京阪神間に「こんなデートコースがあった!」ということで、このカテゴリーに書かせて頂きます。
どこかに出掛ける時、移動方法は勿論大切だけど、同じくらい途中の行程の楽しみ具合もデートの重要ポイント。通り過ぎる景色や風景が素晴らしければ、それだけでワクワクしたものです。だから僕らが若い時は中古車であってもローンで購入し(アルバイト代で支払ったものです)、ドライブ先を厳選し、カーステを取り付けて(当時は自動車にはAMラジオしか標準装備ではありませんでした。)BGMのカセットテープ作成にも力が入りました。
大阪から神戸へデートで行く際、当然電車か車かということになるのですが、「船を使うという手」もあったのです!リッチな船旅気分を味わい、神戸へ船で到着というロマンチックなルートが1992年の夏まであったのです。
それは大阪弁天ふ頭を午後4時半に出航。神戸の中突堤にに立ち寄る、関西汽船の別府航路でした。写真の船がこのデートの舞台「こばると丸」。関西汽船が運航していた客船で、僚船のあいぼり丸と共に、関西汽船が運航した最後の純客船でした。
夕陽を浴びての船旅の出発。暮れ行く六甲の山々のモノトーンな眺めを右に見て、潮風に吹かれる約1時間の船旅はムード一杯。
夕暮れが近づいて来ると、まるで映画の主人公のような気分に。
汽笛が鳴って、到着は港・神戸のど真ん中、ポートタワーのある中突堤なので、これだけで立派なデートコース。停泊中の外国大型船にはキラキラと明かりが点灯され、港のトワイライトは思わずため息が出そうでした。
ポートタワーが迎えてくれる神戸に到着後は、神戸の夜のクラビング(死語!笑)に出発!
92年8月にさんふらわあ こがねの就航により、こばると丸とあいぼり丸の引退により、関西汽船の大型船は全てフェリー化され、このデートコースは終わりを迎えましたが、乗船券は何と驚きの「400円」という格安のルートだったことをご存知の方は、どれだけいるのでしょう?
大阪・梅田から神戸・三宮まで阪急電車で230円(特急29分)、国鉄(JR)なら380円(新快速24分)だったことと比べても、本当に経験しないのが「大損」のデートコースでした。