現在「川西能勢口」と呼んでいる、大阪は阪急宝塚線の駅は、昔は「阪急・能勢口駅」と「能勢電鉄・川西駅」の2つの駅でした。これは以前にも記事にしましたが、このすぐ近くには「JR川西池田駅」もあります。
現在は「川西能勢口」と「JR川西池田」両駅間が遊歩道でつながっていますが、かつてここに電車が走っていました。
大正6年8月(1917年)〜昭和56年12月(1981年)、能勢電鉄の「川西能勢口」から「川西国鉄前」までの0.6kmには、チンチン電車のような小さい電車が走っていました。能勢電鉄・妙見線です。これは昭和52年(1977年)の電車の写真です。
1981年と言えば、ついこの間のことです。それでも、この電車が記憶に残っていない人が多いことに驚きます。
この地図を見て下さい。左下の駅が国鉄川西池田駅、中央に位置しているのが阪急と能勢電の川西能勢口駅。その間を結ぶ短い路線を走っていたのが、能勢電鉄・妙見線で、その駅が「川西国鉄前」駅です。
「川西国鉄前」駅があった頃は、JR川西池田駅の駅舎は現在の場所より西にあったのですが、川西池田駅が昭和55年(1980年)に現在の位置に移転され、徒歩連絡が容易になったため、川西国鉄前駅も妙見線・川西国鉄前駅~川西能勢口間の廃線に伴い廃止されました。
川西国鉄前駅を出た小さな電車が、当時の川西能勢口駅に到着する所を撮影したものが上の写真で、同じ場所から2013年に撮影したのが下のカラー写真です。川西の駅前も、今では随分変わりました。この小さな電車を知っている人が、今の川西市民にどれだけいるのでしょうか。