アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

宮本輝著「草花たちの静かな誓い」

2017年02月20日 | 読書三昧

芥川賞作家で人気絶頂の宮本輝氏の最近作。2014年3月~16年8月神戸、四国など地方14紙に連載された395頁の大作。

物語~来日中のキクエ叔母が、修善寺の温泉宿で病死した。主人公で甥の弦矢は、彼女の遺骨を携えてロス近郊のリゾート地に建つ(叔母の)豪邸を訪れると、そこには40数億円の遺産を譲るとした(叔母の)遺言書が残されていた・・・。

スケール感のある物語に度肝を抜かれていると、今度は、叔母にはレイラという一人娘がいて、実は、6歳の頃誘拐されて行方知れずになっていると言う。そして、彼女を探し出し遺産の7割を届けて欲しいというのだ。

ロス郊外のリゾート地に展開される奇想天外な物語に引き込まれ、一気に読んだ。そこには人間のやさしさや草花との対話など、宮本氏だけが持つ独特の世界がありとても良かった。本を読む楽しさを満喫させてくれる一冊だ。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)

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