諸星大二郎の『私家版魚類図譜』を購入。
いやはや、諸星イズムにまみれた一冊でした。歴史物、ファンタジー、ギャグ、シュール、ホラーなどの各種諸星節が、なぜか『魚』をテーマに繰り広げられます。
深海に住む人魚と潜水艇に乗った人間の出会いと顛末を描く『深海人魚姫』。宋国の武将が薄気味悪い集落に迷い込む『鮫人』。遠い未来、地底に住む少年達が「本物の魚」を探しに出かける『魚が来た!』。魚が教鞭を取る不思議な学校での不思議な物語『魚の学校』。自分が魚になった夢ばかりを見る男を描く『魚の夢を見る男』など、諸星にも程がある作品群だらけなのだけど、個人的には、巻末の書き下ろし短編漫画『ネタウナギ』がツボだったりします。
霧の中を泳いでいるような、不思議で微妙な爽快感が味わえる一冊。
少年ジャンプやマガジンは卒業したけど、『釣りバカ日誌』や『クッキングパパ』を読むにはまだ早い世代あたりにおすすめです(どんなだ)。
ぜひ。
