とあるスーパーの、もう店じまいの準備を始めていた特設コーナー(古本)の棚に、1冊の本が目に止まりました。「タイタニックの最後の晩餐」。映画化され、一般公開の折には、一躍話題になったあの映画です。その沈没の数時間前に、はたしてどんな人が、どんな食事をしていたのだろうと、急に興味が沸き、パラパラとページをめくると、なんとあの豪華客船の沈没が、こともあろうに4月14日ではありませんか。なんという偶然でしょう。私は思わず購入してしまいました。
豪華客船タイタニックは、1912年4月10日、アメリカ、ニューヨークに向け、イギリスのサザンプトンを出港。その処女航海中、北大西洋上の氷山に激突し、15日未明に、乗員、乗客2223名を載せ沈没、うち1517名の命が奪われた悲劇的な大惨事でした。 船内は1等、2等、3等船室に分けられ、1等船室には上流階級、2等船室には、中流階級、そして3等船室には、アメリカに望みを抱いて移民の為に乗船した人々でした。
1,2等の船客は、主に裕福なアメリカ人で、ヨーロッパ大陸で冬の季節を過ごし、国へ帰る有閑階級の人たちだったようです。
この上流階級の人たちの食べたであろう最後の晩餐は、豪華そのものでした。
☆オードブル カナッペ提督風 カキのロシア風
☆スープ コンソメオルガ風 大麦のクリームスープ
☆魚料理 鮭のムースリーヌソース 鶏のリヨネーズ風 フィレミニョンリリ風 ナタウリのファルシ
☆後皿 子羊のミントソース 家鴨のロースト サーロインのロースト じゃがいものシャトー風 グリンピースのタンバルミント風味 にんじんのリ ーム煮
☆パンチ&シャーベット ローマ風パンチ
☆ロースト ロースト、クレソン添え アスパラガスのサラダ
☆冷たい料理 冷たいローストか七面鳥、フォアグラ
☆甘味デザ ート ウォルドーフプディング 桃のシャルトルー フレンチバニラクリーム入りチョコレートエクレア フレンチバニラアイスクリーム
☆デザート 果物とチーズ各種
☆ディナーの後 ドリップ式コーヒー、ポートワイン、リキュール
とまあ、よくもこんなに食べられたものと驚きます。豪華なシャンデリアの燦然と輝く大広間で、銀食器を優雅に扱い、どんなおしゃべりに花が咲いていたのでしょう。そしてその数時間後の運命を誰が予想できたでしょうか。