観光の拠点として設置した駅であり、クラシックな外観の貫禄のある駅舎が特徴です。皇族や内閣総理大臣用の貴賓室も設けられています。

ホームは高架上にあり、1,2番線は頭端式ホームになっています。現在は使用されていませんが、1番線にはバスが直接乗りつけられる構造になっており、地上からのバス用のスロープと、バスが転回するための円形の転車台が設けられています。

ただ、最近では伊勢観光の拠点は、伊勢市駅と次の五十鈴川駅になっているように思われます。伊勢市駅からは600mしか離れておらず、伊勢市駅前にホテルができ、バスもほぼ全て伊勢市駅まで行くので、宇治山田駅を利用する理由はあまりなくなっているように思います。

 

 

続いて五十鈴川駅に停車。この区間はすべての列車が3駅連続して停車します。

 

 

五十鈴川駅は内宮の最寄駅ですが、内宮までは約2㎞あり、徒歩で行くのは少し遠い距離があります。

駅設置時に内宮前駅という駅名にしようとしましたが、そこまで近くないことと、外宮を飛ばして内宮に直接参拝する客が増えることを懸念した関係者の反対により、現在の駅名になった経緯があります。

伊勢神宮の参拝は外宮→内宮の順に行うのが慣わしとなっていますが、この辺の思惑も絡んでいるのかもしれません。

 

 

五十鈴川駅を出ると山間部に入り、池の浦駅のあたりで初めて海が見えます。

ここで海が見えるのは、二階席ならではかもしれません。

 

 

鳥羽駅に到着。近鉄名古屋から1時間38分、東京から3時間48分、車だと7時間程度はかかると思われるので、鉄道の方が圧倒的に楽で便利です。

 

 

ここはJR参宮線の終点でもあります。

 

 

 

                                    <その2に続く>

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