「ファイナル・カウントダウン」(The Final Countdown)という映画をご存知ですか?1980年のアメリカ映画。カーク・ダグラスとマーティン・シーンが共演していますし、「卒業」のキャサリン・ロスも出ていました。1987年の映画「ウォール街」(Wall Street)の主演は、マイケル・ダグラスとチャーリー・シーン。前者はカーク・ダグラスの息子、後者はマーティン・シーンの息子です。それぞれが親同士、子供同士の共演で、2本続けて観ると、「え?」と思うほどそれぞれよく表情が似ています。
映画その「ファイナル・カウントダウン」ですが、原子力空母ニミッツが突然タイム・スリップ。一瞬の後、1941年12月7日、日本軍による真珠湾攻撃の現場に迷い込んでしまいます。まさに日本軍が奇襲をかける寸前だと知った乗組員たちは、最新鋭戦闘機F14によるゼロ戦との戦闘も辞さず・・・というあらすじで、アメリカ人の勝たないと気が済まないというか、勝利至上主義が出ていて興味深い作品です。日本語吹替えが収録されたブルーレイが発売したのは嬉しい。
同じようなストーリーの映画が日本で、角川からこの1年前に公開されていました。「戦国自衛隊」です。しかし、原作はこちらの方が先で、本作は盗作ではありません。
逆に、この映画のことは知らなくても、ある年齢の方は、この映画の音楽については必ず知っていると思います。この映画で使われている音楽、 “Laurel And Owens”と“Mr. and Mrs. Tideman”は、火曜サスペンス劇場の初代主題歌「聖母たちのララバイ」の原曲なのです。
というか、「聖母たちのララバイ」は、この映画の曲の盗作です。
作曲者(と言えるのか)の木森敏之が盗作と認めたため、この曲は、日本レコード大賞の選考から外されました。ただし、原作曲家のジョン・スコットとの共作曲扱いで、日本歌謡大賞を受賞しています。日本歌謡大賞の受賞までに、原作者と交渉して共作と認めてもらったのかどうか、僕は当時聞いたことはなく、全ては芸能プロダクションとテレビ局の都合によって事を運んだのでしょう。
真珠湾攻撃が「不意打ち」であったことは歴史上の事実であり、その映画の曲が日本芸能界に「盗作」されていた事実。現在ではいろんな国のことをあれこれいう日本も、ほんの少し昔の80年代には、こんな汚いことをしていたのですから呆れます。
また、同じ日、アメリカ時間1980年12月8日は、ジョン・レノンがマーク・チャップマンに殺害された日でもあり、私にとって12月8日は、あまり良い日としては、記憶されていません。