「チョコレートドーナツ」に心揺さぶれた人、
ぜひ観たれ!
「パレードへようこそ」82点★★★★
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1984年、イギリス。
サッチャー首相が打ち出した炭鉱閉鎖案により
炭鉱夫たちは危機的状況に追い込まれていた。
ロンドンに住むマーク(ベン・シュネッツァー)は
テレビで炭鉱夫のデモを見て、あることを思いつく。
「彼らはいじめられている。ゲイである僕らと同じだ。彼らを支援しよう!」
マークに賛同したゲイやレズビアンたちは
炭鉱夫を支援する募金集めを開始するが――?!
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はじまってすぐ、ノリのいい音楽にウキウキし
10分後には、炭鉱町の代表者による
スピーチでぼろ泣きしてた(笑)
その後も、笑い、また泣き、笑いと、忙しい(笑)
泣かせじゃなく
「人が“他者”を理解し、受け入れる瞬間」の優しさと
弾けるような幸福感に高揚できる映画なんです。
しかも実話だっていうんだから、すごいです。
時代は1984年。
当時、ゲイやレズビアンらが「僕らに権利を!」とパレードをすると
道ばたでおばあさんが「地獄へ落ちろ!」と
プラカードを掲げているような
カミングアウトすることで
命の危険もあるような状態だった。
そんな時代なのに、彼らは自分たちのことだけでなく
「同じように辛い立場にある、炭鉱夫を助けたい!」と行動を起こすんですね。
最初は「???」だった炭鉱町の代表者が、町の女性たちが
まず彼らの善意を素直に受け入れ、
偏見を抜きにして、向き合ってくれる。
ワシがぼろ泣きした代表のスピーチも
別にLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の話だけでなく
震災後の日本への、世界中の好意をも思い出して
泣けたんですよねえ。
人が他者を受け入れ
「何かをしたい」と思う、その優しさに
心が震えるんですわ。
イギリスの炭鉱話は、だいたいおもしろい。
そして彼らは、マイノリティ話がうまい。
炭鉱の町でダンサーを目指す少年の「リトル・ダンサー」や
「ブラス!」なども思い出しました。
渋谷区で「パートナーシップ証明書」条例が可決したという
嬉しい知らせもあったいま
ぜひ、見てほしいです!
ビル・ナイも出てるし!(笑)
★4/4(土)からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
「パレードへようこそ」公式サイト