LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

家族へのカミングアウト

2006年12月10日 | Weblog
今日はある方からのうれしいメールをご紹介いたします。ご家族にカミングアウトされたというご報告です。そのあとお父様にこの「つなぐ会」のブログをご紹介くださったそうで、こんな時に少しでもお役に立てるならこれほど嬉しいことはありません。

彼女のブログを読ませていただきましたが、これほど娘から思ってもらえてご両親はお幸せだなと心から感動しました。勇気をふりしぼってカミングアウトしながらも、された側の親の気持ちを気遣う彼女の言葉一つ一つに、同じ親として涙が出ました。そしてお母様の「いつもと同じ娘だとわかって嬉しかった」というお気持ちも痛いほどわかります。何も変わらない、自分が目の中に入れても痛くないほどかわいがってきた子供であることに変わりはないのです。親が見せる驚きと戸惑いは「性の多様性など何も知らなかった」結局はただそれだけのことなのです。親の願いは「わが子が幸せであること」それだけです。

頂いたメールのあとに、12月4日の彼女のブログからその一部をご紹介いたします。続きは彼女のブログで是非お読みいただければと思います。「これからカミングアウトする方々に何かの参考になれば・・・」というお気持ちで掲載を快く承諾してくださいました。ありがとうございました。

★「家族にカミングアウトしました」
こんにちは。
わたしは現在東京で彼女と一緒に住むものです。
もともとうつ病を患っているのですが、ちょっと状態がひどくなり、
彼女がわたしの実家の父に連絡したことがきっかけで、カミングアウトしました。
もともと、妹にはカミングアウトはしていたのですが。

父の方は比較的冷静に受け止めてくれたと思っています。
(それは今、メールを通じて聞いているところです)
問題は母でした。もともとカミングアウトする前から母親だけには知られたくないと
思っていました。それは、絶対にショックを受けると思ったからです。

果たしてそれは現実のものとなりました。
わたしが母に「わたしが同性愛者だと知ってショックを受けた?」とメールで聞いたら
「ショックで、あれからずっと育て方に問題があったのか自問自答している」等の
答えが返ってきました。予想していた答えだったので、わたしは特にショックでは
ありませんでしたが、母の気持ちを考えるといたたまれない気がします。
でも、時が解決してくれると思って、しばらくはこの問題には触れないことにしました。
(今は何より病気を治すことが優先ですから)

父は冷静に受け止めてくれていると判断して、ここのブログをメールで紹介しました。

また、わたしは今回のことを自分のブログに書きました。読んでいただければ幸いです。
(12月3日と4日のブログです)


http://app.blog.livedoor.jp/ron_chan_/tb.cgi/50910589


December 04, 2006
カミングアウト、その後
昨日、思わぬことでカミングアウトしてしまったわたしだが、一番気になったことは、やはり母のことだった。ショックで寝込んでいるかも知れない、と思って、わたしは昨日の夕方、思い切って、母に電話をした。

母は思ったより、というか非常に元気そうで安心した。久しぶりだったので、わたしの病状のことや、向こうの近況など話して、あっという間に1時間経った。本当のところ「わたしが同性愛者だと思ってショックを受けた?」と聞こうと思っていた。が、その前に母の携帯の電源が切れてしまって、とうとうその話はできなかった。

だから、わたしは母にメールをした。「娘が同性愛者だと知って、ショックを受けた?」って。そうしたら、やはり「ショックだった。育て方が悪かったのかとあれから自問自答している。どうしても受け入れられない。ごめんなさい」等、相当ショックを受けたと思われる返事が来た。だから、わたしは母にメールをした。それが下のメール。


「やっぱりそうだったんだ。わたしもね、お母さんだけには秘密にしておきたかったんだ。だから妹にも「お母さんだけには内緒にしといてよ」って言ってたの。あのね、育て方とか全然関係ないの。これはわたしが持って生まれたものなの。だから、お母さんのせいじゃちっともないんだよ。わたしだって気がついたの、二十歳をだいぶ過ぎてからだったしね。受け入れられないのはこっちもわかってました。でもそれが寂しいとかつらいとかは思わない。むしろ当たり前のことだと思う。今後も受け入れてくれとは言わないから。ただね、事実は知っておいて欲しかったんだ。それは本音。勝手かも知れないけど。もう一度言うね。受け入れて欲しいとか、そんなことは一切思っていません。今はただ、お母さんがどんなにショックを受けているだろうかと思うと、そっちの方が心配。だからね、今はお母さんの言うように、わたしの身体のことだけを考えて暮らしてください。こんなわたしだって分かってしまっても、普段のわたしとは変わらないからね。お願いだから、自分を責めないで。お母さんのせいじゃないんだから。」

それから、風呂に入っているときに、また考え直して追加で送ったメール。

「夜遅くてごめんね。どうしても言いたくて。あのね、お母さんは育て方が間違ってたかも知れないって思ってるかも知れないけど、わたしはわたしで、こんなに大切に育ててもらって本当に申し訳ない、って思ってるんだよ。ずっとずっと心の中で「お父さん、お母さん、こんなわたしでごめんなさい」って思ってました。自分が同性愛者であることに対してはそんなにショックじゃなかったけど、親に対してまず申し訳ないと思いました。でもね、世の中右利きと左利きの人間がいるように、異性愛者と同性愛者がいるんだよね。で、わたしはたまたま左利きの方の人間に生まれてきてしまったの。だから、お母さんはショックだと思うけど、全然自分を責める必要はないんだからね。そしてわたしもこういう人間に生まれてきてしまったことについては、悔いていません。むしろ誇りを持って生きています。そして今、○○さん(彼女の名前)と一緒にいることも。彼女はわたしの最高のパートナーです。そういう人を見つけられただけでもわたしは生まれてきた甲斐があったと思っています。おかあさんは○○さん(彼女の名前)の話は聞きたくないと思うので、もうこれ以上極力しないつもりだけど、でも、一緒に住んでいる以上、やはり話の中に出てきてしまうと思います。ホントにホントにごめんね。お父さんとお母さんには本当に申し訳なく思っています。じゃ、おやすみなさい。」

そして、朝、起きてみたら、母からメールが来ていた。「理屈では分かっているけど、どうして、どうして、と思ってしまう」と。でも昨日電話して、いつものわたしだと分かって嬉しかった、とそして、無視されていた頃に比べると今の方が格段に嬉しい、と。

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