子ども時代の記憶の風景って
なぜか快晴の夏じゃなく
この映画みたいな
曇天の冬の日、なんだなあ。
「冬の小鳥」72点★★★☆


韓国&フランス合作。
なんだかすごーく自分の子ども時代にだぶって
キュインとしちゃいました。
1975年。韓国ソウル郊外。
9歳の少女ジニ(キム・セロン)
は大好きな父
に連れられて
児童擁護施設にやってくる。
父が立ち去ったあとも
ジニは状況が飲み込めず
いつか必ず父が迎えにくると信じて
施設で反抗を繰り返すが……。
こう書くと
すっごくカワイソウな映画っぽいですが
そうではないんですな。
やさしい風合いの映像のなか
格別にドラマチックを強調せず
静かに穏やかに
9歳の少女の目線で時間が流れていく。
かつ柔らかい肌触りのなかに
心をザワザワと波立たせる不安さや
ひんやりした針を秘めていて、なかなかいい。
みていると
ジニの心の情景が
ホロホロと自然にこぼれてくるようで

子ども時代
根拠のない孤独に陥ったり
意味もなくむくれたりしたときの
感情をリアルに思い出しました。
女性監督ウニー・ルコントは
韓国生まれのフランス育ちで
なるほど「韓国映画」というよりも
色遣いや風合いなどに
フランスのセンスが
ふんだんに入っている感じです。
なんといっても
主人公の少女キム・セロンがすごい存在感。
ツグミのような黒目がちの瞳が
本当にかわいらしいですよ。
ほとんど顔の出てこない彼女が大好きな父を
「TUNAMI」のソル・ギョングが演じてるのもすげえ。
この時代、韓国では
海外での養子縁組がよく行われていたそうな。

親は子の幸せを願ってそうしたそうですが
しかし子どもはそんなこと
知るよしもないですわなあ。
そして実はこの話
監督自身の経験をもとにしているそうな。
お話自体はフィクションですが
もしかしてジニがこんなふうに
成長するのか……と、想像するだけで
さらに映画がじんわり、感慨深いものになりました。
★10/8から岩波ホールで公開中
「冬の小鳥」公式サイト
なぜか快晴の夏じゃなく
この映画みたいな
曇天の冬の日、なんだなあ。

「冬の小鳥」72点★★★☆



韓国&フランス合作。
なんだかすごーく自分の子ども時代にだぶって
キュインとしちゃいました。
1975年。韓国ソウル郊外。
9歳の少女ジニ(キム・セロン)


児童擁護施設にやってくる。
父が立ち去ったあとも
ジニは状況が飲み込めず

いつか必ず父が迎えにくると信じて
施設で反抗を繰り返すが……。
こう書くと
すっごくカワイソウな映画っぽいですが
そうではないんですな。

やさしい風合いの映像のなか
格別にドラマチックを強調せず
静かに穏やかに
9歳の少女の目線で時間が流れていく。

かつ柔らかい肌触りのなかに
心をザワザワと波立たせる不安さや
ひんやりした針を秘めていて、なかなかいい。
みていると
ジニの心の情景が
ホロホロと自然にこぼれてくるようで


子ども時代
根拠のない孤独に陥ったり
意味もなくむくれたりしたときの
感情をリアルに思い出しました。

女性監督ウニー・ルコントは
韓国生まれのフランス育ちで
なるほど「韓国映画」というよりも
色遣いや風合いなどに
フランスのセンスが
ふんだんに入っている感じです。

なんといっても
主人公の少女キム・セロンがすごい存在感。

ツグミのような黒目がちの瞳が
本当にかわいらしいですよ。
ほとんど顔の出てこない彼女が大好きな父を
「TUNAMI」のソル・ギョングが演じてるのもすげえ。
この時代、韓国では
海外での養子縁組がよく行われていたそうな。


親は子の幸せを願ってそうしたそうですが
しかし子どもはそんなこと
知るよしもないですわなあ。

そして実はこの話
監督自身の経験をもとにしているそうな。
お話自体はフィクションですが
もしかしてジニがこんなふうに
成長するのか……と、想像するだけで
さらに映画がじんわり、感慨深いものになりました。
★10/8から岩波ホールで公開中
「冬の小鳥」公式サイト