京都は三条通りの文化博物館(以下文博)に、『源氏物語千年紀展』を見に行って来ました。仕事帰りに、会社から徒歩5分の好立地。
文博には少し前にトプカプ展を見に行っていて、その時は当時の出土品やアンティークなぞがザクザクあり、陳腐な表現をするなら“タイムスリップ”的に楽しめたのだけど、今回のテーマは『源氏物語』。史実でないので、ゆかりの品と言っても、後世(鎌倉後期~江戸末期)の愛読者が写本や編集をした書籍資料や、絵巻物、屏風などが中心で、うがった見方をすれば、当時のオタク達の壮大な同人活動と見えなくもなく(←言い過ぎ)、入場してすぐには乗れなかったのです。
かと言って、作品自体を熟読しているわけではないので、ネタも今ひとつピンと来ません(なぜ来た)。
だって、金持ちエリートのプレイボーイのラブストーリーなんて、女性からしたら興味津々で、キャーキャー妄想できて、登場人物の女性にも共感できるのだろうけど、男からしたら、ふんっ、へんっ、ちっ、死んでしまえベラマッチャ(@赤塚プロ)、なのです。
(いや、女性ファンの楽しみ方の主流が、実は源氏の行動に対する突っ込みなのだというのは知っているのだけど)
以前の僕なら、ここで足早に出口に急いだのでしょうが、三十路に入り成長した(身長以外。やかましい)今の僕は違います。
視点を、歴史的価値評価目線やファン目線から、工芸嗜好品エンジョイ目線にシフトチェンジ!
するとどうでしょう、当時の熱烈な源氏物語ファンが、こだわりの究極を注入して作成した作品の数々は、これでもかー、これでもかー(@高田総統)、と僕の五感を刺激してきたのです。
某鑑定団的な価値観はわかりませんが、その細かな気配りの行き届いた造形や仕事からは、まさしく“愛”が感じられ、思わず共感と尊敬の念を禁じ得ませんでした(さっき馬鹿にしてたくせに)。
仕事柄、和の芸術の楽しみ方も、かじった程度ですが理解できたのも役立ちました。今よりも限られた素材を駆使工夫して描かれた屏風絵や、今でも色あせず鮮やかな墨絵など、いちいち興味深かったです。
そんなこんなで、『源氏物語千年紀展』、どこかほろ苦さを感じつつも(?)、しっかり楽しめましたよ。
押忍。
