透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

「聴く力」

2013-06-20 20:20:45 | 日記

雨のち曇りのち晴れ。最低気温15.1℃、最高気温19.6℃。

午後から職場にて所用。その後、我が家に戻り、野幌森林公園、大沢口から百年記念塔、ふれあいコースを散歩する。少し、肌寒さが残るものの、晴れ間が広がり始めると、六月の爽やかさが戻ってきた。相変わらずエゾハルゼミがかしましく、いつしか脳の中から雑念が掃われていく。ウグイスの声は艶やかさを増していた。

自然界の音や声がほどよい安らぎをもたらしてくれる。茨木のり子さんの詩の中に「聴く力」というのがあった。うっかりしているうちに他人(ひと)の話を聞けない、聞こうとしないことが日常になっていないかと・・・・・・・・・少々不安に。

                           

                             《職場から 左奥に記念塔が存在する 13:31》

                           

                           《百年記念塔 まじかで 16:00》

                            

                                   《ふれあいコース 16:08》

                           

                                  《ふれあいコース 16:08》

                           

                                  《ふれあいコース16:15》

「聴く力」

ひとのこころの湖水

その深浅に

立ちどまり耳澄ます

ということがない

 

風の音に驚いたり

鳥の声に惚(ほう)けたり

ひとり耳そばだてる

そんなしぐさからも遠ざかるばかり

 

小鳥の会話がわかったせいで

古い樹木の難儀を救い

きれいな娘の病気まで直した民話

「聴耳頭巾」を持っていた うからやから

 

その末裔は(すえ)は我がことのみに無我夢中

舌ばかりほの赤くくるくると空転し

どう言いくるめようか

どう圧倒してやろうか

 

だが

どうして言葉たり得よう

他のものを じっと

受けとめる力がなければ

                       『茨木のり子集 言の葉2』所収、『詩集 寸志』から(ちくま文庫)

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