本当はここに載せたい写真があるんです。
それは、入院二日目の夜、同じ病室に運ばれてきた患者さんと
うちのダンナとのツーショット。
二人とも満面の笑顔で収まっているのですが、実は二人はあまり
会話をしていなかったのです。
というか、イタリア人と日本人、どちらの言葉もわからないからなのですが・・・
夜中に運ばれてきた男性はダンナに「Buona sera!」(こんばんわ!)と
挨拶したらしいのです。
うとうととしていたダンナも「ブオナ セーラ」と答えたそう。
朝起きて目があったので ダンナが「ボン ジョルノ!」(おはようございます)
と、朝の挨拶をすると 男性は「オー ボンジョルノ!ぺらぺらぺら・・・」
と、ダンナがイタリア語が話せると思い喋り始めたらしいのです。
ダンナはあわてて「ノン カピスコ イタリアーノ」
(私はイタリア語がわかりません)と答えたら、それから無言状態がずっと続いたそうです。
朝食も検査もすべて一緒に行動するのですが、ずっと無言。
私が友人夫妻と面会時間に訪ねたときは二人とも検査で留守でした。
そこにいたのが、男性の奥様。
昼食はとっくに運ばれてきてテーブルの上にあります。
冷めてしまうと、心配そうな奥様と私は世間話。
こんなとき、出身地や職業を聞くイタリア語入門あたりの会話が大いに
役立ちました。
ご主人はフィレンツェ出身の元鞄職人で、今はリタイアしてお孫さんもいるとか。
ダンナと同じような症状で運ばれたなどなど・・・
大分待って、帰ってきた男性たちは、また無言で昼食開始。
奥様は入れ替わりに帰られたので今度はご主人とイタリア語会話です。
しばらくして ドクターとの約束時間に行くと、昨日の無口ドクターの横で
とても感じのいいドクターが握手で私を迎えてくれました。
あの「握手」は心がなごみますね。
また状況説明をしたあと(さすがに慣れました)、検査は異常なしなので
退院できるとのこと。
病室で待っていてください、と言われました。
あ~、やれやれ。
同じく退院許可の出た 同室の男性とめでたく記念撮影をしたわけです。
こんなツーショットもめったにないことですものね。
感じのいいほうのドクターから正式に検査の書類を受け取り、無事退院。
この入院中の費用、なんと すべて無料でした。
待っていてくれた友人夫妻とタクシーでいよいよキャンティーの
サン カッシャーノへ、と向かいます。
病院から 約40分。
午後の陽射しがまぶしいVilla il pogialle(ヴィッラ イル ポジャーレ)に
着きました。
実に静かです。
来てよかった、というより 来れたことに感謝というのが実感です。
やっと旅が始まったように思った私ですが、
病院で二晩過ごしたうちのダンナはどんな想いだったんでしょうね。
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ご心配かけました。
「いろんなことあるなあ」と言いながらも懲りてない夫婦です。
宝くじが当たったら長期滞在できるかも、ですが、その前に宝くじを買わないとね。(笑)
全て無料って、超ラッキーでしたね。Non è credibile.
不幸中の幸いにもいろいろあるんですよね。
旅行会話以外の会話を旅行中にするとは思ってもいませんでした。
救急で運ばれた病棟は古くて日本の病院と変わりはなかったのですが、あの「握手」は
かっこいいですね。
ダンナも私が会う前にその先生と握手したとき、「目を見てまっすぐ話す。すごくいい先生」と直感したそうです。