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いよいよシドニーの滞在期間も残り少なくなり、まだ見残していたロックスへ出かけました。
サーキュラキーまでは例の555のバスに乗り、、そこからロックスまでは歩いてすぐです。
シドニーの中心街より北に進んだこの辺りからは中心街の高いビルも見えますが、周りは何となく
雰囲気が違います。
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それもそのはず、この辺りは歴史の浅いシドニーの街の中で、最もオーストラリアの歴史を感じ
られる場所で、1788年1月26日アーサーフィリップ総督率いるイギリスからの移民船がこの
ロックスに上陸しイギリスの植民地を宣言した場所なのだそうです。
ロックスという名はこの辺りはゴツゴツした岩場が多いことから付いた名だとか。
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ロックスは言わばシドニーの歴史地区と言ったところでしょうか。
シドニーの中心街とはちょっと趣を異にするレンガ造りの街並みが続きます。
この古い建物は19世紀中頃に建てられたテラスハウス。
窓からのぞくと今でも当時を彷彿とさせるような家具が並び雑貨や食べ物が売られていました。
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こちらも赤レンガ造りの建物です。
この周辺の古い建物は19世紀後半、伝染病根絶のため多くが焼き払われ、その後1970年代以降に
開拓当時の姿に復元された物とか。
一時はスラム化していた時もあったようですが、今では住宅街やホテルやパブ、その他芸術、工芸
画廊、アンティークショップなどが並ぶ観光地となっています。
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ロックスは坂や階段が多く、細い横道や入り組んだ小道もあり、なんだかすっかり見知らぬ街に
迷いこんだような楽しさがありました。
すっかりすり減った階段をのぼってみると、、、
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この場所の詳しい説明の書かれた看板がありました。
すべて英文なのですが、丁寧な絵入りで大体のことはわかりました。
観光客もそれだけ多いということなんでしょうね。
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どうやらここは、18世紀後半イギリスからの最初の入植者達が住んでいた一角だったようです。
すり減った階段は、その当時の人々が登り下がりに利用した階段だったのでしょうね。
今では観光客もたくさんこの階段を登っていますが、、、
今にも18世紀の恰好をした人々が戸口から出てきそうな雰囲気がありました。
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路地裏をぐるぐる廻っているうちにはこんな細道に、、、
ロックスは町全体が巨大な迷路のようになっています。
この細い路地裏の先には一体どんなお店が???
まわりには小さいギャラリーや変わったカフェも、、、
ロックスは路地裏の向こうに何が出てくるかわからない楽しさがある所です。
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大通りに面した場所にあった画廊に入ってみました。
三階まで吹き抜けのゆったりとしたギヤラリーです。
愛想の好さそうな店員が“日本の方ですか?”と話しかけてきました。
日本人と分かると富士山や東京タワーや新宿などが一枚の絵の中に収まった油絵を
得意げに紹介してくれましたが、、、、
この辺りは画廊もいっぱい。
オーストラリアのアーチスト、ケン・ドーンのお店もありました。
なぜか写真にとれず残念でしたが、、、
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路地を曲がった先に開けた所にギャラリーとカフェが並んでいました。
すっかり歩きまわりこの先のカフェで一休み。
まろやかなカフェラテが疲れをとってくれます。
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にぎやかな街中からそんなに離れていないのに意外なほど静かな一角でした。
ここでゆっくりコーヒーをいただき、、、
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一休みした後はまた街歩きです。
ロックスは気ままにぶらっと歩くのが一番とか、、、
勝ってきままに歩いているうちに、とうとうハバーブリッジの下まで来てしまいました。
下からみるハーバーブリッジは大きいいですね!!
この上には8車線の車道とシティレールの複線の鉄道線路と歩道が走っており、車線が世界一多い橋
としても知られているのです。
大きい筈ですね。
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戻り道で見かけたこのお店は、オーストラリアの男性が時々かぶっている帽子のお店。
天井までぎっしりと並んでいました。
テンガロンハットと言うのかと思ったら、この帽子ブッシュハットというものだそうです。
昔の映画「クロコダイル・ダンディ」で主人公が被っている帽子も典型的なブッシュハットだとか。
正式にはオーストラリアン・ブッシュ・ハットというそうですが、こちらの男性は本当によくこの
帽子が似合うんですよ。
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にぎやかな一角に出てきました。
どうやら今日はマーケットが開かれれているようです。
マーケットの前ではギターの生演奏が流れ、パブでは生ビールを楽しむ人々が、、、、
そういえばこのあたりにはパブ巡りのツアーもあるようです。
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一巡りしてまたここに、、、、
ロックスの街に入り一番目に付いたこのなんでもないトンネル。
その時はまったく知らずにずいぶん大きなトンネルだなと思ったぐらいでしたが、、、
実はこのトンネル、ロックスで一番歴史が生々しく残っている場所かも知れません。
「アーガイル・カット」と言われて歴史的にも非常に価値のあるトンネルだったのです。
1843年から1867年の間にオーストラリアに渡った囚人達によってハンマーとノミだけで
くり抜かれたトンネルだとか。
そうと知っていたらもう少しじっくり見たのに、、、
近くで見るとノミとハンマーの跡が今でもしっかり残っているそうです。
そしてこのトンネルは、映画「マトリックス」のロケ現場に使われた場所だとか。
ロックスは歴史の浅いシドニーの中でも18世紀の面影が色濃く残ったちょっと興味深く
面白い場所でした。