1975 - Soft Machine - Hazard profile part 1
ソフト・マシーンの8作目。1975年の作品。
メンバーは
Roy Babbinngton ベース
Karl Jenkins オーボエ、ピアノ、エレピ、サックス
John Marshall ドラムス、パーカッション
Mike Ratoledge オルガン、エレピ、シンセ
Allan Holdsworth ギター
ずーっと、ギターレスバンドでやってきたのに、なぜかギターを導入しました。しかもスーパー・ギタリストであるアラン・ホールズワース!!
ソフト・マシーンというバンドは7作目までは、大衆受けを狙わないバンド、すなわち非ポップであることを標ぼうしていたような気がします。
いわゆるとっかかりにくいサウンドで、マニア向けの音楽でした。
ここ日本では、メロディ的なものが弱いということからか、同じカンタベリー系でもキャラヴァンほど人気はなかったと思います(ヨーロッパでは、逆にキャラヴァンより人気があったらしいですね。日本人の方が印象的なメロディにこだわるのかも。)。
ところが、この「Bandles」で、ソフトマシーンは変貌しました。ギター導入というかアラン・ホールズワースの参加はかなり強烈でした。
ずばり、大衆受けするサウンドになってしまいました。
初期からのファンは驚愕したと思います。「難解だったソフト・マシーンを素人のロック・ファンが聴いてしまう。これは許しがたい。」と思ったかも(笑)
曲の傾向は従来のソフト・マシーンの流れを汲みながらも、あきらかに一般人が聴きやすいフュージョンに進化したことに加え、アランにギター弾きまくりを許したことによって、聴き手を大幅に増やしたであろうことは想像に難くないと思います。
日本のロック・ファンはハード・ロックのファンを中心にギターの速弾き大好きっていう人種が多く、この作品に夢中になったギター・マニアも多いのではないでしょうか?
とにかく、恐るべきアラン・ホールズワースのテクニックが堪能できる作品で、1曲目のこの曲で、勝負あり!って思います。
まあ、他のメンバーも凄腕で、曲を作っているのも他のメンバーが多いのですが、やはりアランが目立つ部分に引き込まれます。
私は、彼の速弾きの部分になると、耳をそばだててしまいます。実にかっこいい。もう、ハード・ロックと同じ聴き方ですね(笑)。
それにしても、癒されるジャケット・デザインです。これも好み。
この作品は3作目などを愛する人からみれば、疑問符が付く作品かもしれません。
でも、スーパー・ギタリストが縦横無尽に弾きまくる音楽としては傑作です。
繰り返しますが、アランの速弾きは痛快です。
アラン・ホールズワースが参加した唯一のアルバムとして名高くソフト・マシーンの中でも評価の高い作品ですね。
このアルバムで彼の生涯ベストプレイと言えるものを披露していると思います。
トップを飾る組曲「Hazard Profile」の一曲目でのソロ・プレイがそれで、最近の個性的なギター・サウンドからすると最高のプレイであります。
対して当時リーダー格をつとめていたカール・ジェンキンスの曲造りで彼の専門とするクラシック・ミュージックの洗練さといった要素が加わり、アルバム全体をレベルの高いものに押し上げています。
フリーキーなジャズロックのはるかに上をゆくもので、聴き応えの点ではバンドの作品中でも次作「Softs」と並ぶフュージョン・ジャズロックの傑作ですね。
コメントありがとうございます。
やっぱりアラン・ホールズワースあっての作品ですよね。
そして、彼にとって生涯ベストプレイという点で同意いたします。
このアルバムでの彼のプレイは非常にわかりやすく、かつすさまじい。よく、他のメンバーが弾きまくりを許したと思います。
ギターがチェンジした「softs」は次回のカンタベリー・ロック特集で取り上げたいと思います。