ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

乱暴と待機

2010-10-06 17:14:48 | ら行

自分史上、最高に試写で笑ったかもしれん。

「乱暴と待機」89点★★★★


本谷有希子の作・演出で
2005年に上演された舞台の映画化です。


とある市営住宅群に引っ越してきた
無職の番上(山田孝之)と
妊娠中の妻あずさ(小池栄子)。

近所には
上下ジャージ姿の妙な女・奈々瀬(美波)と
その兄というアヤシイ男(浅野忠信)が暮らしていた。

それを知ったあずさは愕然とする。
実はあずさにとって
二人は因縁の相手だったのだ……。


台本だけ読んでも笑えそうなんだけど
とにかく役者当ての上手さと
4人の呼吸、間合いが最高。



ナンセンス劇、しかもやや苦手な
舞台系の不条理コメディで
ここまで笑ったことないかもしれません。

情けなくだらしない山田孝之、
とことん珍妙な浅野忠信
(特に、あのシーンのおかしいことったらない……!)

ともにいままで見たなかで一番な芝居。


オドオドする美波に
「被害者づらして~!」と鬼の形相
詰め寄る小池栄子がこれまた(笑)

向こうが悪いのに
いじめてみえちゃう悲哀に大ウケです。


「このヒト、地でもこんなかもしれないよー」
と思わせるような

役者の“素材”を上手に増幅させ
誇張し、それによってリアリティを出した
富永監督(35歳!若い)に参りました。

これはオススメ!


★10/9からテアトル新宿ほか全国で公開。

「乱暴と待機」公式サイト
コメント (3)
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