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岩内町にある木田金次郎美術館を訪ねた。木田金次郎は1893年に岩内町に生まれ、少年時代から絵画に親しむようになり、1910年、有島武郎と出会う。有島の小説「生まれ出づる悩み」の出版を機にそのモデル画家として知られるようになるが、青年漁師としての厳しい生活の中でも絵を描き続ける生活が続く。1923年、有島の死後、木田は漁業を捨てて画業に専念するようになるが、1954年の岩内大火で、それまでの作品約1500点が焼失したという。その後、1962年に69歳で逝去するまで、精力的に創作活動を続け、独自の世界を切り開いた。生前の有島が木田に、上京するよりも故郷で絵を描くことを勧めたというエピソードを知り、そのことが画家の名前を冠したこのような美術館が建てられるという今につながっていることが興味深かった。
館内には絶筆となった「バラ」が展示されていた。力強いタッチで描かれた波や岩や山などの作品の中で、絶筆となった作品が薔薇の花だったことが意外に思えた。同時に、何となくホッとしたのは、描かれていた薔薇が明るくて清々しい感じがしたからかもしれない。
《木田金次郎美術館》
《美術館の二階から》