「より複雑化して見えにくくなっている現代に、少しでも迫りたいとの思いで制作・放送して来た。」
1993年から2016年までの23年間、一貫してNHK「クローズアップ現代」のキャスターとして活躍して来た国谷さん。この間、送り出した番組の数は、実に3,784本にもなった。
あの才色兼備の国谷さんが、インタビューを通して頑迷な著名人に切り込む様をみて、私たち庶民は何度、溜飲を下げ快哉を叫んだことだろう。
同氏は、テレビの報道番組が持つ危うさについて、次の点を挙げている。
①「事実の豊かさをそぎ落としてしまう」
②「視聴者に感情の共有化、一体化を促してしまう」
③「視聴者の情緒や人々の風向きに、テレビの側が寄り添ってしまう」
これらに対し、「常にフェアに事実に誠実に向き合う」ことでこたえようとしてきたという。
また、「・・・現代」の歴史が、日本の失われた10年、20年と重なると述懐しておられる。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)