好きなものを長くの第2弾。
先日、新札幌の地下1階にある、靴修理のお店を訪ねました。私は歩き方がどうも偏っているらしく、踵の部分の外側がすり減る傾向にあるのです。この日は短靴の踵を修理していただきました。見違えるほどの出来栄えで、私は大満足でした。ところが、「この店、今日でおしまいだから。」と店主さんが言うので、私はすっかり驚いてしまいました。「とうさんだよ、倒産・・・」との言葉に「えっ?」と私。
以前、ロングブーツの踵の皮の一部がはがれた際に店主さんがおっしゃるには、「マジックを塗って安く済ませるかい、それとも高くつくけどしっかり治すがどうする?」ということでした。安い方は100円、高い方は5千円くらいとのこと。「この靴の値段が1万数千円だったんですよネ・・・。」と私。やはり、マジックで直してもらうことにしました。でも、ただマジックを塗るのかと思った私はしょせん素人で、仕上がった部分はとってもきれいな玄人技です。思わす笑顔になってしまいました。「100円でいいんですか?」と問い返しましたら、「もちろん。革はね、踵の部分の裏までもが革なんだから、そこのところにもクリームを塗ってあげてくださいね。」とのこと。本当にその通りだと感心してしまいました。見えない部分にも手を抜かない。そんなことを教えてもらった気がしたのです。
こういうプロ級の修理のお店がなくなるのは、職人さんが良い仕事をしていた時代が遠のくようで淋しい限り。