なんでですかね、
利休を軸にしたミステリーかと思ってました(笑)
「利休にたずねよ」40点★★☆
***************************
安土桃山時代。
茶人・千利休(市川海老蔵)は
独特の審美眼から
織田信長(伊勢谷友介)に見出され
信長の家臣である秀吉(大森南朋)も虜にしていた。
だが、信長の死後、
秀吉は利休の名声に嫉妬するようになる。
そして秀吉は利休がひた隠しにする
「大事なもの」を奪おうとするのだが――?!
***************************
試写会場は連日超満員で
期待値も相当。
たぶん評判も悪くないんだと思います。
ただワシ、タイトルから勝手に
聡明な利休のもとに、数々の事件が持ち込まれる――的な
ミステリーを想定してて(笑)
そっちなら面白そうだったのに
思わず、ラブストーリーだったのに意表を突かれました。
それでも
海老蔵氏の利休役は、なるほどピッタリな配役で
美に対する絶対的な自信を、しかと表現している。
奇抜なアイデアマンだったという人物像も
とてもよくわかるし
千利休っていまだったら
“コンサルタント”とかで
各方面でひっぱりだこになりそうな人物だったんですねえ。
そして千利休のお師匠さんだったという人物を
海老蔵氏の父であり、今年2月に66歳で亡くなられた
市川團十郎氏が演じているのも、すごく意味がある気がする。
舞台、小道具も
行き届いたしつらえだし、
映像的には万事に目端の利いた作品だと思うんです。
でも、これも“映画”として
ワシが欲するものとはちと違ってた。
秀吉に代表されるんだけど
人物描写にどうも深みがなく
全体がモソモソして、構成もつまらない。
セリフで中身を説明しがちなのも難で、
前半はずっと秀吉が軌道を逸していく様子で
肝心の利休のラブストーリーが
かなり後半まで留め置きなのも、うーん、もったいないなと感じました。
茶碗も本物の名器を使い
国宝級の建造物で実際にロケーションをしているそうで、
確かに、目では堪能いたしましたが。
★12/7(土)から全国で公開。
「利休にたずねよ」公式サイト