Dalla Cucina

イタリアの旅の記憶を中心に
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小さなVenezia☆「STABATO MATER」

2012-03-18 01:00:00 | ☆イタリア 記憶の風景


 ピエタ教会の写真を探したら、運河をはさんだ向かいの
「サン ジョルジョ マッジョーレ教会」の鐘楼から撮った1枚がありました。

 ↑はその写真の一部を切り抜いたものですが、
 物語の主人公「チェチーリア」が見ていたVeneziaは、きっとこの反対側の景色。

 でも この本の中のVeneziaは とても小さいのです。

 ピエタ教会の前は「スキアヴォーニ河岸」、
 サンマルコ寺院から映画「ツーリスト」にも登場したアルセナーレまで
 続く私のお気に入りの場所のひとつです。

 教会周辺の写真を織り交ぜて、Tiziano Scarpa著「STABATO MATER」を
 ご紹介しましょう。


 


 物語は孤児の少女チェチーリアが 母に宛てて書く手紙から始まります。
 「Signora Madre・・・」の呼びかけからいつも始まるチェチーリアの手紙。

 ピエタ養育院での日常生活や音楽の話、
 そして幼いときの忘れられない記憶からくる妄想や嘆きが、
 私には重く、溜息が何度も出たことを覚えています。





 その手紙をしたためるために、彼女は夜になると 養育院の秘密の隠れ場所に
 こっそり出かけるのです。
 まだ見ぬ母に自分の想いを伝えるために。



 おっと、これから先は邦訳本の帯にある文章をそのまま掲載します。

 
 「ヴィヴァルディと天才少女との葛藤。語られる『四季』秘話。」

 18世紀ヴェネツィア。赤ちゃんポストに置き去りにされたチェチリアは、
 卓越した音楽的才能の持ち主だった。新任の音楽教師アントニオは
 彼女の優れた才能をすぐに見抜くが、同時に激しい嫉妬にかられる。
 ーーーーー謎の多いヴィヴァルディの生涯の一時期を、養育院で孤独に暮らす
 少女の目から描き、イタリア最高の文学賞に輝いた話題作。



 
 


 ↑隣接するホテル「メトロポール」の有名リストランテ「MET」。

 なるほど!帯の文章って映画の予告編みたいに、ワクワクさせてくれますね。
 ま、その通りなのですが、私が「母」であるからか、
 チェチリアの葛藤や訴えがずしんと胸に迫ってくるのです。




 ↑ お昼「MET」の料理が軽くいただける「メトロポール」のバール。



  

 彼女の世界は養育院と仮面をつけて演奏に行くVeneziaのほんの一部です。
 とても小さく、まるで仮面の中から見る舞台の幕裏のよう。




 著者のあとがきにもあるのですが、、近年 ヴィヴァルディをめぐる歴史小説が
 イタリアや外国の作家により数多く書かれているそうです。
 日本では「ピエタ」(大島真須美著)がそうかな?
 実はこの本も読んでみたいと思っています。

 それからYou TubeでBBC制作のドキュメンタリーを見つけました。
 1時間弱と長いのですが、ピエタ教会の内部やあまり知られていないVeneziaも
 登場し、「STABATO MATER」の背景がわかると思います。
 ぜひぜひ。



 
 
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