ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

100歳の少年と12通の手紙

2010-10-30 19:42:22 | は行
子どもの難病ものは
ホントもうかんべん!と思うんだけど
この映画は大当たりでした。


「100歳の少年と12通の手紙」80点★★★★


10歳の少年オスカーは
白血病で入院中。

ある日、彼は病院で
元プロレスラーだという
はっちゃけた女性ローズと出会う。


みんなが自分を腫れ物のように扱うことに
ウンザリしてたオスカーは
ズケズケ物を言う彼女とすっかり打ち解ける。

しかしオスカーに残された時間はわずか。

そんな彼にローズは
「一日を10年と考えて生きる」ことを提案する。

1日で10歳年を取ることになったオスカーは
思い切って好きな子に告白したりと
人生を謳歌し始める……。


決して「泣かせ」目的じゃなく
しんみりしないし
そして真理がある、イイ映画です。


まず1日に10歳年を取る、という
アイデアがおもしろい。

まだ10歳なのに
「30代は苦悩のときだ」なんて
眉間にシワよせる
オスカー少年がかわいくて

そういう考えかたひとつで
毎日が違ってくる、という見本ですね。

ほどよく入るファンタジー部分も
「アメリ」みたいにチャーミング。


なによりこの映画を輝かせているのは
威勢いいマダム・ローズのキャラ。


遠慮なくガリガリ削ってくる言葉に
ハッとさせる真理がいっぱいあるし

彼女の行動は
「病気の人に対してどう接したらいいのか」
「どうしたら彼らに、有意義な時間を過ごさせてあげられるか」
「そのために自分のできることって何なのか」

といった
みんなが悩む問題の参考になる。

だから
家族が病気だったり、介護問題を抱えてる人にも
ぜひおすすめしたいんです。


番長も父が入院したときに
つくづく思ったことですが

人間にとって
「やらなければならないこと」
「生きる目的」があるって
めちゃくちゃ大事なことなんですよねえ。

毎日することなくて
ボーッとしてると
ホントどうしようもなくて
心が先に病んでいく感じ。

でも入院中に父は
翌年、写真展開催が決まって
その準備をしなきゃいけなくなったら
がぜん生き生きしてきたんですよねえ。

ってな感じで
大切なこといっぱい詰まった映画。
おすすめです

★11/6からTOHOシネマズシャンテほかで公開

「100歳の少年と12通の手紙」公式サイト
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする