鈴与HD(ホールディングス)が、11月14日付でスカイマーク・エアラインズの約13%の株式を取得(約70億円)し、筆頭株主になった旨のニュースが流れた。鈴与HDは傘下にフジドリームエアラインズ(FDA)を持つなど航空事業を展開しており、今後は業務面での連携を検討していくという。スカイマークは大型機への投資などで2015年に経営破綻し、インテグラルやANAホールディングスの支援を受けて再建した。昨年12月に東京証券取引所グロース市場に株式を再上場し、現在は羽田―福岡、札幌など国内23路線を展開している。 一方、鈴与グループでは、FDAが2009年から静岡など地方路線で運航しているが、グループ会社が仙台空港などでスカイマークの地上業務を請け負っており、地上業務でのさらなる協業も検討するという。航空業界は、景気に左右されやすく、コロナ禍にも甚大な影響を受けたが、ANAとJALを中心に何とか回復の方向に向かいつつある。しかし、LCCの台頭もあり、スカイマークの位置づけが中途半端な感があったので、これからどういう方向性で事業を展開し、どう再編されていくかが注目される。
個人的には、1998年9月19日のスカイマークの初便(羽田⇒福岡)及び2009年7月23日のフジドリームの初便(富士山静岡→小松)の両方に搭乗した経験を持つので、複雑な心境である。鈴与グループの会長である鈴木与平氏は、慶応大学の出身で、FDAを起業する時も、航空業界で働いていた慶応出身者を多数FDA社にリクルートし、経営基盤を固めたものと思われるが、新規参入後も順調に事業を拡大してきているようで、素晴らしいことである。ANA JALに次ぐ第3極として、さらなる成長を遂げることが期待される。
朝日新聞デジタル(11/9):
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