ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

雷桜

2010-10-23 19:57:37 | ら行
え?こんな話だっけ?

「雷桜」32点★


病弱な徳川斉道(岡田将生)
家臣・瀬田(小出恵介)の故郷、瀬田村に療養に行く。

この村の山には天狗がいる、との
言い伝えがあった。

興味本位で山に分け入った斉道は
そこで自分に刃を向ける
少女・雷(蒼井優)に出会う。

この雷こそが
山で育ち、生き延びてきた
人々が恐れる“天狗”だった……


原作は宇江佐真理の同名小説。

すごく印象に残る好きな話なので
あえて期待過小にしといたつもりだったのですが……

それにしても
ちょっとこれは
納得いきませんでした。


元ネタを咀嚼して
ラブストーリーを主軸に
組み立て直すのは
当然かまわないのですが


この骨のないグズグズさは
どういうことなのか。


役者の演技の興をそぐような
タイミングの悪い演出にガックリするし

なにより
音楽のセンスがまったくわからない。

ちょんまげ着物姿の二人に
なぜメランコリックな外国人の歌がかぶるのか?

見ながら
別にこれ、時代劇じゃなくても
よかったんじゃない?

二人が学生服を着てたってよかったんじゃない?と

その根幹を疑ってしまいました。


なによりマズイのは
“舞台”の土台がないところ。

江戸と山間の瀬田村がどれほど離れてるのか、
どういう地縁を持った場所なのか、
まったく描かれていない。

んで最後に出てくる海は
これ、沖縄だよね?(苦笑)みたいな

なんだか
地理感覚がめちゃくちゃなんですよねえ。


唯一、光ってたのは
雷の盟友である、凛々しい白馬ですね。

そっか、この映画
蒼井優がもののけ姫みたいな衣装を着て
乗馬をするために
時代劇だったんかなあ。。。。


★10/22から全国で公開中

「雷桜」公式サイト
コメント (2)
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