自分史上、最高に試写で笑ったかもしれん。
「乱暴と待機」89点★★★★
本谷有希子の作・演出で
2005年に上演された舞台の映画化です。
とある市営住宅群に引っ越してきた
無職の番上(山田孝之)と
妊娠中の妻あずさ(小池栄子)。
近所には
上下ジャージ姿の妙な女・奈々瀬(美波)と
その兄というアヤシイ男(浅野忠信)が暮らしていた。
それを知ったあずさは愕然とする。
実はあずさにとって
二人は因縁の相手だったのだ……。
台本だけ読んでも笑えそうなんだけど
とにかく役者当ての上手さと
4人の呼吸、間合いが最高。
ナンセンス劇、しかもやや苦手な
舞台系の不条理コメディで
ここまで笑ったことないかもしれません。
情けなくだらしない山田孝之、
とことん珍妙な浅野忠信
(特に、あのシーンのおかしいことったらない……!)
ともにいままで見たなかで一番な芝居。
オドオドする美波に
「被害者づらして~!」と鬼の形相で
詰め寄る小池栄子がこれまた(笑)
向こうが悪いのに
いじめてみえちゃう悲哀に大ウケです。
「このヒト、地でもこんなかもしれないよー」
と思わせるような
役者の“素材”を上手に増幅させ
誇張し、それによってリアリティを出した
富永監督(35歳!若い)に参りました。
これはオススメ!
★10/9からテアトル新宿ほか全国で公開。
「乱暴と待機」公式サイト