アーバンライフの愉しみ

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国谷裕子著「キャスターという仕事」

2017年07月12日 | 読書三昧

「より複雑化して見えにくくなっている現代に、少しでも迫りたいとの思いで制作・放送して来た。」

1993年から2016年までの23年間、一貫してNHK「クローズアップ現代」のキャスターとして活躍して来た国谷さん。この間、送り出した番組の数は、実に3,784本にもなった。

あの才色兼備の国谷さんが、インタビューを通して頑迷な著名人に切り込む様をみて、私たち庶民は何度、溜飲を下げ快哉を叫んだことだろう。

同氏は、テレビの報道番組が持つ危うさについて、次の点を挙げている。

 ①「事実の豊かさをそぎ落としてしまう」
 ②「視聴者に感情の共有化、一体化を促してしまう」
 ③「視聴者の情緒や人々の風向きに、テレビの側が寄り添ってしまう」

これらに対し、「常にフェアに事実に誠実に向き合う」ことでこたえようとしてきたという。

また、「・・・現代」の歴史が、日本の失われた10年、20年と重なると述懐しておられる。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)

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