4月24日のNHKEテレ「3か月でマスターする世界史」は、第4回として、イスラム教拡大の秘密についての講座が放送された。歴史の大きなつながり”をひもとくシリーズで、栄華を誇ったローマ帝国が分裂した後、世界を席けんしたのがイスラム教。アラビア半島を中心に急拡大したイスラム教は世界をどう変えたかが解説された。初回は見たが、2回目と3回目はビデオ録画に失敗し、見損なったのは残念であった。
我々日本人にとって、仏教やキリスト教は比較的馴染みが深く、日常生活においても、海外旅行に出かけても、何となく理解できるが、イスラム教については、知識も薄く、とてもしっかり理解しているとはいえない。自分自身、イスラム教やイスラム社会についての知識は断片的でしかない。アッラーの神とかラマダーンとかヒジャーブとかスンニ派やシーア派とかイスラム原理主義とか、イスラム関連用語をよく耳にするが、しっかりと理解しているとはいえない。世界情勢の中でも、とくにイスラム圏はいつも紛争のど真ん中にあり、イスラムは争いばかりしていている印象しかない。
講座の概要としては、
・7世紀にムハンマドがメッカに一つのイスラム教国家に統一し、コーランと彼の教えと実践がイスラム教の信仰の基礎となっている。
・ムスリム(イスラム教信者)はアッラーの神の前では平等
・ウマイヤ朝(661~750)やアッバース朝(750~1258)といったイスラム教で統治する国家が、オリエントと地中海にまたがるほどに広がったのは、現地主義で「非常に臨機応変でゆるやかだったから」という。
・今のイスラム教は、西洋化もあり、宗教改革の最中であるという。西洋化に対抗し、もともとのイスラムの教えを復興しようというイスラム原理主義も出てきている。
・アッバース朝の首都はバグダッドで、そこには多様性が集積しているという。
さらに、イスラム教は西は地中海周辺から東はオリエントにの登場は世界の歴史にどんなインパクトを与えたのかも解説されていた。 各地に広がったイスラム教の建物として、ウマイヤ朝時代のウマイヤモスク(ダマスカス)やメスキータ(スペインのコルドバ)やアルハンブラ宮殿(スペインのグラナダ)等実際に訪れたことがあるものも紹介されていて親しみを感じた。
イスラム教拡大の秘密と、そのリアルな姿を探るというが、何せ30分という限られた授業時間なので、あまりにも早い展開で、しっかり理解してついていくのが難しいと感じた。内容が盛り沢山すぎて、消化不良気味で、「過ぎたるはなお及ばざるが如し」の感がある。テキストを見ながらであれば、ついていくことはできるかも知れないが、自分でノートを取りながらでは、無理があったようである。理解の遅い大人向けであるならば、内容を絞ってゆったりペースで勉強できるようにしてほしいと感じた。また、テキストは本屋で売り切れ中であったが、店頭に並びはじめたので、手に取ってみた。カラー写真もふんだんにあり、解説書になっているので、それなりに立派だが、他のNHK講座に比して、1冊1320円とはやはり高すぎる。3ヵ月だとテキストだけで約4000円にもなるので、買うかどうか迷うところである。写真等はネットで無料公開として、テキストは安価なものにしてほしいものである。今のところ、そこまで本格的に勉強しようとは思わないので、ただ聴くだけにとどめようと思う。
かって、1983~84年頃、日本テレビで「まんが日本史」というアニメ番組があり、毎週欠かさず見ていたが、とてもわかりやすく日本史の理解に役立ち、お気に入りの番組であった。その印象があったので、まさに同じような「まんが世界史」なるものがあったらという思いを抱いた。海外旅行が好きなので、世界各地を訪れるたびに現地の歴史についてよく俄か勉強をしていたが、もっと知っていれば、旅行がもっと充実したものになったにちがいないと感じることがよくあった。まんがシリーズでは、かって、「まんがはじめて物語」「まんがどうして物語」などの素晴らしい番組がいろいろあったが、もう一度見たい思いがあり、復活を希望するものである。
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