町の景色が変わっても国道はその場所にあるし、川がある限り橋は残ります。電柱が残っていれば、昔と現在の位置を特定出来ます。例えその残っているものが変わっていても、その変化に時代の移り変わりを見て、楽しむことが出来ます。
ここは大阪府池田市石橋。駅で言えば阪急電車・宝塚線・石橋駅(現在の石橋阪大前駅)西口改札を出て、北に向かった場所。石橋商店街北端の箕面川に架かる「赤い橋」です。商店街入り口ゲートの横幕に「毎月18日は商店街の定休日」とある。これは昭和34年(1959年)の様子です。
こちらが現在の同じ場所です。
地図では①の場所になります。
地図②の場所に今も昔も架かるのが「天神橋」で、現在の様子が下の写真です。
かつて①の位置の「赤い橋」と、②の位置・上の写真「天神橋」の間、地図「?」の位置には、もう一つ小さな橋がありました。今や覚えているのは地元の高齢者だけだと思います。
これがその橋です。撮影は昭和34年(1959年)。この2~3年後には、この橋は消えてしまいましたが、左右の家は2019年には、まだ残っていました。
橋が1本無くなれば、そこを使っていた人々は大回りを強いられ、とても不便です。昭和30~40年代にはこういう小さな橋があちこちの町にたくさんありましたが、橋の老朽化と共に消えて行きました。橋が落ちては人命にかかわるので、橋の維持にはお金がしっかりかかります。だから、地元の少人数の人々だけに親しまれていた橋は、消えゆくしかありませんでした。
この橋には欄干が付いていますが、欄干も無いコンクリート板1枚の橋や、木造の橋もよく見かけたものです。田んぼや溜池が多かった北摂では、幅広の用水路にそういう橋が架かっていました。