本書は、同氏の除名問題に発展した書籍である。文春新書 271頁。
本書で同氏は、安保・防衛問題や、野党共闘の再構築等について具体的提案をしているのだが、同党幹部との確執がベースとなっているため、素直に耳を傾けることができなかった。
特に、党首公選という大衆受けするテーマを掲げつつ、同党や同党指導部に打撃を与えようとするやり方は、マスコミ受けはするだろうが納得できるものではない。
小生の周囲には、日頃、熱心に活動する同党員の皆さんがおられるが、彼(彼女)らのそれは真に庶民の生活や社会正義に根ざしており、決して松竹氏のような自己中心的なものではない。
加えて、同党幹部であった宮本顕治氏や、現在、同党の中枢にある不破哲三氏や志位和夫氏などの時々の指導や言質にあれこれ難癖をつけつつ「党の上に自己を置く」態度はいただけない。
素朴な疑問だが、同氏が安保・防衛問題に精通し党の政策決定に寄与して来たと言うのであれば、何故党の要職、つまり中央委員等に選出されなかったのだろうか。
つまり、同氏の志や資質が、同党幹部にふさわしいと評価されなかったということだろう。それ(処遇等)が、本書を上梓してまで自己宣伝につとめる動機となっているのではないか。