その1に引き続きタイ旅行ネタ。
旅行二日目。なんというか、バンコクつったらここしかないだろ、そう言わんばかりの上司どもに、半ば強引に夜のお店に連れて行かれてしまった。正直自分の頭の中には“○俗”や“ソ○○”なんて言葉なんざあ、…いや、男としてはすんごく興味はあるのだけれど、過去いろいろあったせいで(風俗で、じゃないよ。誤解されたので、念のため)、行動の選択肢からは完全に除かれていて、絶対に行ってはいけない俺様ルールの上に存在する項目なのだ。
と、まあ、いくら個人的理由に基づき説明したところで、ありがちにまみれたオツムしかないオッサン連中どもは、「口ではどうこう言ってても男なんてのは所詮みんな同じなのさ」やら「若いうちには色々経験しておくものだ」、と迷惑千万でひとりよがりな善意をビンビンに発し、こちらの聞く耳など持つわけもないのだから、とりあえずは大人しく連行されることにする。つーか、そうやって「みな同じ」論をひけらかせている事自体、自分の罪悪感を正当化しようと見苦しく言い訳してるだけに見えて、正直ああはなりたくないと心に誓う。
ちなみに、ここで“風○”の批判をする気はさらさらないし、むしろ限定的な理由に因るならば、あっても構わないと思う。それに、風○未経験者を探す方が苦労する今の世の中、正直少数派はこちらなわけですよ。ただ、胸をはって人に言えないようなことを、こっそりやるならまだしも、無理やり仲間を作ることで自分を正当化するおっさん連中を侮蔑してるだけなわけで。…あくまで俺個人の意見です。脱線多謝。
大通りを少しばかり逸れると、あたりはたちまちピンクのネオンと、そういう系のお姉さん方の群れが彩る妖艶な町並みに。看板のほとんどが日本語で、正直一瞬だけなら歌舞伎町なんかと見間違えそうな雰囲気である。群がって来るキャッチを無視しつつ、連れて行かれた先は薬屋さん。と見せかけて、店の奥の隠し階段を昇って行くと、日本で言うキャバクラみたいな雰囲気の部屋に。システムはと言うと、次々と部屋に入って来る女性をチェック、気に入った子がいたらキープし、しばしカラオケなど交えて歓談、その後店主にお金を払い、そのまま近所のホテルへ、という単純明快な流れ。
まわりが次々と相手を見つけていく。ふと、ひとり、なかなか誰にも付けずにウロウロする子を発見。かわいくて、ちょっと素朴な雰囲気を醸し出していたので、とりあえずその子を呼んで、あたりさわりのない会話を。と言っても、どうやらこの世界に入って間もないようで、日本語、英語ともにほとんどチンプンカンプンであるらしく、オリジナリティ溢れる必死の手話でコミュニケーションをはかる。たまたまかも知れないけど、そのお店の子は、かなりの粒ぞろいで、ほとんどが20代前半。愛想もいいし、頼んでもないのにベタベタ触ってくる(仕事だから当たり前だけど)。正直内心ドッキドキもんだったのだけれども、ふと前の彼女や、会社や大学の同僚・後輩なんかの顔が頭をよぎり、ほんの些細な環境の違いのせいで、こんなにも人生って違ってくるわけで、もし一歩間違ってたら、今のこの子達の場所には………。そう思うとちょっぴり理性も戻って来て、「俺は今○○○○○るから一緒にホテルには行けない」と女の子に告げた。正直、お客さんが取れないと怒られるのかな、と心配だったけれど、笑顔で「ダイジョーブ」と言ってくれて一安心。もっとも、作り笑顔だったのかもしれないし、もしかしたら一緒に行ってあげるのが彼女にとっては最良の選択肢だったのかもしれない…。今思うと、一緒にホテルまで行ってから理由を言って、お金だけ渡してなにもしない、てのが一番だったのかもしれないけど、正直その時は動転してたので、そこまで頭が回らなかったし、もし気づいてたとしても、さすがにそこまで行ってからは正直我慢する自信なかったし。そもそも「なにかしてあげる」て言う時点で、お前何様やねん、てなもんでさ。
結局行かなかったのは、自分含めて2名(行ったけど手出ししなかった先輩2名確認)。カラオケなどで寂しく時間を潰していると、1時間ほどでみんな帰って来た。ん、1時間?………やっぱ行かなくてよかった(←?)。
はっきり言って、絶対に行けない理由があったし、プライド捨ててまで他人に流されてしまうくらいなら、正直社内で嫌われてクビになって野垂れ死んだ方がマシなわけだけど、そうは言っても悲しいかな、体は正直でその夜は一睡もできなかった(あたりまえやっちゅーねん!)。
…………早く彼女見つけよと本気で思った今日このごろ。痛切。