これも相当にパンチ効いてます。
「ザ・トライブ」73点★★★★
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舞台はウクライナ。
聾唖の少年(グレゴリー・フェセンコ)は
全寮制の聾唖学校に入学する。
だが一見、平和に見える学校は
悪のグループ=トライブ(=族)による
恐喝や暴力が日常茶飯事な場所だった。
さっそく暴力の洗礼を受ける少年は
そのなかで少女(ヤナ・ノヴィコヴァ)と出会うのだが――?!
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全編、手話のみ。字幕もなし!という
予備知識だけはあったんですが
最初は 思ったより辛かった(笑)
特に学校の授業のシーンとか
当たり前だけど、先生が何を言ってるか全然わからない(苦笑)
でも大丈夫。
ちゃんと、だんだんわかってきます。
状況を理解させる助けなのでしょう
引きの構図で、ワンシーンの中の出来事を、できる限り時間をたっぷりかけて長回しして
人物の関係性などを見せてくれるし。
(エグいシーンも延々やるので、それはちょっときついんですけどね・・・)
とにかく目が離せなくて、退屈しない。
それに
無音の世界に住む人々の会話の、暴力の
なんとも騒々しいことよ!
“音”の怖さを知らない分、
暴力も加速するのかもしれない。
彼らは
ぶちまけた食器が割れる音にギョッとすることも
相手を殴って骨の砕ける音に、イヤな気分になることもない。
隣に眠る人が暴行されていても、
道で後ろからトラックが迫ってきたってわからない。
その“肉体”が体験することだけが
真実でありすべてなわけで。
オーバーアクションにみえる仕草も、平手打ちも
コミュニケーションの感触をつかむため、
ひいては生きるために必要なのだろうな、と感じました。
しかし、彼らが頻繁に服を脱ぎ着する意味はなんだろう?
すごく気になりました。
★4/18(土)から渋谷ユーロスペース、新宿シネマカリテほか全国順次公開。
「ザ・トライブ」公式サイト